航空自衛隊浜松基地航空祭見聞記(1)
話は一年前(1998年)にさかのぼる。
人づてで入間の航空祭の事を聞いた広田は、OさんやFと共に行ってきた。
F−15やT−4や、ブルーインパルスの飛んでるところを見て大いにはまった。
駄菓子菓子……訂正……だが、しかし(^^;……
「なんだこの人の流れの管理不足は! ふ、ふざけるなぁ!」
滑走路間際にゆくには中央付近のT地路になっている道を通るしかなく、そこに人が集中する事になり大混雑。
あれでは怪我人が出た時、救護もできずに大変な事になること必至。
そのうえ、良く見るとその通路にシートで自分の居場所を確保してる連中までいる。
後でよくよく捜索してみたが、他に通行できる場所まったくなし。
あんなんで人を呼ぶなんて絶対間違ってる。
「これからも航空祭は見たい、でもここ(入間)で見るのはゴメンだ!」
と固く心に誓った。
後日、S君とTEL中にその事を話した。
すると彼は
「そんなだったんですか?、自分が浜松で見た時は子供だったけどそんな事なかった気がするなぁ」
……この一言で、広田の一年後の行動が決定されるとは、彼も予想してなかったようだ……まぁ無理もないわな(笑)
11月初頭、航空自衛隊のHPでスケジュールを確認した広田は、周囲に向かって断言していた。
「何があろうとも浜松へ行ってくる」
これから書くことは、その浜松遠征の始終である。
○11月13日夜
地図や(ちょうど風邪ぎみだったので)風邪薬などを購入してきた広田は、同行予定の氷猫君へTELしていた。
氷猫君のナビ能力は広田にとって、非常にありがたいものだった。
今回もルート選定や時間設定は彼にお願いしていた。
「オープンベースな、朝の7:30からなんだわ。うんで8:00には基地所属のT−4飛んでるんだよ」
「え、そんなに早いのか! 俺そこまで注意して見てなかった!」
「俺、今からもう寝て3時にそっちへゆく、4時頃には着くからそのまま浜松までいっちまおう」
「了解、うんじゃこっちも寝る。おやすみ」
氷猫君はバイク乗りな上に、広田の自宅を知っているので計画は極めて機動性の高いものになった。
そしてこの会話の直後、広田も明日のために気合をこめて熟睡するのであった。
○11月14日AM4:00〜7:40
4時頃、大体予定通りに氷猫君到着。
広田も準備を終えていたので、文字どおりそのまま出発。
東名高速秦野中井インターより名古屋方面に向かって巡航、朝飯代りを求めて6時頃富士川SAにて小休止。
しかし……
「自動販売機とセルフレストランと土産物売店しか営業してねーじゃん(^^;……」
広田の知ってるSAやPAは海老名とか港北だったので、ちょいとカルチャーショック(笑)
氷猫君、広田の世間知らずぶりにちょっと呆れた様子(^^;
結局、トイレ休憩少々と飲み物を購入しただけで再び進行。
7時前後、降りる予定の浜松西インターへ到着。
そのちょっと前から車の量が増えていたのだが……
「なんだこの車の列わ……ひょっとして全部基地祭にゆく連中か(^^;?」
「多分そうじゃないか……まぁ、この連中についてゆけば迷う事もあるまいて」
確かに迷う事はなかったが、渋滞にははまった。
この事で我らの間で意見一致した事は……
「来年は1時間早く出よう」
だった。
すでに二人とも恒例行事にする気らしい(笑)
目星をつけていた駐車場にたどり着き、そこから数分歩いて基地内へ
ここから我々二人の「歩きまわり、万歩計もってくれば良かったね」的基地祭が始まるのであった。
○11月14日AM7:40〜PM4:00(基地及び隣接の公報舘)
基地に入ってまず我々のした事は、基地祭ガイドブックを買うことだった。
一冊250円程度、それを二人とも購入。
出発してから一回しかトイレに寄ってないので、まずは基地内のそれを探しながらガイドブックを立ち読みしてた。
「……ぷはははは! 氷猫君、ちょっとここを見てよ!」
「?」
「ほらここのブルーインパルスの紹介のところ、一押しの演技科目『レインフォール』になっている」
「ぶ!」
レインフォールとはその昔、ここ浜松でやって一機墜落事故をおこしたいわく付きのワザである。
この事故のせいでブルーインパルスの航空展示はしばらく中止、再開後もブルーが浜松に来ることはなく、10年以上たって今年ようやく浜松にブルーは帰ってこれた。
もともとブルーは浜松基地において発足した部隊である、これがいかに喜ばしい事か簡単に想像できる。
そこでもって、いきなりこのワザが「一押し」……
「何かに喧嘩売ってるようにしかおもえんなぁ(笑)」
とか言いながら二人して笑い転げた。
(もっとも、事故当時そのままのワザではなくて改良して安全性を高めたモノだったらしいけど>レインフォール 機体も当時のT2とは、格段に運動性の良いT4だし)
そんなこんなで、基地祭は我ら的に「つかみはOK!」で始まったのである。