組み付けの幾何学
好みの音にしそこなう

 ありがちな調整の失敗例です。
 失敗というか、完成に到る過程の試行錯誤の途中で誰もが通る道というか。

・横ズレ(大)
 左端の櫛の歯が余り、右端の突起が余っていますね。櫛と突起の組み合わせが変わってしまい、隣の音が鳴っている状態です。
 とんでもない「音痴なオルゴール」になってしまいます。

・横ズレ(中)
 突起が櫛の歯と歯の間をすり抜けてしまい、歯をはじきそこなっています。
 「こちっ」「ぶちっ」とつぶやくような音を出すばかりになってしまいます。


ピンぼけ写真。いずれ撮り直します

・横ズレ(小)
 突起が歯の端をかろうじて引っかけている状態です。
 歯の真ん中をはじくと「ぽーん」という音がするのですが、端を引っかけている場合、ねじれによる「きーん」という音が加わってきつい感じの音になります。

 櫛の調律中です。
 削っては弾いてオシロスコープで確かめ、という作業の繰り返しなのですが、サインカーブに近い振動波形がオシロスコープに表れていますね。本来はこういう音になるのです。ぽーん。

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