鶴見線営業所10周年記念イベント報告


2000年6月10日(土) JR鶴見線 鶴見線営業所

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  JR鶴見駅から黄色い3両編成の電車が、レールを軋ませ発車して行く・・・。 

 ここJR鶴見線はとても東京近郊とは思えない程、のどかな路線である。 

 また最近まで旧型国電(クモハ12形)が在籍し、鉄道ファンの注目を浴びた路線

 でもある。 また沿線も、京浜工業地帯にゆかりのある駅名や施設が残り、わが

 国における、重工業発展の歴史を感じ取る事が出来る。 そんな鶴見線を管轄し

 ているのが、 JR東日本横浜支社鶴見線営業所である。

 

 イベントには「踊り子」ヘッドマーク
 を付けたEF58−61もやって来た。


 

 今回は、6月10日(土)に行われた「鶴見線営業所10周年記念イベント」のリポートと、同日運転された101系電

車を使用した「イベント記念列車」の旅を、お届けします。

 

 6月10日 午前9:30頃。 鶴見駅の鶴見線ホームは多くのファンや、家族連れでごった返していた・・・。

10:05発の「鶴見線営業所10周年イベント号」を待っているからである。 普段は閑散としている日中の鶴見線

ホームからは、想像も出来ない混雑である。 10:45分頃、2番線ホームに101系電車がゆっくり入線してきた。

このイベント列車は、普段南武線浜川崎支線で使用されている101系電車で運転されるのである。 101系と言え

ば、こちらも最近まで鶴見線で活躍していたゆかりのある電車である。 また101系自体、昨年の「南武線スタンプ

ラリー号」以来のイベント列車運用である。 JR籍では、南武支線でしか見られなくなった101系のイベント列車と

あってか? 狭い構内には多くのファンが掛け付けていた。 また編成の前後には、「鶴」を描いた特製ヘッドマーク

が付けられた他、方向幕には特製の「海芝浦」行き幕が掲示されていた。

 

   (左)鶴見駅には数多くのファンが
    掛け付けた。

 (右)ヘッドマークを付けた101系が
    発車を待つ・・・。

 

 一通り撮影を済まし、私は車内に乗り込んだが、もう既に車内は満員の乗客で溢れ、通勤電車状態であった。

ところでこのイベント列車は鶴見を出て浅野まで行き、そこから海芝浦支線に入り海芝浦まで一旦向かった後に、

イベント会場である「鶴見線営業所」 最寄の弁天橋まで戻る運行である。

いよいよ発車の時刻となった。 満員の乗客を乗せた101系電車はゆっくりと鶴見線ホームを離れて行った・・・。

 

 鶴見を出ると、東海道線を始めとするJR各線と京浜急行線を一気に跨いでいく・・・。 やがて電車は高架線上の

国道駅に到着していた。 ここはカーブの最中にあるので、多くのファンがカメラを構えて到着を待っていた。

その国道駅を出て、鶴見川を渡ると鶴見小野駅である。 この小野駅もそうであるが、鶴見線にはその土地の埋

め立て事業に貢献した個人名や、周辺にある工場名がそのまま駅名になった駅が多い。

 この鶴見小野駅を出ると、左手に「鶴見線営業所」(旧 弁天橋電車区)が見えてきた。 もう10:00からイベント

が開場しているので、もう既に多くのファンの姿と、展示車輌の姿が確認出来た。 やがて電車の速度が落ちると、

会場最寄駅の弁天橋駅に到着していた。 この弁天橋駅で殆どの乗客が降りた為、ここで急に車内が空いてき

た。 といっても、まだまだ立ち客が多く見られるので、それなりの乗車率であろう。

 

 弁天橋駅を出ると、次は海芝浦支線が分岐する浅野駅

である。 ここも、やはり周辺の埋め立て事業を進めた、

「浅野セメント」の創始者である浅野総一郎の名が駅名に

なっている。 浅野氏といえば、南武・青梅線などにもゆか

りの深い人物である。 この浅野駅から海芝浦方面に入る

電車は、本線とは別にカーブ上に設けられているホームに

発着する。 相当の急カーブなので、レールを大きく軋ませ

ながらの到着であった。

 

 


 この先の海芝浦支線は、芝浦電気(現在の東芝)の工場への物資・人員輸送を目的とした、「専用線」的要素の

強い路線である。 ここでは運河と平行して敷かれた線路を行くのだが、ここでもカメラを構えたファンの姿が多く見

られた。 やがて東芝工場の門の手前にある「新芝浦」駅に到着していた。 いよいよこの先は、「鶴見線」ならでは

とも言える、一般の会社構内を走るのである。

 

 新芝浦を出ると鶴見線は単線となり、東芝工場の敷地内を走っていく・・・。 また、横には分岐した貨物引込み線

が併走し、大型トランスを積載するであろう「TOSHIBA」と書かれた貨車などが留置されていた。

やがて線路は右手にカーブし、防波堤に作られた?海芝浦駅ホームに到着していた。

 ここは古くから、東芝の社員証が無いと駅から出ること?が出来ない駅であったり、ホームから釣りが楽しめる駅

という事で有名であったが、近年では首都高速湾岸線の「鶴見つばさ橋」が良く見える駅として、ちょっとした名所に

なっている。 その為か東芝では、工場用地の一部を使用して公園を整備し、一般に開放している。

 この海芝浦駅では、到着した101系電車を撮るべく多くのファンがカメラを構えていた。 私も僅かな折り返し時

間で、海芝浦駅での101系を撮影してみた。

 

   (左)海芝浦駅に到着した
    イベント列車

 (右)「イベント」最寄駅である
    弁天橋駅の様子

 

 10:21分。 折り返し弁天橋行きとなったイベント列車は、ゆっくりと海芝浦駅を後にし、来た道を戻り出した。

そして10:27分、終点の弁天橋駅に到着した。 狭い弁天橋駅のホーム上は多くの乗降客でごった返していた。

それを横目に、101系電車は展示の為、ゆっくりと「電車区」の方に引きこまれて行った。

 到着した弁天橋駅では、「イベント列車乗車記念はがき」等をいただく事が出来た。 なお、この場所に詰めてい

た駅員さんは、南武線を掌握する「矢向車掌区」の腕章をしており、どうやら応援者の様である。 先々週運転の

快速「川崎〜奥多摩ハイキング号」に引続きの「イベント」という事で、本当にご苦労様です。

 

 鶴見線営業所までは少々の徒歩が必要であった。 その途中ではJRの社員の方

が、周辺道路の交通誘導にあたるなど、安全に会場に到着できる様に務めていた。 

 途中に道路工事中の為足元が悪い所があったが、歩く事約5分程で鶴見線営業所

の入口へ到着していた。 なお会場はもうこの時点で、かなりの人出となっており、ごっ

た返していた。 さて、次のページでは、展示車輌の紹介をしてみようと思う。

 

「イベント列車」乗車記念の絵はがき


 


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