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センター試験解説
地学IB
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●第1問
問1
 地球型惑星とは水星・金星・地球・火星の4つ。最大のものは地球で、ほぼ岩石と金属でできている。木星型惑星とは木星・土星・天王星・海王星の4つで、ほぼ気体の固まり。構成物質のちがいのため、密度は地球型の方が大きい。
 →アは地球、イは木星
 衛星の数は、水星ゼロ、金星ゼロ、地球ひとつ(月)、火星2つ(フォボスとダイモス)、木星型惑星はすべて10個以上。輪は、地球型惑星にはないが木星型惑星にはすべてついている。
 →ウは木星
 自転周期は、地球と火星がほぼ1日だが水星は59日、金星は245日。昼と夜がむちゃくちゃ長いため(そして大気がないせいもあり)、水星は「昼」はむちゃくちゃ熱くなり、夜はむちゃくちゃ寒くなる(月面と同じだね)。(金星は強烈な温室効果のため、いつでもむちゃくちゃ熱い)
 木星型惑星は、自転周期が0.4〜0.6日。自転による遠心力で扁平率が大きくなっている。
 →エは木星
 ということで、5番を選ぶべし。
問2
 地球型惑星は水・金・地・火、木星型は木・土・天・海(冥王星はどちらでもなさそうだ)。
 ということで、正解は3番。
問3
 ケプラーの第3法則は「公転周期の2乗は、太陽からの平均距離の3乗に比例する」。たとえば木星の場合は、平均距離は約5天文単位(3乗は125)で、公転周期は√(ルート)125すなわち約11年。
 ということで、平均距離100天文単位ではその3乗が1000000(=106)、したがって公転周期は103年。ってことで正解は2番。
 なお、そのあたりは「カイパーベルト」と呼ばれ、彗星のもとになる「汚れた雪だるま」状の天体がたくさんあると考えられている。冥王星もカイパーベルトそういった天体の一つとの見方が有力である。

問4
 間違っているのは4番。
 恒星の光度は質量の3乗から4乗に比例するので、たとえば太陽の10倍の質量の恒星は1000倍以上の明るさで輝く。すなわち、太陽の1000倍以上のペースで燃料を使ってしまうので、寿命はかえって短くなる。
問5
 外層を放出したあとの芯は重力で収縮し、白色わい星になる。芯が大きいと、電子と陽子が合体するまでつぶれて、中性子星になる。
 ということで、正解は2番。
問6
 時間が経つと、主系列星は赤色巨星になり、赤色巨星は星間雲になる一方、星間雲から星が生まれる。したがって2番や3番のようにはならない。球状星団はどうかなあ。星間雲が少ないはずだから、原始星は生まれないんじゃないかなあ。
 星→星間雲→星→星間雲→…と繰り返すわけだが、核融合反応のため、星ができるときの物質よりも放出される物質のほうが重元素(ヘリウム以上)が多くなる。
 そういう材料でできた新しい星は、古い時代にできた古い星よりも重元素が多い。だから種族IIの恒星は重元素が少ない、というのは頻出事項。
 →ってことで、1番を選ぶべし。

●第2問
問1
 北の「オホーツク海高気圧(気団)」から吹き出す冷たい風と、南の「小笠原高気圧(気団)」から吹き出す暖かい風がぶつかってできるのが梅雨前線。中学校の教科書に出ている内容。絶対正解するべし。
 ということで、正解はイ。
問2
 積乱雲は強い上昇気流によってできる背の高い雲。下の空気が高温になる、あるいは上の空気が低温になる、という条件のとき強い上昇気流が発生しやすい。
 ってことで、1番が間違っている。
問3
 北半球では(地面が左回りに回っているため)転向力は右向きにはたらくので、地衡風は気圧が低いところを左に見ながら吹くことになる。この問題の場合、西が気圧が低いことになる。すなわち、気圧傾度力は東から西(西向き)。
 また、気圧傾度が大きいほど風速が大きくなるので、地点Aの方が気圧傾度が大きいはず。
 ってことで、3番を選ぶべし。
問4
 水は蒸発するが塩分は蒸発しない。だから塩分濃度は上がる。これはよろしいね。水が蒸発する時には周囲から熱を吸収するので水温は下がるはず。
 もちろん、暖められて水温が上がると蒸発は盛んになるけれども、その蒸発によってどんなことがおきるかとなると、水温は下がるということになる。
 ってことで、4番を選ぶべし。
問5
 正解は4番。基本的な用語のひとつ。
問6
 正解は1番。どちらかというと国語の問題。
 問題文は要するに、「淡水は表面が凝固点(0℃)以下になれば凍るが、海が凍るためには、底まで凝固点以下に冷えないといけない。」と言っている(実際には塩分が一定でなかったりするのでそこまで単純ではない)。

●第3問
問1
 正解は3番。
問2
 重力が強いところはジオイドが出っ張る。そこで、人工衛星の軌道を詳しく調べて重力が強いところと弱いところを調べる方法でジオイドすなわち地球の基準面の形が詳しく調べられ、地図の修正などに利用されている。
 ところで、正解は4番。たしか30mぐらいずれているはず。教科書を見てみよう。
 問3
 遠心力のため地球は赤道方向に膨らんでいるので、赤道に近いほど地球の中心から離れる。また、極では「重力=引力」だが(その場で回転するだけだから遠心力ははたらかない)、赤道では「重力=引力−遠心力」になるので赤道の方が小さい。
 ってことで2番。
問4
 震度は揺れの大きさの尺度、マグニチュードはエネルギーの大きさの単位。ってことで1番は間違い。
 初期微動継続時間は震源からの距離に比例する。つまり震源から離れるほど長くなる。したがって震度はむしろ小さくなる。従って2番もまちがい。
 震度はその場所での揺れの大きさなので、単独で測ることができる。これが正解。
 問題文にあるとおり、震度だけではマグニチュードはわからない。
 ついでに言うと、実際には、ひとつの地震での震度は、単純な同心円にはならないので、この方法では正確なことを知ることはできない

問5
 グラフを読みとる。2ぐらい違うようだね。ってことで2番。
問6
 図2で震央から100kmは、震度4と5の境目付近になっている。図1から、M7では距離100kmで震度4、M8では震度6なので、選択肢から選ぶと3番のM7がよかろう。

●第4問
問1
 真東から見た断面図をつくるとよい。地層Aは北下がり、Bは直立(問題文ではあいまいだが、おそらく白抜きの部分が泥岩層を表しているのであろう)、Cは水平。従って、正解は4番。
問2
 堆積が中断した痕跡のことを不整合という(必ずしも下の層を侵食している必要はない)。で、正解は3番。
問3
 アンモナイトとトリゴニアは中生代、フズリナと三葉虫は古生代、ほ乳類であるマンモスは新生代(第四紀)。ってことで3番。
問4
 14C法は半減期6×103年なのであまり古い時代の年代測定には使えない。ほかの3つは半減期が108〜109年のケタなので、あまり新しい時代の年代測定には使えない。マンモスは、人類史でいう石器時代の生物。14C法が適している。2番。
問5
 傾斜が45゜なので、「1」地点付近で高さ250mの地表に達するはず。
問6
 地層は下から上に堆積する。地殻の変動によって上下が逆転すると、古い地層が新しい地層の上に来る。2番が間違い。

●第5問
問1
 1は海嶺、2はホットスポットのマグマ発生のメカニズム。4は大陸地域の花崗岩マグマの一部の発生メカニズム。正解は3番。
問2
 (うわ、デイサイトなんか出題されたか)デイサイトは安山岩のうちで流紋岩寄りのもの。Caの多い長石は黒っぽい火成岩。かんらん石も黒っぽい火成岩。3番。
問3
 結晶分化作用によってマグマの成分はSiO2の割合が増えてゆく。つまりグラフの左から右へ変化する。CaやMgは早期に晶出する結晶に取り込まれ、マグマからは減ってゆく。Naはなかなか減らないため割合は増えてゆく。ということで1番。
問4
 3(二酸化珪素)と4(炭酸カルシウム)は続成作用の主成分。これらは1のH2O(水)との溶解・析出によって砕屑物をつないでゆく。なお、2は2MgO+SiO2だからかんらん石で、特に関係ないからこれを選ぶべし。
問5
 3番が、広域変成岩の素直な説明。これを選ぼう。
 なお、ひすい輝石は低温高圧型変成岩に含まれる。地下深いほど高圧なので変形や再結晶は激しくなる。ホルンフェルスなど、花崗岩の貫入でできるのは接触変成岩。
問6
 セメントの主原料といえば石灰石のことだね。主成分はCaCO3(炭酸カルシウム)。aとdはチャート(主成分がSiO2)だろう。正解は2番。