何も知らずに これを買った私はバカだった
誤解しないで欲しい 別にどうしようもない腐れCDだったなんてことではない
よもやこんな特殊な内容だとは思ってもいなかった のである
そう何も知らなかった
まさか「収録曲がたった1曲である」だなんて知りもしなかった
このCD 中の曲は「シークレット オブ マナ」のたった1曲だけ
アルバムなんだから それなりに時間も長い そのたった一つだけの曲 シークレットオブマナは50分もある超大曲である
ここまで冒険したアルバムも珍しい
さて 中身の全体的なデキはどうもこうも言い様が無いので
とっとと1曲ごとの細かいレビュー・・
・・と それが全体的な内容になるのか ややこしいな-------------+-------------+-------------+-------------+-------------
さてこの50分にもわたる大曲 シークレットオブマナは一体どういう曲か
私の偏見によるものではあるが
「聖剣伝説の世界観を表現したイメージミュージック」と思うのである
長さが長さゆえに途中で切れたりもするんだが
途中に出てくるメロディは 聖剣の中で「ありそうで無いメロディ」が非常に多い
「天使の怖れ」「少年は荒野を目指す」「風の焉わるところ」「子午線の祀り(これは気付かないかも)」などは実際に使われているが
大半は「ありそうで無いメロディ」が占める
とはいえ 上記のものもそのまま使っているわけではなく
メロディも変えられているわけだし
ひょっとしたら 他のパートもありそうでない んじゃなくてわからんようになってるだけかもしれない
雰囲気が同じだと思ったのは色々あって それがありそうでないと感じたわけだが
曲の流れは
神秘的な 大自然をおもわせるような曲調と 無機質で機械的な でもって電気的な雰囲気のある曲調が
互い違いに出たり 融合したり
これも聖剣の世界観をあらわした結果なんだろうか
樹海や海 それと共存する機械の要塞
偉大さ 不気味さ 神秘さ
そういう情景が浮かぶような感じがする
・・・・・・・・
主人公も含めて人間のイメージは無いね 私は
あくまで 風景を詠ったような雰囲気が続く
効果音も色々と曲に混ざってくるんだけども
その無機質さが機械を表現しているような そんな感じもした
-------------+-------------+-------------+-------------+-------------
一番最初は森の中のイメージ テーマ曲とも言える「天使の怖れ」が流れる
微妙にエコーがかった鳥の鳴き声で「森」の輪郭を形作ってる
穏やかな楽器の音色が空気を作るのにとてもマッチしてる
そしてだんだん壮大になり一度音が退く
だいたい6分40秒後あたりから
急にテンポの速いベースがフェードインしてきて 急に機械的な曲に転向
まぁ神秘的で綺麗な曲調が続くもんだと思ってたから
ロックみたいな曲調になったときは「あれ?」と思わずにはいられなかった
8分あたりに入るやたら速いピアノロールがかっこいい
これもどっかで流れてたような・・?どこだっけか・・
もう一度戻って一頻り演奏した辺りでもう一度音が退きベースのみになり
それから「少年は荒野を目指す」が入る
妙にアンダーグラウンド風味のある曲調に成り代わってしまっているんだが
フレーズが終わったあとの派生も
ゲーム中の機械だらけのダンジョンで流れる曲に妙に雰囲気が似てる
少なくとも私はその情景を思い出した ここのベースの音が良かった
13分あたりの鐘の音は単音で鳴らして欲しかった ベースドラムまで鳴らさんでも・・
(なんか言ってることが細かいな)
その後のテンポの遅い 同じフレーズを繰り返すだけの部分は少し冗長
途中から入るエレキギターもなんかやる気無いというか 退屈な感じがした
で 途中 一度冒頭のそれと同じフルートが入るが なかなかいいアクセントになった
そのエレキギターの退屈っぷりにハクをかける感じで
ま 結局最終的に退屈に感じちゃったんだけどさ 長いもん
18分あたり もう一度雰囲気が神秘的に戻る 今度は大海原という感じがする
アコースティックギターの
悲しいとも神秘的とも何とも言えない不思議なフレーズが印象的だ
少し後から入るフレーズもまた どこかで流れてたような
聖剣って感じの雰囲気で 森か何かで流れてたような
コードが聖剣っぽいのか?
そこから 雰囲気は神秘的なまま パーカッションが機械的に融合
ここで音が退いたときに流れるメロディは多分「子午線の祀り」
テンポ遅いから別物に聞こえるかも
神秘的だけど どことなく不気味な雰囲気がある
25分あたりから急に効果音のみになる
水の音 無線(?)みたいな音 階段駆け下りる音 この音が妙に焦ってしまう
曲の中間のアクセントか何かだろうか
ていうか何度も水の音効いてるとトイレに行きたくなる・・
女性の声が入った後 また急に機械的な曲調に転向
これもどこかで聴いたような 元はこんな速いのじゃなくて
もう少し大人しめの曲に似た雰囲気のものがあったと思った
バッキングの鐘の音がとてもいい味出してる
パーカッションはそのままで 少しメロディが変わるんだけども(29分あたり)
そこのアコースティックギターの演奏がとても好きだった
直後のメロディも フレーズは違うけど演奏方法など「最後から2番目の真実」を思い出す
そこは何故かループするんだけど
同じく最後から2番目の真実もどきの音が鳴った後
一気に音が退いてまた神秘的に戻る
神殿を思い出しそうな雰囲気だ
34分あたりでいきなり音が消えるんだけど ここは妙に違和感を覚えた
で 古ぼけたラジオのような音質で微妙に聞こえてくるのは
「風の焉わるところ」
ギターの音がフェードインしてきたと思ったら
それにつれて主旋律もだんだん音質が良くなって ノイズが消えていく なかなか面白い演出
なんだか随分長いことその旋律が続くんだけども(41分あたりまで)
その後の雰囲気は
私はなんだかあまり聖剣らしい雰囲気を感じることが出来なかった
どことなく音も軽いし 何故だろうね
神秘的になる部分も メロディはいいけど どーにも軽いような?
今まで築いてきた余りにも独特すぎる雰囲気と比べると無難って感じがしないでもないんだな
終わりに向かって少しドラマティックなフレーズを入れたのかもしれないけど
少し浮いてると言うか
まぁアクセントには良かったのかもしれないけど(寝てる人も起きるだろうし)
「八点鐘」らしきフレーズが締めくくり なるほどそう来たかって感じだ
-------------+-------------+-------------+-------------+-------------
長さが長さゆえ
完全に一まとめに出来るような曲ではない まぁそれは仕方が無い
最後にもう一度自然の効果音で締めくくるのが 最初の部分が伏線の役割を果たしていて
割とまとまったように感じた
でもね この曲
疲れる
レビューするのも随分大変だったんだけど
聴くのもなかなか大変 だって49分間ノンストップだし
で 結局いいのか悪いのか
残念ながら私には判断しかねるものがある
素直に「いい」とは言えない んだけど 悪いともどうしても思えない
たまに 無性に聴きたくなってしまうことがあったりする
心のどこかに引っ掛かりやすい曲なのか 構成の珍しさがポイントを上げたのか
友人に聴かせてみた所
「こういうの大好きなんだよ」と大絶賛していた奴が一人
「何これ?疲れるだけだよ」と不満たらたらな奴が一人
「こりゃ評価が難しいね・・・」私と似た意見の奴が一人
さぁ貴方はどうだろうね 原曲を知ってる知らないの違いはそれほど大きくないから
いずれの人も推敲を重ねた上での決断をどうぞ |