ちょっとここで,クマノミの生活の特徴について確認して見ましょう。ご存じのとおり,一つのイソギンチャクには複数のクマノミがおります。これらのうち,一番大きい個体が雌,次に大きい個体が雄で,残りの個体は繁殖には参加しません。興味深いことに,クマノミは,成長と共に性転換をします。始めは雄,最後に雌。一つのグループから,雌のクマノミを取り除くと,やがて,雄が雌としての行動を始め,しばらくすると体内の構造も変化し,完全に雌になります。つまり,クマノミの性は社会的に決定され,イソギンチャクのまわりに雌を中心としたなわばりがつくられているのです。
|
|