出発から5日目(ニューヨーク5-2)
2001・7・27

メトロポリタン美術館の謎の大行列


 ペッペのキゲンもなんとかなおり、平和を取り戻した私たちはメトロポリタン美術館に向かった。
  少し遠いのでバスで行ってもよかったのだが、涼しかったのでセントラルパーク沿いの道をぶらぶら歩いた




 美術館に着くと、まずオセアニア地方などの美術品を観賞した。おもしろい顔をした人形がたくさんあったのでペロとペッペに大受けだった。


 館内のレストランで昼食をとり、そのあとエジプトの美術品を見た。エジプトのコーナーは広い吹き抜けのスペースに大きな神殿の遺跡があったりして、もうそれだけでひとつの博物館ができそうなほどの規模の大きさだった。


 1階をすべて見終わったあと、カフェでケーキを食べてひと休みしてから2階に上がった。すると、特設会場の前にすごい行列ができていた。
  何の行列かはわからなかったが、これだけの行列ができているのだからよほどおもしろい物が展示されているに違いないと思い、その最後尾に並んだ。

 

 行列はなかなか前に進まなかった。途中でペロとペッペはぐずぐず言い出したが、きっとすごいものが見られるよ、と言ってなだめて1時間以上並び続け、ようやく特設会場の入口付近まで進んだ。入口の看板にはケネディーという文字が大きく書いてあった。ケネディー元大統領の何かが展示されているらしい。
  何だろう・・・。きっとすごい物なんだろうなあ、 と私の期待はさらにふくらんだ。

 そして、ようやく待ちに待った入場。ドキドキしながら会場に入った。
 だが、そこにあったものは、ケネディー夫人の大きな写真のパネルと、色あせた古着の数々だった。
  どうやらここはケネディー夫人が着ていた服の展示場らしい。

 ここはつまんないから奥へ行ってみよう、と言ってその部屋の奥の扉を開いた。すると、なんとそこはその特設会場の出口だった。
 ってことは、つまり、展示品はさっきの服だけ?
 うっそー。1時間以上も並んだのに、ほんとにほんとにあれだけなん??
 思わず目がテンになってしまった私たち4人。

   


 でも、ほかにいたアメリカ人はみんな満足そうな顔で古着をながめていた。もしかしたらアメリカ人にとってはケネディー夫人の服はすごい展示品なのかもしれない。
  日本で元総理大臣の奥さんが着ていた服を展示しても絶対誰も見にいかないよなー。その辺が日本の総理大臣とアメリカの大統領の違うところか。
 まあ何にしても、もう行列に並ぶのはこりごりだ〜。

   


2階の絵画のコーナーには、ゴッホの「糸杉」モネの「睡蓮」近代美術館にあったのとは違うバージョン)やルノアールの作品がいっぱいあった。

 ムンクの「バンパイア」もあった(なんともいえない、くらーい絵。思わず足を止めて見入ってしまった)。



 東洋美術のコーナーもあり、仏像や日本の浮世絵などもあった。
 美術の教科書でおなじみの絵や彫刻もいっぱいあったので、ペロとペッペもうれしそうだった。

 とにかく、数え切れないほどの名画があちこちに惜しげもなくごろごろ飾ってあるのだ。
 行列は失敗だったけど、メトロポリタン美術館は本当にすごいところだ。


ジャッキーチェンもどき出没
につづくよ