賢治島探検記(その1)/演劇集団キャラメルボックス

観劇日 2002年9月22日 14時00分開演 12列2番 東京・新宿シアターアプル

今回は初め1回だけと思っていたのですが,偶然他の方に譲ってもらえて2回
もしかしたら東京へ週五日出没なのでその他にも観るかもと思っています(爆)



あらすじ

教授(篠田剛さん)一行は新宿歌舞伎で賢治の足跡を探すと理由で訪れる
その中で菅野(菅野良一さん)はこんな町の中で痕跡なんかあるわけがないと言ったところ,藤岡(藤岡宏美さん)が五銭銅貨,大木(大木初枝さん)がどんぐり,温井(温井摩耶さん)はパン,青山(青山千洋さん)は鉛筆,前田(前田綾さん)が手ぬぐいを見つけ,そして菅野自身も林檎を持っていて賢治にまつわるものが並んではいたがそれはこじつけであると言い放つ…





今までのキャラメルとは一味も二味も違うちょっと変わった作品
一番の違いといえるのが2人芝居や音楽が少ないことで意外でした
各パートごとに解説じゃないけど感想を…

まずプロローグの『探検隊が来る』はとりあえず可も不可もなく…
ただこの部分は最初だけで終わるわけではなくて途中各話の間に授業風景として挿入されいます
その中で紙飛行機を飛ばすシーンがあってその紙飛行機にはメッセージが書かれていたりしてその辺サービスはチャレンジシアターならでは(^^)
加えて次の話のプロローグになっているので授業風景は要チェックです

初めに『二人だけの祭りの暁』ですが藤岡さんの出来がいい(^^)
藤岡さんと岡田さつきさんしかこのシーンでは出ていらっしゃらないのですが,存在感で負けていない!
決してさつきさんのデキが悪いとは思わないのだけれどそれだけ光っていたのかなあ

次に『どんぐりと山猫と馬車別当』は大木さんっていい線なレベルに来ていたんだと再認識させてくれた作品
銀河旋律では目立たずかわいそうだったので…
この作品では坂口理恵さんがコミカルでそれだけを観ているだけでも楽しく,こんなことをキャラメルでやってもらえればいいなあと思ってしまった…

『貝の火ただしカンテラの火』については役者さんにも充分あるのだけれど作品そのものにもっと魅力を感じる
なぜといわれると理由はわからないのだけれど観ていて切なくなって心の中に残る
この話ではべたな駄洒落があったのでそれはカット希望(爆)

『無口な風の又三郎』は台詞がほとんど無い(歓声程度)お芝居
ここは唯一ダンスではないのだけれど動きがキレイな感じ
ダンスじゃなくてもキレイに見えたところがここでは一番かな
青山さんの存在感もあったし,観ていてすっきりしていた

『ゴーシュ弾かれのセロ』はこれまでのキャラメルらしいところ
この部分に日替わりキャストが登場するのですが
今回は岡田達也さん・・・
役名が子ダヌキというのに格好が波多野(爆)
土管相手にお姉さんと声をかけたり,あまりのはずし方で会場は大爆笑
舞台上でも前田さん,坂口さんが対応に困った様子がありありで,制限時間も忘れていたようです(笑)

『光速銀河鉄道の夜』は成井さんの宮沢賢治に対する視線がよくわかる作品でこれも静かなお芝居
ジョパンニ役の菅野さんと母&車掌役の藤岡さんを交換してもいいなあと感じてしまったのですが
そうすると相手役がいなくなってしまうから難しいとは思います
ちょっと菅野さんの母が藤岡さんというのは合わない!?その点だけ不満(^^)
コミカルさが表に出ない感じで隠し味になっていて観ていてキャルメルらしいところかなあと感じます

最後にトータル的には静かで最近のキャラメルには無いお芝居(加藤さんの『怪傑三太丸』のテイストというにはちょっと違いすぎる)
強いて言えば空の中に1点の星みたいなあきれいな感じ
なんともいえないお芝居です(2002年9月24日 記)

感想その2