Book Library. ( な行 : 中井英夫スペシャル )
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| 評 | タイトル | 出版社 | キーワード | 内容(あとがきより抜粋) | 出版年月 | タイトル(カナ) | 価格 | +税 |
| 薔薇への供物 | 河出文庫 | 薔薇ミステリー集 | 薔薇への偏愛がいざなう、神秘にみちた薔薇園の迷宮…秘密の花園では少年も私もこの世のものではなくなり、牧神や聖女は現実となる…妖しく甘美な色彩と芳香にひそむ死と幻想の耽美の世界に仕掛けられた薔薇の罠。名作「虚無への供物」の作者の、薔薇ミステリー集大成 | 1990年5月 | バラヘノクモツ | 479 | 490 | |
| ◎ | 人形たちの夜 | 講談社文庫 | 人形綺譚 | 夜は夢魔が目覚める時。夜に生をうけた人形たちは、人の世の原罪を、哀しみをまた憎悪をその糧として生きているのか。…日常の営為の底にひそむもう一つの世界を人形たちと共に旅する時、季節の移ろいは我々をより深い酩酊へ、迷宮へそして破局へと誘う。著者五十年の苦い思いをこめて描く魔術の書。 | 1985年10月 | ニンギョウタチノヨル | 340 | |
| ◎ | 幻想博物館 | 講談社文庫 | とらんぷ譚1 | 日常的な人間世界を越え、あるいは離脱して、幻視者たちが存在する。彼らが視るものは反地上的な夢、濃密な幻想である。それを蒐集して構築される幻想博物館の妖美さ。著者が、熱愛する短篇形式への供物として捧げた十三の幻想譚は、手作りトランプのように装い鮮やかに語られる。 | 1984年10月 | ゲンソウハクブツカン | 280 | |
| ○ | 悪夢の骨牌 | 講談社文庫 | とらんぷ譚2 | ゴシック風の豪奢な洋館のサロンで開かれる賀宴の出席者は、十人の客とサロンの女主人、そして令嬢柚香。 | 1984年6月 | アクムノカルタ | 300 | |
| ◎ | 人外境通信 | 講談社文庫 | とらんぷ譚3 | 地上の一隅にたしかに存在する影の王国、つまり人外境。そこへの扉は容易に開かれないし、かりに扉から偶然入りこめて、彼ら人外の宴にまぎれこんだとしても、人は気づかず通り去るのだ。これから著者が招待するのは、その秘められた宴…。イマージュに光沢と飾りつけを与え、短篇の至芸を示す作品集。連作「とらんぷ譚」第三集の文庫化! | 1986年3月 | ニンガキョウツウシン | 320 | |
| ○ | 真珠母の匣 | 講談社文庫 | とらんぷ譚4 | きらびやかな宝石の匣。だが開けてみると、肝心の宝石は消えうせ、赤い絹布の窪みだけが残っている。この匣は虚とか不在と名づけられるべき、天与の贈りものであろうか。戦争の傷をその後の人生に刻した三姉妹を美しい宝石匣の虚になぞらえ、妖美壮麗の小説世界を築く幻想文学の傑作。会心の連作集「とらんぷ譚」の完結編。 | 1988年9月 | シンジュモノハコ | 400 | |
| ◎ | 虚無への供物 | 講談社文庫 | 氷沼家殺人事件 | 戦後の推理小説ベスト3に数えられ、闇の世界にひときわ孤高な光芒を放ち屹立する巨篇ついにその姿を現す!井戸の底に潜む三人の兄弟。薔薇と不動と犯罪の神秘な妖かしに彩られた四つの密室殺人は、魂を震撼させる終章の悲劇の完成とともに、漆黒の翼に読者を乗せ、めくるめく反世界へと飛翔する。 | 1985年10月 | キョムヘノクモツ | 580 | |
| ◎ | 虚無への供物 | 創元ライブラリ | 中井英夫全集1 | 黒ビロードのカーテンは、ゆるやかに波をうって、すこしずつ左右へ開きはじめた。…十二月十日に開幕する中井文学。現実と非現実、虚実の間に人間存在の悲劇を紡ぎ出し、翔び立つ凶鳥の黒い影と共に壁画は残された。塔晶夫の捧げた”失われた美酒”、唯一無二の探偵小説「虚無への供物」を…その人々に | 1997年12月 | キョムヘノクモツ | 1600 | |
| ◎ | 黒鳥譚 | 創元ライブラリ | 中井英夫全集2 | 遠い十二月の夜、失われた金貨は一羽の黒鳥によって鮮やかに呑みこまれた…。黒鳥館主人・中井英夫にとって黒鳥とは何の謂だったか。”恥”の記憶に苛まれ続けた戦後への挽歌「黒鳥譚」のほか「?皮」「蠅の経歴」「燕の記憶」「青髯公の城」、短編集『見知らぬ旗』『黒鳥の囁き』、連作長篇『人形たちの夜』を収録。 | 1998年12月 | コクチョウタン | 1700 | |
| ◎ | とらんぷ譚 | 創元ライブラリ | 中井英夫全集3 | Le Roman d'un Tricheur.…その邦題「とらんぷ譚」に魅せられたことばの錬金術師・中井英夫が、十年を費した連作「幻想博物館」「悪夢の骨牌」「人外境通信」「真珠母の匣」を一冊に集成。きらびやかな色彩幻想と目眩く巧緻。華麗な幻戯の王国を初版本以来のスタイルでお贈りする完全版。 | 1997年5月 | トランプタン | 1500 | |
| ◎ | 蒼白者の行進 | 創元ライブラリ | 中井英夫全集4 | この世ならぬ美への憧れ、だがこの地上にその希いを適える術はあらかじめ失われているのだ…。未完の傑作「蒼白者の行進」、北軽井沢を舞台にした奇蹟の消失劇「光のアダム」、短篇「重い薔薇」「薔薇への遺言」、来歴を鏤めた「薔薇の自叙伝」等を収録。手を一閃して、虚空から花を掴み出すひと、流薔園園丁の供物。 | 1997年2月 | ソウハクシャノコウシン | 1400 | |
| 夕映少年 | 創元ライブラリ | 中井英夫全集5 | 骨の文体、トリッキィな構成、縦横の想像力によって奏でられてきた中井ワールドは、作家の実人生と引き換えに豊饒な収穫の時期を迎えることになる。珠玉の短篇集『夜翔ぶ女』『名なしの森』、戦中戦後という時間への愛憎を示した『金と泥の日々』『他人の夢』、ただ光だけが充ちている名品『夕映少年』を収録。 | |||||
| ケンタウロスの嘆き | 創元ライブラリ | 中井英夫全集6 | ”人間ならぬ何か奇妙に悲しい生物”三島由紀夫への痛恨の鎮魂曲、江戸川乱歩ら異端と幻想の作家への限りないオマージュ、「黒鳥の旅もしくは幻想庭園」「ケンタウロスの嘆き」「地下を旅して」三冊のエッセイ集を初の文庫化。”地球という名の流刑地”をひととき訪れた一羽の黒鳥・中井英夫の人外の嘆き。 | 1996年7月 | ケンタウロスノナゲキ | 1500 | ||
| 香りの時間 | 創元ライブラリ | 中井英夫全集7 | 薔薇、香水、宝石、シャンソン、百科事典、コンピュータ…ハネギウス一世の偏愛する美の世界に、一九八三年、田中貞夫と寺山修司、かけがえのない二人の死が齎された…。「香りの時間」「墓地」「地下鉄の与太者たち」「溶ける母」を収録。審美家・中井英夫のダンディズムに彩られた横顔とまなざし。 | 1998年8月 | カオリノジカン | 1500 | ||
| 彼方より | 創元ライブラリ | 中井英夫全集8 | 日本陸軍参謀本部で孤独に綴られていた稀有の戦中日記「彼方より」、待望していた敗戦の日に立ち会うことなくいきなり戦後に放りだされ、小説とひとの愛をただひたすら求め続けた苦い彷徨の記録「黒鳥館戦後日記」(正・続)を同時収録。”見知らぬ友よ、見知らぬままに我を愛せ。”…痛切に甦る中井英夫の青春。 | 1998年4月 | カナタヨリ | 1800 |
敬愛する、中井英夫氏の作品を紹介するにあたり、他の作品紹介と趣きを異にしてお贈りします。
個人的な感想を述べれば、この方の小説群に出逢って、
『幻想文学』というものに開眼したようなものですね。
高校の頃に、はじめて『虚無への供物』という、とてつもない作品に出会いました。
昔はレトリックな文体や、詩のような言葉の流れ、禁色の匂い。。
フランスの香りなど、うわべの部分に心をうばわれがちでしたが、
今では、その裏にある作者の悲痛な叫びの部分とか、
現実に起こった事件、現実に行われた悪などについても思いやれます。
そして、短篇集の秀逸さ。わたしは、特に『人形たちの夜』と『幻想博物館』『人外境通信』がおススメです。
短篇集の中でも、一作ごとに味わいが違って、その中のベストというのも選べばきりがないのですが、
再読しないと、忘れている部分もあるし、年齢を経てまた感じる部分もあると思うので、時をゆずります。