断易入門
1.はじめに
原神 |
忌神 |
仇神 |
|
用神が兄弟 |
父母 |
官鬼 |
妻財 |
子孫 |
兄弟 |
父母 |
官鬼 |
妻財 |
子孫 |
兄弟 |
父母 |
官鬼 |
妻財 |
子孫 |
兄弟 |
父母 |
官鬼 |
妻財 |
子孫 |
4.易卦の構造
a.納甲(八卦の爻に十二支を割り当てます)
八卦を男卦と女卦に分けます。
男卦 天(乾)…父 女卦 地(坤)…母
雷(震)…長男 風(巽)…長女
水(坎)…次男 火(離)…次女
山(艮)…三男 沢(兌)…三女
父(乾)は陽支の第1支である子を初爻にして、陽支を順に割当てます。
長男(震)は家を継承するもので、父と同様とします。
次男、三男は順に陽支を一つずらします。
母(坤)は父と対照的に陰支未より逆順に割当てます。
長女は長男に対応するものとして丑(子と合する支、合については後述)から逆順に、次女
は第二陰支の卯から、三女は第三陰支の巳から割り当てます。
外卦 ○戌 ●戌 ●子 ○寅 ●酉 ○卯 ○巳 ●未
○申 ●申 ○戌 ●子 ●亥 ○巳 ●未 ○酉
○午 ○午 ●申 ●戌 ●丑 ●未 ○酉 ○亥
内卦 ○辰 ●辰 ●午 ○申 ●卯 ○酉 ○亥 ●丑
○寅 ●寅 ○辰 ●午 ●巳 ○亥 ●丑 ○卯
○子 ○子 ●寅 ●辰 ●未 ●丑 ○卯 ○巳
乾 震 坎 艮 坤 巽 離 兌
<胡煦の納甲法について>
上記が一般的な納甲法(納支法)ですが、これとは別に、胡煦(こく)納支法と呼ばれる
方法があります。これは離を坎に応する亥から、兌を艮に応する酉から始めるものです。
b.八宮(64卦の分類と八卦の五行の配当)
断易において64卦を分類するのに、八宮という概念を用います。八宮は、八純卦(内外が同
じ八卦)を首卦としてこれに八卦ずつ配当したものです。
八宮は、
乾宮…この八卦の宮の五行は金 坎宮…この八卦の宮の五行は水
艮宮…この八卦の宮の五行は土 震宮…この八卦の宮の五行は木
巽宮…この八卦の宮の五行は木 離宮…この八卦の宮の五行は火
坤宮…この八卦の宮の五行は土 兌宮…この八卦の宮の五行は金
各宮に所属する卦は、首卦以外に、
一世卦…首卦の初爻を反す。 二世卦…さらに二爻を反す。
三世卦…さらに三爻を反す。 四世卦…さらに四爻を反す。
五世卦…さらに五爻を反す。 遊魂卦…五世卦の四爻をもとに戻す。
帰魂卦…遊魂卦の内卦をすべて反す。 があります。
ちなみに乾宮を例にすると、以下の通りとなります。
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
● ● ● ○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ● ● ○ ○ ○ ○
○ ● ● ● ● ○ ○ ○
○ ● ● ● ● ● ○ ○
○ ● ● ● ● ● ● ○
帰 遊 五 四 三 二 一 首
魂 魂 世 世 世 世 世 卦
卦 卦 卦 卦 卦 卦 卦
<ある卦をみた時にそれが何世卦かを判断する方法>
五爻を裏返して、内外同卦なら帰魂卦。五爻を裏返して、内外の陰陽が反対なら遊魂卦
初爻を裏返して、内外同卦なら一世卦。初、二爻を裏返して、内外同卦なら二世卦
初、二、三爻を裏返して、内外同卦なら三世卦。以下同様にして、五世卦まで判断します。
c.世応、六親
首卦…上爻が世、三爻が応 一世卦…一爻が世、四爻が応
二世卦…二爻が世、五爻が応 三世卦…三爻が世、上爻が応
四世卦…四爻が世、一爻が応 五世卦…五爻が世、二爻が応
遊魂卦…四爻が世、一爻が応 帰魂卦…三爻が世、上爻が応
六親は、宮の五行と爻の十二支の五行を見て決めます。
爻の十二支の五行が宮の五行を生じる場合は父母
爻の十二支の五行と宮の五行が同じ場合は兄弟
宮の五行が爻の十二支の五行を生じる場合は子孫
爻の十二支の五行が宮の五行を尅す場合は官鬼
宮の五行が爻の十二支の五行を尅す場合は妻財
ちなみに乾為天(金)の卦では、以下の通りです。
父母 ○世戌
兄弟 ○ 申
官鬼 ○ 午
父母 ○応辰
妻財 ○ 寅
子孫 ○ 子
<普段は、これは覚えなくても、納甲表を見ればすみます。納甲表は専門書店、大阪なら心
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d.飛神と伏神
首卦では、六親は全て現れていますが、他卦では出ていないものがあります。例えば、乾宮
遊魂卦である晋では、子孫爻は出現していません。そこで、このような時は、首卦乾為天の
子孫、すなわち初爻の子・子孫をもってきて、晋の初爻未・父母の下に伏します。
この子・子孫を伏神といい、対して、未・父母を飛神といいます。
官○ 巳
父● 未
兄○世酉
財● 卯
官● 巳
孫子 父●応未
用神が伏神であった場合の判断はあまり吉とはいえません。吉凶の決定は、後述します。
5.判断原則の骨格
詳細の説明の前に、まず判断全体の流れを説明します。立卦して得た卦の用神を中心に次の
様に判断していきます。
a.外側の条件を見る。
(1)用神と月建の関係を見ます。
旺相休囚死、生尅、破を見ます。
(2)用神と日辰の関係を見ます。
生尅、十二運、空亡、冲を見ます。
この2条件で吉凶の大半は決定します。これだけで決定できない場合、次に内側の条件を
見ます。
b.内側の条件を見る。
(1)用神が動爻の場合、用神と化出爻の関係を見ます。
回頭の生尅、進神・退神、十二運を見ます。
(2)原神、忌神、仇神の動きを見ます。
これらの爻が動爻の場合、用神に与える作用を見ます。
(3)その他
三合会局の成否、反伏、合冲、空亡を見ます。
c.用神が伏神の場合、日辰、月建、飛神との関係を見ます。
以上の原則により、各爻の力の強さを見ます。一般には用神の力が強くなるのを吉とします。
ただし、病占で、官鬼(病気)を用神とするような場合は、逆に用神が弱いことを吉としま
す。 これで吉凶の判断は、できるようになるはずです。それでは、個々の判断原則を見
ていきましょう。
6.外側の条件を見る(その1)
用神と月建の関係を見ていきます。
a.旺・相・休・囚・死
季節による爻の五行の強弱を見ます。爻の十二支と月建の十二支が同じ五行を旺といいます。
(ただし、辰と戌、未と丑は後述の月破になり、旺とはみません。)
爻の十二支が月建の十二支から生じられる場合を相といいます。以外の場合が休囚死にあた
ります。
旺相の場合は、爻の強さが強くなり、他の場合は弱くなります。
特に月建と同じ支を持つ爻は月建に臨むといい最も強力です。
b.合
爻の十二支が月建の十二支が合の場合は相と同じと判断します。
尅合は生合に比べて、勢いが弱まります。
c.月破
爻の十二支と月建の十二支が冲の関係で、その爻の力は弱いとみます。
d.生尅
爻の十二支が月建の十二支から生じられる場合は爻が強くなります。(aの相と同じです。)
爻の十二支が月建の十二支から尅される場合は爻が弱くなります。aの死と同じです。)
卜筮正宗では「月建は万卦の提綱なり」といい、月建の作用は強力ですがその月を越えれば
作用の力は弱くなります。
したがって、長期占では、月破は無視しても良い場合があります。
対して、日辰の作用は永久であり、月建と違い最後までその力を失いません。
7.外側の条件を見る(その2)
用神と日辰の関係を見ます。
a.日辰と同じ十二支の爻は「日辰を得る」といい最も強くなり、休囚の場合も旺相とみます
し、月破にあっても破れません。次に日辰と同五行の爻が強いとみます。
(ただし、冲は除きます)
b.合
静爻の場合、合起といい、力があります。
動爻の場合、合住といい、進むことも退くこともできないとします。
c.冲
旺相の静爻が日辰から冲される場合、「冲起暗動」といい、旺相し、力があります。
休囚の静爻が日辰から冲される場合、冲散といい、事が散じます。
ただし、土行の冲は「冲起暗動」とします。
動爻が日辰から冲される場合、冲散と見ます。
d. 生尅
爻の十二支が日辰の十二支から生じられる場合は爻が強くなります。爻の十二支が日辰の
十二支から尅される場合は爻が弱くなります。
e.十二運
子平(四柱推命)でも用いる十二運ですが、出し方がやや異なります。また用いるのも長
生、帝旺、墓、絶のみです。(胎を用いる場合もあります)
日辰の十二支 |
|||||||||||||
子 |
丑 |
寅 |
卯 |
辰 |
巳 |
午 |
未 |
申 |
酉 |
戌 |
亥 |
||
爻 の 五 行 |
木 | 帝 旺 |
墓 | 絶 | 長 生 |
||||||||
火 | 長 生 |
帝 旺 |
墓 | 絶 | |||||||||
金 | 墓 | 絶 | 長 生 |
帝 旺 |
|||||||||
水土 | 帝 旺 |
墓 | 絶 | 長 生 |
<空亡の出し方>
甲寅 乙卯 丙辰 丁巳 戊午 己未 庚申 辛酉 壬戌 癸亥 |
甲辰 乙巳 丙午 丁未 戊申 己酉 庚戌 辛亥 壬子 癸丑 |
甲午 乙未 丙申 丁酉 戊戌 己亥 庚子 辛丑 壬寅 癸卯 |
甲申 乙酉 丙戌 丁亥 戊子 己丑 庚寅 辛卯 壬辰 癸巳 |
甲戌 乙亥 丙子 丁丑 戊寅 己卯 庚辰 辛巳 壬午 癸未 |
甲子 乙丑 丙寅 丁卯 戊辰 己巳 庚午 辛未 壬申 癸酉 |
子丑 |
寅卯 |
辰巳 |
午未 |
申酉 |
戌亥 |
空亡
空亡の支にあたる爻は、その十日間だけ活動を休止します。したがって、他爻から生尅を受け
以上