資料・歯車(1)

 主な歯車の分類を紹介しておきます。

・平歯車(Spar Gear)
 駆動軸と被駆動軸は平行。一番簡単な形式で家電品や機械などに広く使われるが、ピリオディック・モーションの発生が避けられない。

・はす歯歯車(Helical Gear)
 平歯車の歯を斜めにし、歯幅のどこかが常にピッチ円(基準円周)上でかみ合うようにしてピリオディック・モーションを解消したもの。なめらかな回転が可能。身近なところでは、自動車の変速機などで使われている。

・傘歯歯車(Bevel Gear)
 駆動軸と被駆動軸は直交。いや、直交以外の角度でもできるな。回転方向を変えるのによく使われる。

・ハイポイド・ギア(Hypoid Gear)
 傘歯歯車の歯を斜めにしたもの。つまり、「傘歯歯車のはす歯歯車」。2軸は「ねじれの位置」になる。後輪駆動車のデファレンシャルに使われている。

・ウォーム・ギア(Worm Gear)
 Wormとは芋虫。形からこう呼ばれる。駆動側はネジ状、被駆動側はヘリカル。駆動側の1回転に対して被駆動側は1歯だけ進むことになり、減速比を大きく取れる。摩擦が大きいので十分な潤滑が必要。また、(常識的には)逆伝動はできない。
 オルゴールの調速器では、螺旋の角度を大きくすることで強引にウォームギアを逆伝動している(これはむしろ、簡易ハイポイドギアと考えた方がいいかも)。また、ボールをはさんで摩擦を小さくした「リサーキュレーティング・ボール式」が、ひと昔前までの自動車の舵取り装置によく使われていた。(現在はラック・ピニオン式+パワステがほとんど)