出発から5日目(ニューヨーク5-3)
2001・7・27

ジャッキーチェンもどき出没


 メトロポリタン美術館の見学を終えてそろそろ出ようとしていたとき、1人の黒人の青年がパパドンに近づいてきた。そしてどういうわけかあこがれのまなざしでパパドンをじっと見つめて小声で何かを囁き、握手を求めるように片手を差し出した。



  パパドンがノーノーと言って立ち去ると、その青年はなごりおしそうにじーっとパパドンのうしろすがたを見つめていた。



  何だか怪しげな光景・・・。

 私とペロとペッペはすぐにパパドンのほうに駆け寄って、「何? 何? どうしたの?」ときいたがパパドンは何も答えなかった。

 う〜ん、やっぱりなんだか怪しいぞ・・・。

「ねえねえ、どうしたの? さっきの人、何を言ってきたの?」
 私たちに何度も何度もしつこくそう聞かれて、パパドンはようやくボソッと答えた。
「ジャッキーチェンに間違えられた
 へ?
 あのジャッキーチェンに???
 私とペロとペッペは思わず「うっそ〜」と叫んで大笑いした。


  

 はっきり言って、全然似ていない
 その昔ジャッキーチェンのファンクラブに入っていたほどのジャッキーチェンつうの私が言うのだから間違えない。


「だから言いたくなかったのに・・・」とはずかしそうに言うパパドン。私たちに笑われることを予想していたらしい。



 まあでも犬っぽい顔の系統足の短さ広い肩幅は若干似ているし、パパドンのようにうしろでひとつに束ねた髪型をジャッキーチェンも以前していたことがあったような気がする。
  私たちが黒人の顔を識別しにくいのと同じで、黒人も東洋人の顔を識別 しにくいだろうから、ほんのちょっと雰囲気や髪型が似ているだけで間違える場合もあるかもしれない。

 が、しかしジャッキーチェンのおなかはパパドンみたいに出てないぞ(なんと言ってもアクションスターだからね)

 さっきの黒人の青年はパパドンのおなかを見なかったのだろうか??

  

 そんなこんなで、私とペロとペッペの笑いはなかなか止まらなかった。


        
  


 帰りもセントラルパーク沿いの道を歩いて帰り、ホテルの近くでサンドイッチなどの食料品を買ってホテルに戻った。

 部屋で夕食を食べている最中も、ジャッキーチェンの話が出るたびに、パパドンのおなかを見て私とペロとペッペは笑い転げた。
 そのせいか、いつも大食いのパパドンが少ししか食べなかった。
 そしてパパドンは言った。
「なにがなんでもこの旅行で痩せてやるぞ〜!!



 誓いを新たにしたパパドン。
 目標はジャッキーチェンのおなかだ!!


路線バスに乗ろう
につづくよ