紫微斗数とは
紫微斗数は唐末期に陳希夷という人物によって作られたとされています。しかし、この人物が著した
とされる「紫微斗数全書」が発行されるのは、ずっと後の明の時代となります。現在でもこの書は台
湾書として多く出回っていますが、多くは誤字や欠落が見られます。管理人の知る限りでは、内閣文
庫に蔵されている「新鐇希夷先生紫微斗数全書」が最も状態が良いようです。ところで、紫微とはこ
の占星術で使用する代表的な星の名前で、斗数とは運命を量るという意味です。この紫微斗数では、
干支と旧暦を使い、12宮に多数の星を配置して、人生を詳細に解釈し、いわば、東洋のホロスコー
プといってよいものでしょう。
注)実際には、西洋占星術に対して、中国には七政四餘という実星を使う術数があり、紫微斗数では
虚星を使います。
子平が自分の器を知るのに適しているのに対し、紫微では結婚相手の容貌や好みまでわかる等より細
かな象意を知るのに適しています。
近年台湾で大ブームを引き起こし、日本でもようやくメジャーになりつつあります。
代表的な門派として南派、北派の紫微斗数があり、最近では王亭之の中州派や台湾の李達威の崑崙派
この他に占験派や河洛派など多くの門派があります。
管理人の学ぶ透派紫薇斗数は旧暦の月ではなく十二支を使うため、やや異端の感もありますが、縁あ
ってこの門派の秘伝書である透派紫薇大法・大法心得を入手することができ、その緻密さに感動した
ものです。そのすべてをここで説明するのは不可能ですが、ソフトとテキストの部屋にこの紫薇推命
術のソフトを用意していますのでダウンロードしてご利用ください。
なお、透派では、”紫薇”と草冠のつく”薇”の文字を使用します。この点を誤りであるかのごとく
指摘する人もありますが、阿藤先生の「傳本紫薇」の中でも指摘されているように、透派以外の書で
も作者不明で道教の経典の一遍に収められていた「紫薇闡微録」や清代の光緒年間に出版された「紫
薇批命」といったものがあります。
また、明代の葉成盛撰の書目には「紫薇闡微録」の母体となったと思われる紫薇照膽經・紫薇千金賦
・紫薇眞数・紫薇星数・紫薇数の版本の記名があります。