4.ポイントを探る

 初めてのプールに着いたら、まず、プール全体を見て、各ポイントの予測を立てます。 ポイントとは鯉の釣れる場所を指し、単に鯉がいる場所ではありません。したがって、昨日釣れたからといって今日のポイントになるとは限らず、釣り方によってもポイントは変わります。ぶっ込み釣りのポイント、ウキ釣りのポイント、吸い込み式のポイント、食わせ式のポイントなど様々に変わります。ポイントとは絶対的なものではなく、ダイナミックに変化する相対的なものです。

 プールの分け方としては、淵の始まり、エサ場、隠れ家、産卵場、淵の終わり等があり、他に、浅場、カケアガリ、深場のように水深で分ける方法もあります。そして、実際に水深を測って地形を読むのです。水深の測り方はオモリを投げて、水底に着くまでの時間を計るカウントダウンの方法が簡単で実践的です。

 それを具体的に言いますと、以下のようになります。

まず、岸辺に立ち、ポイントに向かってオモリを投げます。その時、糸フケが出るとオモリの着底が解りにくいので、ポイントが近づいたら指でサミングして糸フケを取りながら竿先を下に下げます。オモリが水面に着いたら、1、2、3…と等間隔でカウントしながらオモリを落としていきます。オモリが着底すると、ラインを通して竿を持つ手にショックが伝わります。その間のカウント数により水深を予測します。

 慣れないうちは、オモリの着水後リールからラインが出るのを止め、ラインを張りながら行いますと、そのショックが良く解ります。ただ、その場合、水深のある所ではオモリが垂直に落ちないで、手前に弧を描いて遠回りに落ちていきますので、注意してください。また、慣れないうちは、空中のラインを見て、着底を知るという方法もあります。この見方は、オモリに引かれて空中で弧を描いていたラインが、オモリが底に着くと同時に抵抗が無くなり、円弧が崩れるのを見るというものです。ただし、この方法は、明るいところでしか解りませんので、手に伝わる感触で測れるようにしておくと、夜釣りの時でも解って便利です。

 また、エサを投げるときもいつもカウントする習慣を身につけるようにしておきますと、ポイントがずれた時もすぐに解るので便利です。特に、変化のある地形や、カケアガリの付近を狙う場合は、僅かのずれで大きく水深が違ってしまいます。

 その場合、いつも同じ形で同じ重さのオモリを使うことが大切です。

 水深の計測は正確であるに越したことはありませんが、相対的な差が解れば結構です。5bと思った所が本当は6bであったとしても構いません。そのポイントにおける水深の違いが相対的に解れば、地形も明確になります。

 また、着底した時の手ごたえでも、底質の状態が解ります。固い底質の所ではトンとはっきり響いてきますし、柔らかい底質の所ではムズと鈍く響いてきます。藻やヘドロの深いところでは、手応えが解りません。

 さて、オモリが着底して水深が解った所で、次は、オモリを引きずって、底の状況を探ります。底の状況によって、オモリに掛かる抵抗力が変化しますので、その手応えにより底質や起伏、障害物の有無等が解ります。

 探り方としては、竿先を下げたままにして、ゆっくり竿を横へ回しながらオモリを手前へ引くという方法を繰り返します。すると、平らな土や砂の底なら、抵抗無くスルスルと寄って来ます。途中でコンコンと響いてくる所は、小石が散らばっていたり、固い粘度層が流れや波でえぐられて筋条になったような所です。途中でもたれたように重くなったところは、藻やゴミの所で、強く引けば外れますが、その後も抵抗があれば藻やゴミがオモリに掛かっている訳です。

  スルスルと抵抗無く引いて来たオモリが途中からズルズルと重くなったところは、緩やかなカケアガリです。急に根掛かりしたように重くなり、強く引くと外れてその後軽くスルスルと来る所は、急なカケアガリです。その前後に何度もオモリを投げて水深を測ってみましょう。スルスルという抵抗が無くなって、無抵抗に軽く来るところはカケサガリです。

 沖にカケアガリがあって次にカケサガリになっていれば、そこは水中で島のように盛り上がっているという事が解ります。それがゴツゴツとした感触で、時折根掛かりして外れて来たオモリが傷ついて光っているようであれば、石の沈床の可能性が高く、その周囲は鯉の良い隠れ家となります。

◆プールの攻め方とポイントの順位