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センター試験解説
地学IA
IBはこちら。

●第1問
問1
 砂漠化が差し迫っているのは現在の砂漠の周辺と、原生林の伐採が進行している地域。温暖化による氷河の溶解は、現在氷河がある地域。オゾンホールは南極上空およびその周辺。酸性雨は大都市が集中するアメリカやヨーロッパ、環境対策を後回しにして都市化(文明化)が進む東南アジアなど。
 ってことで3番が正解。

問2
 産業革命以来、大気中の二酸化炭素濃度は徐々に上昇し続け、平均気温もあがってきた。4番が正解。

問3
 1番4番の熱エネルギーは、気候に影響を与えるほどのものではない。フィリピンのピナツボ火山(1991年)の噴火では、気温が3℃ほど下がったことが確認されているし、浅間山の天明の噴火や同時期に起きたアイスランドの噴火が天明の飢饉の原因になったと考えられている。人間生活への影響が無視できない場合がある。
 正解は2番。

問4
 昔のスモッグは、煙突から出た物質がそのまま害を及ぼす「ロンドン型スモッグ」であった。問題文のような対策がとられるようになったあと、放出された物質が上空の太陽光(主に紫外線)で化学変化を起こして有害物質に変わる「ロサンゼルス型スモッグ(光化学スモッグ)」が発見された。
 正解は1番。

問5
 通常、高度が上がるに従って気温は下がる。これが部分的に逆になっているのが逆転層。この部分では大気は超安定なので、汚染物質がたまりやすい。
 正解は4番。

問6
 上空で紫外線のためにフロンガス(というのは商品名で、一般名詞としては「クロロフルオロカーボン」と言うらしい)が分解して塩素原子ができる。これがオゾンを壊してしまう。
 正解は2番。

問7
 窒素8割、酸素2割、二酸化炭素は0.03%。常識として知っておこう。5番。

問8
 「植物の光合成」ということで、ウは酸素。「固体になったり液体になったり」ということで、エは水。正解は5番。

問9
 水星は月によくにた天体で、大気がない。木星や土星の大気は、水素やヘリウムが主成分で、むしろ太陽の成分ににている。金星は二酸化炭素を主成分とする濃い大気がある。火星も二酸化炭素を主成分とする、薄い大気がある。3番。

●第2問
問1
 3番。現在は逆に、温暖化によって海水面が上昇することが懸念されている。

問2
 2番。

問3
 サンゴ礁はサンゴの死後、残った骨格のあつまり。間違いは4番。

問4
 単純な計算問題。12万5000年で200m隆起したのだから、平均1.6mm/年。2番。

問5
 その場所がどんなところだったかを知る手がかりになるのは示相化石。4番。

問6
 玄武岩だね。黒っぽい火山岩だ。3番は白っぽい流紋岩の特徴。4番の節理が「玄武岩」の名前の由来。3番が正しくないのでこれを選ぼう。

問7
 上述の通り、ウは玄武岩。二酸化珪素(SiO2)の割合が多くなると粘性が増し、冷え固まった岩石は白っぽくなる。2番。

問8
 SiO2の純粋な結晶は石英で、特に美しいものは水晶と呼ばれる。石英の結晶(もちろん水晶と呼ばれるものも)は六角柱状。3番。

問9
 1番は花崗岩などの深成岩で、石材としては「御影石」などと呼ばれる。3番は何だろう、大理石かな。4番は安山岩などの火山岩。正解は2番。

●第3問
問1
 太陽・地球・月の順序で一直線に並ぶと、太陽の光が月に当たらなくなり「月食」になる。太陽・月・地球の順で一直線に並ぶと「日食」になるが、当然深夜には見られないし、月食と違って見られる地域が狭い。正解は2番。

問2
 3番。だから昔の1カ月は29日と30日が交互に来ていた。そもそも「月」という呼び名にも由来があらわれている。

問3
 29日と30日で12カ月にすると1年が354日になり、季節がずれてゆく。これを解消するために、ときどき1年を13カ月にしていた。なお、2番は現在の「うるう年(うるう日)」の説明。

問4
 平均太陽は一年中動かない(「平均」だから)。1番。

問5
 冬至の太陽の南中高度を考えればよい。北緯35゜では天の赤道が55゜、地軸の傾きが23.4゜だから、55−23.4=31.6。1番。

問6
 天の赤道は地球上の赤道を延長したもので、他の天体との関係で決まるものではない。従ってどの季節でも(地球と太陽の位置関係がどうなっていても)同じ位置にある。天の子午線もいつでも同じ位置だが、こちらは地平線と交わるのは真北と真南。2番。

問7
 太陽の年周運動の経路を黄道と呼ぶ。3番。

問8
 要するに、太陽は1日あたり約1゜(=360゜/365日)東へ、月は1日あたり約13゜(360゜/29.5日)東へ、ずれてゆく。三日月ということは現在の太陽の位置から2日分(約26゜)東へずれている。太陽は約1カ月後、そこへ移動していることだろう。3番。

問9
 アは太陽が真西よりも南より、つまり天の赤道よりも南よりにある。これは冬。同様に考えてイは夏。ウとエは天の赤道上だが、ウは今後北寄りに移動してゆくところ、エは南寄りに移動してゆくところなのでウが春分、エが秋分。1番。

●第4問
問1
 アは有限な資源、イは使い減りしないエネルギー源で古くから使われているもの、ウは最近使われ始めたり、研究が進められているもの。ということで順に原子力、水力、風力。5番。

問2
 3番が間違い。(石炭の説明になっている)

問3
 1番は風力、2番は潮汐、3番は太陽電池、4番が水力、5番が地熱、6番が波力。ってことで問題番号3は3番、4は5番が正解。

問4
 銅は電気抵抗が小さいので導線に使われる。1番の窓枠にはアルミニウムがよく使われる。2番のセラミクスは非金属。3番のステンレスは鉄にニッケルやクロムを混ぜた合金。5番の磁石は鉄が時勢を持つことを利用している。4番。

問5
 鉄やアルミニウムは造岩鉱物の構成元素なので含有量が多い。銅は造岩鉱物の構成元素になっていないので鉄やアルミニウムよりは少ないが、金や銀ほど希少なものではない。2番。

問6
 1%は100分の1。55ppmは100万分の55。あとは素直に計算すればよい。2番。

問7
 日本の重金属鉱床といえば黒鉱。3番。

問8
 2番が間違い。(マンガンノジュール)

●第5問
問1
 天気予報でよく耳にする「西高東低の冬型」。4番。

問2
 太平洋上から来る暖かいしめった空気が、北からの冷たい空気の上にはいあがる(温暖前線)、または冷たい空気に押し上げられる(寒冷前線)ことで雲になり、雪になる。2番。

問3
 暖冬でも1日に10cmぐらいは降る。日本海からの水蒸気の供給がなくなったら北陸の雪は少なくなる。春先には雪崩が頻発。正解は2番。

問4
 P(Primary)波の方がS(secondary)波よりも進行速度が速いので、観測地点にはP波が先に到着する。P波とS波の時間差は震源から観測地点までの距離にほぼ比例する。3番。

問5
 1923年の関東地震(関東大震災)では10万人以上が亡くなった。津波の被害では三陸が有名だが、日本海中部地震(秋田沖地震)や北海道南西沖地震(奥尻地震)では日本海側でも被害が出た。兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)や関東地震の死者は主に火災によるもの。で、2番。

問6
 2番。埋め立て地や、自然の地盤でも完新世に堆積したような(一概にはいえないが)未固結の土地では注意が必要。

問7
 1番。工業用水としての地下水の利用などが原因になる。

問8
 図を素直に読みとる。4番。

問9
 上述の通り、1番。