友人の付き添いで足を運んだ18禁ゲームショップ。
 そこで強く強く強く薦められたのがこの作品でした。
 触手とか陵辱などといった属性を持たない(というか、苦手にしている)私ですが、あまりにも熱を込めて薦められたのでついつい購入してしまいました。
 買った以上はやらなければ損。てなわけで早速プレイ。

 で、遊んでみた感想。
「人間、食わず嫌いは良くないね、うん」

 この『魔法少女アイplus』という作品、アクション・笑い・泣き・ロマンス・エロスとエンターテインメントの美味しいところがギュウギュウに詰め込まれていると感じました。
 いや、面白かったです、素直に。
 ストーリーも予想以上に良かったですし、何よりキャラが非常に魅力的。
 一人一人がしっかりと描かれており、無駄なキャラがいなかったという印象でした。
 主人公である『岡島秋俊』が結構良い性格をしていたのも個人的にはポイント高し。
 某「結亜ちゃんアタック」嬢が多少鬱陶しかった(やりすぎに思えました)が……まあ、それはご愛敬でしょう。
 兎にも角にも、全てのキャラに(敵役も含めて)味があって良い感じです。
 その為、話に引き込まれ、尚かつ中だるみすることなく最後まで読み切ることが出来ました。

 ただ、この『キャラが魅力的』という部分は、何気にマイナス面も持っていると思います。
 キャラに対する思い入れが強くなればなるほどBADエンドを見るのが(そこがこの作品の『売りの一つ』であるはずなのに)辛くなりますから。
 まあ、それ故に興奮するとも言えるのでしょうが……。
 陵辱系作品の多くで、どうしてキャラが『記号化』されているのかが分かったような気がしました。納得です。
 ……単に『キャラ立てに失敗しているだけ』というのもあるでしょうが。


(一押しキャラ)
 加賀野愛

 クール……に見えるが、気を許すと途端に可愛くなるタイプ。
 他人を信じず、自分を殺し。そんな娘が見せるようになる恥じらいや嬉しさの表情。まさにガード不能。
 無茶苦茶強いのにエッチなシーンでは弱々って所も見事なまでにツボ。
 ……って、あれ?
 属性外のゲームだと思っていましたが、実はストライクゾーンど真ん中だったみたいです(;^_^A
 今までノーチェックでしたが、『魔法少女アイ2』……発売日に買ってしまうかも。

 宮広美景も良かったです。
 過剰なまでのラブラブシナリオは読んでいてのたうち回りたくなりました、はい(^ ^;







 おまけ一発ネタ『愛と秋俊のとあるその後』

「……良いなぁ」

 夢見がちに呟く愛。

「ハァ。ホントに良いなぁ」

 先ほどから愛は微動だにしない。
 視線は先程からただ一点、ぬいぐるみ専門ショップのショーウィンドウを捉えて離さなかった。
 時折零す吐息が妙に艶めかしい。

「なあ、愛。それ、どこが良いんだ? もしかして、女の子ってこういうのが可愛いと感じるのか?」

 愛の様子を呆れ半分困惑半分の表情で眺めていた秋俊が尋ねる。

「……感じる? うん、そうだね。女の子だったら感じちゃうと思う」

 その問いに、半ば意識を飛ばしたような恍惚とした顔をして、愛が答えを返してきた。

「そんなもんですかい。なんだかなぁ」

 軽くため息を吐きながら、秋俊は愛が心を奪われている物に目を移した。

「オレには分からん。あなたの知らない世界って感じだな」

 秋俊の視線の先には、新商品と思われるぬいぐるみ。
 円筒状の本体からミミズの様な植物の蔓の様な、何とも形容しがたい物を多数生やした奇怪な物体。
 狙いもターゲットも分からない、醜悪としか表現しようのない塊。

「ったく、こんな不細工なののどこが良いんだか。女の子って謎だよなぁ」

 見方を変えればコミカルと言えない事はないが、少なくとも秋俊には可愛いとは思えない。
 未知の領域を垣間見た気分になる秋俊。
 彼に出来たことは、不思議そうに零して肩を竦めることだけ。
 思わず脳裏に「女性は向こう岸の存在」という言葉を浮かべてしまう秋俊であった。

 そんな彼の隣では、愛がぬいぐるみをウットリと見つめながら、

「ああ、あんなにいっぱい。気持ちよさそう。……秋俊のには負けるけど……」

 謎ちっくな熱い呟きを漏らしていた。


 ――ちなみに、これは、秋俊が愛の世界に『喧嘩を売る』数日前の出来事だったりする。

「ね、ねえ、秋俊」

「あん?」

「……私、我慢できなくなっちゃった。……して」

 てなわけなので、この時の愛は、既に『ゆらぎ』化した秋俊によって調教されきってしまっていた。それこそ、ほんの些細なきっかけで『どうしようもなく欲しくなってしまう』くらいに。
 そして、誇張無しに、身も心も完全に秋俊に支配されていた。

 尤も、

「は? なにを?」

「分かり切ってることを聞かないで。気持ちいいことよ」

「お、おいおい。どうしたんだよ急に? いくらなんでも唐突すぎるぞ」

「そう? いいじゃない、別に。そんなことより……して欲しいの。ねえ、早く……お願い」

「ち、ちょっと待て! 何故にいきなり発情するかお前は!? まさか、ぬいぐるみなんかで欲情したのか? てか、可愛いと思って見てたんじゃなかったんかい!?」

「……いけない? そもそも、秋俊が悪いのよ。秋俊が私のことをこんな身体にしたのだから」

「う゛っ。そ、それはそうだけど……って、こ、こら! ズボンを降ろそうとするな! ここ、商店街のど真ん中だぞ! まずいって!」

「関係ないわ、そんなの」

 その割には、秋俊の方が立場が低いっぽいのは相変わらずだったが。

「いいじゃない、見せ付ければ。私、もう我慢、できない」

「だーっ! 待てと言うとるだろーが! 待たんかーっ!」

 取り敢えず、女に振り回される性質には変化がない模様。

「……ああ、秋俊の……凄い」

「きゃ〜、おやめになって〜」





< おわる >


※某BADエンドのHiro的後日談ってことで( ̄▽ ̄;
 ホントはこんな脳天気じゃないんですけどね。






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