私たちは、スイス・ジュネ−ブ駅で途方に暮れていました。時刻表を読み間違えてしまい、乗るつもりでいた列車に乗れないことがわかったのです。 | ||||
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『大阪弁の天使』でも書きましたが、気ままなヨ−ロッパ二人旅でしたので、いつもなら時刻表の読み間違いくらい大したハプニングではなかったのですが、このときは違っていました。 私たちはこの日、パリのホテルで4時に旅行代理店のスタッフと待ち合わせをしていたのです。 |
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行きと帰りのエアの予約をしてくれたスタッフで、翌日の帰国のための打ち合わせをするための待ち合わせなのです。このままだとスタッフとの待ち合わせの時間に間に合わない… リヨンに向う列車の窓から見える風景は、初秋の雨に煙っています。車内に乗客は少なくて私たちの不安な気持ちに拍車をかけました。 さて、いよいよリヨン駅に到着しました。果たしてTGVは座席指定券はとれるのでしょうか… 窓口で私を迎えてくれたのは、ブロンドの美人で、英語が話せる女性でした。私がどうしても4時までにパリに行きたいというと、カタカタと端末を操作して「大丈夫、座席指定券はとれそうよ。何枚欲しいの?」との返事。私は喜びで一杯になり 「に、ま〜い」係りの美女は私のVサインで、2枚切符が欲しいということを理解してくれたようですが私は恥ずかしくて周りに日本人がいないかきょろきょろしてしまいました。 「あ、まだ両替えをしていないんですが」 「私に見せなさい!」すごい迫力でそういって、私が出したありったけのお金を持って、お姉さんは持ち場をはなれ両替に走ってくれて、息をはずませながら戻ってきてくれて、切符とお釣を私の手に握らせてくれました。「ありがとう」と言いながら窓口を離れる私に彼女はとびきりの笑顔で「Bon voyage」と手をふってくれました。涙がでそうになってしまった。旅先での親切はダイレクトに心にしみました。
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ホテルに戻ってシャワ−を浴びて、ベットにごろんと横になると窓からパリの夜景が見えます。遠くにライトアップした、歴史的建造物もみえてなかなかの景観です。もっとよく見ようと、起き上がって、窓からベランダにでると涼しい風が吹いてきました じばらくパリの街を眺めているうち、ヨ−ロッパを旅してきた思い出が次々と甦ってきて、すごく感傷的な気持ちになっていきました。 |
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コブレンツのライン川沿いの道で、道順を教えてくれた地元のおばさんに折り紙の鶴をあげたら、すごくよろこんでくれたこと。
物凄い雷雨のなか夜行列車で国境を越えたこと なんて幸せな毎日だったのだろう。貧乏旅行だったけど毎日毎日を、どう過ごして、どう前に進むかばかりを考えていられた。日本での日常なんてすっかり忘れていて、自分と向いあえた。 私と交替にシャワ−をあびて出てきた友だちに、私はこうつぶやいていました。
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写真の説明です。上から順に・・・ **レマン湖 **左 パリ凱旋門 **右 コンコルド広場オベリスク **パリのホテルから見た風景 |
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