6.南部沢での一日(2月8日)
朝起きるとまずまずの天気,昨日作ったバナナなどのトラップからも少し甘酸っぱい香りがしてきている。今日は一日南部さんの家の脇から入って行く沢(以下,南部沢とよぶ)で蝶を観察する予定である。朝食もそこそこに,早速トラップの材料を入れたバケツを持って歩きだす。道沿いはドクチョウやセセリなどが時折飛び出す。逆さ向きに止まっているイボタガのようなタテハもいる。
のんびり歩きながら,所々にトラップを置いて行く。まだ熟し方が足りないようで,あまり匂いがしない,案外,帰るころになってやっとトラップに蝶が集まって来るような気もする。
ドクチョウは,どれも良く似ているが,結構種類は多いようで,片っ端から確認する。しかし,詳しいことはわからない。10時少し過ぎ,ついに本日最初のモルフォチョウが飛び出す。少ししてもう1頭。それにしても美しい。朝のうちたくさん飛んでいたドクチョウの数もだんだん少なくなってきた気がする。いろいろな蝶を観察しているうちに12時近くなったので,昼食に戻る。
それにしても暑い。この暑さの中で外へ出て行ってもろくに蝶は飛んでいまい。そう思ってしばらく休憩することにする。一雨来てくれれば,と思っても,来てくれる気配がないので,4時近くになって仕方なく出て行く。もうモルフォチョウは全く飛んでこない。林の片隅で,かなりの数のシジミチョウがかなり飛んでいる場所を発見。特に,裏面が青緑色のシジミに目を奪われる。しかし,そのシジミは高いところに飛び去り,見えなくなった。
夕方近くなると,ドクチョウが特に多くなった。しかし,午前中に多かったドクチョウとは,少し種類が違うような気もする。はっきりしないので,午前中と午後との観察記録が区別できるようにメモしておく。モデルとなるドクチョウのほか,擬態種も多いというので,あるいはそれらの種の間に時間的な棲み分けの関係があるなんてこともあるかも知れない。南米の蝶を観察するうえで,一つ自分なりのテーマができたようで少し嬉しくなる。気のせいなのかどうなのか,帰ってゆっくり調べて見ることにしよう。5時近くなり,蝶の数がめっきり少なくなった。それにしても,今日一日で,合計5時間も蝶を観察していない。もっと頑張らなくては,とも思うが,今回の旅行は長丁場。最後の最後までエネルギーを持続させるためにはこの程度でちょうど良いかもしれない。