試 乗 記 録 (特別編) 鉄チャン的夏休み’99
取材期間 1999年8月21日(土),8月25日(水)〜27日(金)
Pege 2
8月25日(水) 5日目
8月22日から24日まで、私は佐渡でのんびり過ごした。 余り遊び歩いた訳ではないのだが、十分楽しんだ休暇
だった様である。 さて充電完了した所で、後半戦に突入する事にします。
8月25日は、来る10月3日に廃止される事が決定した、「蒲原鉄道」に行ってみる事にしました。
※ここで掲載している「蒲原鉄道」の写真は、「写真館」で紹介しなかった写真を掲載しています。
蒲原鉄道モハ31型(五泉〜今泉間)
朝5時、私は朝一番のフェリーに乗る為に両津港へやってきた。 出港は5:30分で、乗船する船名は「おけさ
丸」である。 今日は早起きをしたので船が出港すると、当然ながら眠りについてしまった。
ふと目を覚ますと、もう新潟港は目の前に迫っていた。7:50分「おけさ丸」は新潟港に着岸した。
ここからは連絡バスに乗り、私たち下船客は一路新潟駅を目指す。
約15分でバスは新潟駅に到着した。ここから「蒲原鉄道」の分岐駅である五泉まで、快速「あがの2号」に乗って
移動する事にした。 しかし乗り継ぎ時間は短かった。急いで切符を買い、4番線の快速「あがの2号」の車内に入
るとすぐ発車してしまった。 発車は8:23分であった。
キハ110系は快調なエンジン音を奏でながら、新潟平野を駆け抜けていく。 五泉までは途中、新津しか停車し
ないので、非常にスピーディーに五泉まで移動できた。 五泉には8:50分の到着である。
五泉駅で発車を待つモハ31型 モハ31型のサボ(五泉駅)
五泉に到着した所で、いよいよ「蒲原鉄道」の撮影を始めよう。 まず五泉駅に入線するモハ31型を、JRの跨線
橋から撮影した。 今日はお目当てのモハ31型が運用されているので、俄然撮影にも、やる気が出てきた。
それではこのモハ31型に乗って、まずは村松まで行ってみようと思う。 早速車内に入ってみると、急に懐かしい
世界へと引き戻される。 手動式の扉やオイルの染み込んだ床板、そして丹精に並ぶ側面窓は、所々空いており、
冷房すら付いていない電車である事を主張していた。
いよいよ出発である。釣りかけ式電車独特の硬い乗り心地と、脳の隋まで響いてくるモーター音。そして開け放た
れた窓からは、夏の風が入ってくる。 最近は冷房車の普及により、夏でも窓を閉めたままの電車が多い中、もう
忘れ去られたような「夏の電車」の情景を醸し出している。
そしてモハ31型は豪快なモーター音を残して、蒲原の地を駆け抜けて行く・・・。
僅か8分で、村松に到着した。 時刻は9:20分である。 今日はここから線路沿いに移動しながら、撮影を行な
い五泉に戻る予定である。 五泉まで距離にして約4Km、1日かけて歩くのに丁度良い距離だ。
まずは、村松の車庫での撮影である。 車庫には電気機関車のED−1を始め、蒲原鉄道のスターたちが勢ぞろ
いしていた。
車庫での撮影を終えると、線路に沿った県道を五泉に向か
って歩き出した。 約500m程歩くと市街地から外れ、線路の
横は田畑になった。 この辺から少しずつポイントを移動しな
がら、次々と往来するモハ31型を撮影して歩いてみる。
村松駅でのワンシーン
しかし線路に平行する県道は交通量が多い、これが実際撮影及び、移動に大きく影響している。確かに道が狭い
上に、 途中で歩道が切れていたりするので、私みたいに「大荷物」な人には相当負担である。そして、線路の横に
交通量の多い道路が並行しているので、撮影ポイントがおのずと限られてしまっているのである。
またこの道路の交通量を考えると、残念ながら鉄道が廃止されてしまうのは、やむ無しといった気がしてきた。
このように撮影を続けるうちにもう12時を過ぎ、午後になっていた。 私は唯一の中間駅である今泉に到着して
いた。 今泉駅では初老のおばあさんと孫娘が、ホームで電車を眺めて遊んでいた。
今泉から先は村松から並走していた県道と分かれ、五泉駅方面へと進んでいく。 この区間は交通量の多い道
路が並走していないので、基本的には撮影の制約はない。
ここでも数カット撮影をすると、もう既に五泉駅付近に到着していた。時刻は既に15時半位になっていた。
私はここでもう一度村松まで往復して、今回の訪問を締めくくる事にした。
さっそく私は、16:18分に発車する28列車に乗車した。そして村松には26分に到着した。
村松駅窓口では、記念グッズ・全形式竣工図表などが販売されていたので、私は竣工図表を記念に購入した。
今回の村松駅での折り返しは早い、16:40分には五泉に向けて発車していくのだ。 これが私にとって、最後の
蒲原鉄道の旅になるだろう。 そして8分後、私を乗せたモハ31型は五泉駅に到着した。
私は後ろ髪を引かれる思いで蒲原鉄道ホームを後にした。16:50分発の新潟行普通(列車No.231D)に乗り継
ぐ予定だからである。 接続時間は僅か2分。乗換え客はおのおの足早に、磐越西線ホームに向かっていった。
この231Dも17:41分に新潟へ到着した。新潟でしばらく
ぶらぶらした後に、明日予定している上越線の撮影に備え、
長岡に移動する事にした。
長岡へは、新潟地区のホームライナー的存在である快速
「らくらくホームトレイン」で行く事にした。この列車は上沼垂
運転所の485系特急電車を使用しており、整理券代310円
を払えば快適な着席乗車が約束されている。
485系快速「らくらくホームトレイン」(新潟駅)
今日は平日なのだが、夏休み期間の為か?車内は非常に空いており、隣のシートを回転させボックスシートの様
にして、独り占めしている乗客がかなり見られた。 私も特急電車の快適なリクライニングシートに身を委ねてみる
事にした。 (車内はリニューアル車なので、リクライニングシートは当たり前の装備である。)
新潟出発は22:20分で、終点長岡到着は21:15である。約1時間の旅であったが、非常に快適であった。
早速、長岡駅前のビジネスホテルに今夜の寝倉を確保し、今日の活動も終了という事になった。