島津亜矢さんの2004年話題曲。吉幾三さん作詞作曲のカバー曲「娘に・・・」のカップリング扱いになっているが、テレビなどではむしろA面並みの扱いを受けており、少ない
ケースといえるかもしれない。
内容的には、島津さんの故郷でもある熊本(方言が使われているため、地方が特定できるのも特徴である)から、都会に出た娘を心配する親心を歌ったもので、タイトルの意味
は「(ふるさとに)帰らなくてもいいよ」というものである。一人で都会に出た娘という状況を考えると親としても非常に心配なのは言うまでもないが、それがかなり長期に渡っ
ている情景もあり、さらに心配が大きくなっている。しかも、娘と年の近い地元の女性が次々に結婚して、子供もできるような時期にもかかわらず、その娘にはまだ好きな男性も
できなくて寂しい様子も手にとるように見えてくる。何度聞いても涙が出る歌詞がまさに印象的といえる。
さて、このような情景は現日本社会の縮図というべき部分もあるだろう。子供よりも自分の生き方を、または、子供もほしいけど、仕事と両立させて、という女性が増えている
現代において、そのような娘(特に地方から都会に出ているケースはなおさら)を持つ親の心情もこのような歌詞にメッセージとして込められているといえる。その意味でも、
この曲が持つ意味合いというのは非常に大きなものがあると思われる。2004年紅白のテーマ「愛・感動・希望の歌を」に最もふさわしい作品の一つともいえるのではないだろうか。