準備編(その3)
2001・7

地獄の大そうじ


 航空券の手配とホテルの予約がすべて完了したのは出発予定日(7月23日)の1週間前だった。
 
そろそろ旅行に持っていく荷物の準備を始めなければならない時期だったが、その前にどうしてもやらなければならないことがあった。
  それは、家の大そうじ、である。

 長年そうじをさぼりつづけてきたたたりダニのすみかになりかけている我が家をそのまま放置して1カ月以上も旅行に出たとしたら、帰ってきたときいったいどうなっているか・・・・考えただけでも体中がかゆくなりそうだった。


 そんなわけで旅行のしたくはあとまわしにして家の大そうじを始めたのだが、部屋の散らかり方のすさまじさと、やり出したらトコトンやらなければ気が済まない私の性格が災いして 連日徹夜でそうじしつづけたにもかかわらず、ようやくそうじが一段落した時にはもうすでに旅行の出発日の朝になってしまっていた。
 もちろん旅行の用意はまだ何もしていない。

  オマケに私は右足を負傷して、足を引きずらなければ歩けない状態になっていた。そうじ中に右足の親指を家具にぶつけて爪がはがれてしまったのだ。


 こんな足で旅行の準備をするのは大変だ。
 だけどペロとペッペは前日ピアノ発表会に出て疲れていたので出発ぎりぎりの時間にならないと起きそうにないし、パパドンは旅行に持っていく予定のノートパソコンが突然つぶれてしまってその修理に徹夜で追われていたので、誰にも旅行の用意を手伝ってもらえそうになかった。


 予約している飛行機に乗るためには朝の5時半に家を出なければならないので出発時間まであと30分

 なのにスーツケースは空っぽ状態
 これはもうほとんど絶望に近い状態だ。

  私はどうしていつもこうなんだろう。子どもの頃からそうだった。夏休みの宿題はいつも休み最後の日の夜中にならないと始められなかったし、テスト勉強もテストの前日の夜中にならないとやる気にならなかった。何をするにも早め早めに準備するということができない。私は本当にダメ人間だぁ・・・、などと呑気に落ち込んでいるヒマはない。

 とりあえず何でもいいからつめろ〜、という感じで手当たりしだいに服や日用品をスーツケースにつめこみ、わずか30分で36日間もの長期旅行のしたくを完了させてしまったのだった。

  もちろん、中身を見直すヒマなどあるわけない。何を入れたのかすら覚えていない。
  スーツケースは合計4個あったが、その中にいったい何がつまっているのか、それは誰にもわからなかった


飛行機が欠航!?
につづくよ