2.本当にそうなの?−イソギンチャクの都合
まず,イソギンチャクもクマノミも,同じ動物どうし,こんなにぴったりくっついて暮らしていて,利益も不利益も受けないなんていうことが本当にあるのか,とても不思議です。つまり,クマノミがいなければ,イソギンチャクが食べられた餌を,クマノミが見つけてパクッと食べたとすれば,イソギンチャクはクマノミによって不利益を得たことになる。こんなことはいくらでもあるはずです。だとしたら,イソギンチャクは不利益を得ているわけです。
百歩譲って片利共生であることを認めるとしても,それは,このようなエネルギー的な不利益を上回る何らかの利益をイソギンチャクが得ている場合でしょう。