＜リ−ル＞

　リ−ルが発明されて以来、釣り方はそれまでのものと比べ大きく変わり、大物釣りにとってはなくてはならないものとなりました。

　もちろん、野鯉釣りにおいても同様で、リ−ルによりポイントも大きく広がり、釣り方も変わって、大型が比較にならないほど数多く釣れるようになりました。今では、野鯉釣りと言えばリ−ル使用というのが当たり前で、リ−ルを使用しない釣り方と言うのは、釣り堀や一部のマニアのものとなってきたくらいです。

  では、リ−ルにはどんな働きがあるのでしょうか。

�@多くのラインをストックできる。…ポイントが広がる

　獲物の大きさや釣り方に合わせて、細い糸から太い糸まで、必要とする長さのラインをストックする事により、遠いポイントから深いポイント迄自由に狙えるようになりました。

�Aラインの長さを自由に調節できる。…バネの役割をする、大型が釣れる

　ラインを自由に出し入れする事により、大物とのやり取りが自由にできるようになり、細い糸でも大物を取り込む事ができるようになりました。

　ラインの長さが無限にあれば、どんな大物が掛かっても相手が弱るまでやり取りを繰り返せば、最後には取り込む事ができるというのが究極の理論です。

その他にもリ−ルを使用する事によりいろいろなメリットが増えました。

�B太いラインを使用できる

　竿の強度や根掛かりの事を考えると、それまで使えなかった太さのラインが使えるようになりました。

�C重い仕掛けを使用できる

　仕掛けを短く巻き上げて投げ込む方法により、重い仕掛けでも使用できるようになりました。大きなオモリの付いた大型の吸い込み仕掛けやコマセ仕掛けも、リ−ルのおかげで発展したのです。

�D向こうアワセのアタリで釣れる

　大物釣りの場合、向こうアワセのアタリというのは、魚が既に針掛かりして走り出している状態で、リ−ルを使用しない場合には殆ど手遅れとなりラインを切られる事が多かったのですが、リ−ルの場合にはラインを獲物に合わせて送り出す事により、十分対処できるようになりました。それどころか、それを利用して、ポイントから離れた所でアタリを待つことができるようになり、人の気配を獲物に悟られる事なくアタリを待てるようになったのです。

さて、そんな便利なリ−ルですが、それにも幾つかの種類があります。

野鯉釣りで使われるリ−ルには主に次の三種類がありますが、横転リ−ルについていえば初期の頃に良く使われたもののヨリが強く掛かりやすいという構造上の欠陥から最近では殆ど使われなくなりました。

＜スピニング・リ−ル＞

　種類

　　クロ−ズドフェイス式とアウトスプ−ル式があり、野鯉釣りに良く使われるのはアウトスプ−ル式である。

　構造

　　ラインをストックするスプ−ルが回転しないで、スプ−ルの向きがラインと直角に固定されており、ラインの巻き上げは横向きに回転するベ−ルによって行われる。ラインの放出は、ベ−ルを起こし、スプ−ルから螺旋状に放出される。ドラグはフロントドラグとリアドラグの二種類があり、やり取りの最中の調整は難しい。

　長所

　　スプ−ルが回転しないためバックラッシュが起きず、投げやすい。

　　          々            抵抗が少なく、軽い仕掛けが  々

　短所

　　スプ−ルの向きがラインと直角に向いているため、ヨリが掛かりやすい。

　　          々                                、ドラグが効きにくい。

    大きくて重い。

　　太い糸は使いづらい。                                              

＜両軸受けリ−ル＞ 

　種類

　　クロダイ等の超小型からトロ−リング用の超大型まで種類は多く、野鯉釣りに良く使われるのは中型のスタ−ドラグ式と呼ばれるリ−ルで、レベルワインドやバックラッシュ防止装置のブレ−キ機構の付いたものが使いやすい。

　構造

　　ラインと同じ方向に回転するスプ−ルにより、ラインの巻き上げ及び放出を行う。

　　ドラグはハンドルと同軸上にあり、やり取りの最中にも調整はやりやすい。

　長所

　　ヨリが掛からない。

　　ドラグがスム−ズでやり取りがしやすい。

　　サミングにより仕掛けのコントロ−ルがしやすい。

　　コンパクトで軽い。

　　頑強で力が強い。

　短所

　　投げるときにサミングをしないとバックラッシュをする。

    巻き取りスピ−ドが遅い。

＜横転リ−ル＞

　種類

　構造

　　ラインを放出する時はスピニングリ−ルのようにスプ−ルを横転して行い、ラインを巻き上げる時には両軸式のようにスプ−ルをラインと平行に戻しスプ−ルを回転して行う。

　長所

　　軽量・コンパクト

　短所

　　ヨリが強く掛かりやすい。

　　ドラグ機構がない。

    ギア比が１：１である。

以上が各リ−ルの構造と特徴ですが、野鯉釣りに使いやすいリ−ルの条件を以下に上げます。

�@６〜１０号のラインが１５０〜２００�bストックできるキャパシティがある事。

�A仕掛けの投入がしやすい事。

�Bドラグがスムーズで、やり取りがしやすい事。

�Cギア比が高く、巻き取りスピードの速いもの。

�D軽量・コンパクトである事。

�E堅牢でパワーがある事。