京都スケッチ(1)

〜文の助茶屋〜  


 

これは、まだ文の助茶屋が高台寺の塔頭、圓徳院境内にあった頃のスケッチです。
春まだ浅く火のあたたかさが恋しい頃だったので、茶屋の縁台に敷かれていた毛氈の
朱があたたかそうだなと思ったのを覚えています。
 初めてこの茶屋に訪れた時、浮世絵の絵の中に入り込んでしまったようで、
楽しくてしかたありませんでした。

 今はこの風景をみることはできません。

 清水三寧坂に新店鋪がOPENし、移転してしまったためです。新しく便利になるのは
良いことだけれど、旅人としての私はちょっとがっかりしました。
 私は、桜の時期に円山公園からこの高台寺下の道を通り、清水寺へ抜ける道を
散策するのが大好きなのです。円山公園から歩いてきて、右手に見えてくる、この
文の助茶屋の、古く渋い佇まいをもう見ることができないのかと思うと、少し淋しい
気持ちがしました。
 でも、そう思うのは旅人の、わがままなのかも知れません。

      

ほ−む

めにゅ−

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