8.タブレットの残る、夕張線へ

旅行記15.環状紀行(3)「鉄道員」の舞台、幾寅へ】から1週間も経たないうちに、夕張の方へ乗ってこようと思い、出かけてきました。というのも、学校が始まるために、まもなく北海道を後にしなければならず、札幌近郊で未乗区間といえば学園都市線(札沼線)か、この夕張線だったわけですが、次回北海道へ戻るのは深々と雪の積もる時期です。で、迷った挙句こちらを選択してみました。

札幌から夕張までは、わずかに100kmを超える(103.1km)ため、途中下車をすることもできるため、という側面も、選択の際に考えたものでした。まずは特急「とかち」3号で追分へ向かいます。石勝線を走る特急においては、「スーパー」がつくものが新型振り子付き車両のキハ283系が割り当てられ、そうでないものはキハ183系が使用されます。以前、「とかち」が無くて「スーパーとかち」が運転されていた時代もあったのですが、この時は個室付きの車両になり、列車の先頭にも「スーパーとかち」と書いてあったものでした(参考写真:キハ183系特急「スーパーとかち」)。しかし現在は字をはがしてしまい、なんだか開いた空間が変にも思えたのですが。再び石勝線に足を踏み入れた私は、まず追分駅で下車しました。ここ追分は現在でもそうですが、2路線が交わる地点として栄え、かつての「鉄道マン」が多くいる町でもあります。 追分駅駅舎。スーパーが隣接しています。

追分駅を撮影し、普通列車の新夕張行き(11:15発)に乗りこみます。しかし、乗客は私以外は年配の方々で、これまで感じたことの無いローカルさを味わっていました。前回は「スーパーおおぞら」であっさりと駆け抜けたのですが、並行する国道274号線を見ながら時間は流れ、38分かけて新夕張へ到着しました。ここで昼食を取り、いよいよ夕張へと向かっていきます。

清水沢駅を出発。列車の後ろから撮影。 夕張駅停車中の列車。昔の夕張駅からかなり清水沢寄りに移っています。

夕張までの沿線風景を見ていると、昔ながらの商店街が建ち並んでいるのが見えました。次の沼ノ沢駅の周辺もそうでしたが、やはり夕張方面の炭坑が閉山になった影響は否めず、という雰囲気でした。それから、清水沢駅に到着すると、駅舎の方から錆びついたタブレットを手に、常駐しているという駅員さんが歩いてきました。もっとも、現状のダイヤでは、交換を行うようにはなっていませんが・・・。

さて、終点の夕張へやってきました。駅舎とその周りは思ったより整備されていました。というのも、はじめ夕張駅はここより更に山の方へ伸びていたのですが、炭坑の閉鎖により現在の商店街のある本町というところに夕張駅を置きました。私にはこちらのイメージが強かったので、こんなところに夕張駅がある、というのは意外でした。今の駅前には、現在は夏なので営業していませんでしたが、リゾートホテルがどっしりと構えています。このホテルへの利便性を図るために、夕張駅はこのような場所にあるようです。最初の駅のあったところから2km近く離れているようですが。夕張は先述のとおり炭坑の代表的な町で、その歴史を「石炭の歴史村」として公開しています。

夕張駅駅舎。後ろにはリゾートホテルの姿が。

その後、バスで隣の鹿ノ谷駅に近い夕鉄バスターミナルへと行きました。このバスは山の方から来たのですが、かなりの乗客がありました。先述の経緯を知れば、何となく納得できますけどね。鹿ノ谷駅は炭坑時代に走っていた夕張鉄道との分岐駅で、東の山の方から資材を乗せて、室蘭本線の栗山を通って函館本線の野幌まで伸びていた線路です。現在では一部サイクリングロードとして残っていて、現在の夕張駅の前にもあったのですが、なんでも崖崩れがあったらしく、山へ向かっては通行止めになっていました。さて、ターミナルからバスで栗山へ向かうことにします。このターミナルからは、札幌行きのバスが2通り出ていて、札幌大通に行く急行便と、栗山駅・江別駅を経由して新さっぽろ駅へ行くものとがあり、私が選択したのは後者の便でした。峠道を抜け、国道234号線に入ってしばらくすると、栗山の町並みへ入っていきました。駅前はかなり整備されていて、駅のほうも改築工事の真っ最中でした。列車は1日に数本しかないのですが、岩見沢へ向かう便は1時間に1,2本あります(ただし、中央バスになり、バス停もちょっとわかりづらい場所にあります)。 かなりいい加減な地図ですm(__)m

このまま岩見沢へ行き、731系+721系の6両で運転されていた快速「いしかりライナー」で札幌へ戻りました。

◇◆ 料金 ◆◇

JR線(札幌 ⇒ 夕張) 2100円。JR北海道は違う表を使うので注意。
夕鉄バス(夕張駅 ⇒ 夕鉄BT) 200円。夕張駅の停留所名は、Mt.レースイ前になっています。
夕鉄バス(夕鉄BT ⇒ 栗山駅) 840円。急行便は栗山を通りません。
中央バス(栗山TM ⇒ 岩見沢駅) 540円。
JR線(岩見沢 ⇒ 札幌) 820円。

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