3.ブラジルに到着(2月6日

 サンパウロにもうすぐ到着と思っていると,飛行機が何度も旋回を始めた。どうも様子がおかしい。少しして,サンパウロ空港が強風のため着陸できないので,リオデジャネイロ空港に着陸するというアナウンス。リオデジャネイロに9時近くに到着し,飛行機の中で2時間近く待たされた。もう20時間以上飛行機に乗っているとはいえ,この2時間はこたえた。何しろ,一体いつ出発するのか,なにも説明がない。正確に言うと,ポルトガル語でしか説明してくれないので,なにがなんだかわからない。飛行機が離陸し,リオデジャネイロに着いたのはもう1時近くになっていた。もちろん,乗る予定だったベレン行きの飛行機はもう行ってしまっている。入国審査を終え,荷物を受け取ると,ツニブラのガイドが待っていた。異国の地について,自分を待っている他人がいるのは心強いものである。なにしろ,ここはまともに英語の通じない国。身振り手振りしか,意思の伝達手段がない場合も多く出て来るだろう。

 ガイドにチェックインの手続きをやってもらい,17時45分の飛行機で出発することになった。あと5時間,空港の喫茶室でビールやコーラを飲みながら,のんびり時間を潰す。空港内にあるいろいろなお店を見て回るが,あまり買いたいものはない。まあ,今日はベレンに着くだけの予定だったので,今日中に着けれなにも問題はないのだが。時差の関係もあり,実際に成田をでてから何時間経っているのか良くわからない。

 リオデジャネイロ空港は,想像していたよりもきれいで,治安も特に悪いようには見えなかった。もちろん,本当のところは分からない。しかし,いつものことだが,初めての土地は結果として不必要なほど身構えてしまうことが多い。当たり前のことだか,どこの国であれ,人々の多くは守るべきものを持ちながら暮らしている。そして,人に危害を加えたり,盗みをはたらくなどすれば,守るべきものの多くを失うことに違いはない。

 後で聞いた話だが,強盗などに入られると,その後必ず入られた人の所にあまり人相の良くない者たちが訪ねて来るそうだ。

「入った奴らは分かっている。俺が殺してやる」

 報酬は,日本円にして,一人5万ぐらい。この国では,極端な法律を作る一方で,警察官さえその法律の存在を知らず,一般にも全く守られていないことが多いという。何しろ昨年2月に作られた法律では,昆虫採集禁止ではなく,昆虫を追いかけることすら法律的には禁止されているそうだ。もっとも,現在その法律は細則を作っている最中で,色々な除外条件が付けられ,結局は骨抜きになりそうだということだが。法律も,警察官も当てにはならない。しかし,目には目をの原則が結果として治安を守っている。まるで西部劇のような話だ。ただし,これはかなり古い話なので,現在では多少とも変わりつつある。

 サンパウロからの飛行機は定刻から少し遅れて出発し,リオデジャネイロを経由したのち,ベレンの町に着いたのは22時を回っていた。ガイドの島氏が出迎えに来ていた。我々のサンパウロ到着便の遅れなどをすべてつかんでおり,いかにも頭の良さそうな人物でほっとする。

 いよいよ明日はトメアス入りである。

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