試 乗 記 録 No.007

大幹線の小支線(東海道・山陽線編)

Page 2  東海道本線 美濃赤坂支線(大垣〜美濃赤坂)  取材日 2000年3月26日(


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 以前、毎晩の様に東京を発っていた通称「大垣夜行」と呼ばれる普通

列車あった。 現在でもその流れを汲んだ快速「ムーンライトながら」が、

夜の東海道線を毎晩駆け抜けている。

 

大垣駅3番線で発車を待つ、美濃赤坂行き電車

 

 その「ムーンライトながら」の終点である大垣駅から、東海道本線の小支線が延びている。 これが東海道本線

美濃赤坂支線である。こちらも和田岬線と同じく、終点である美濃赤坂駅から路線名(通称)が付けられているが、

乗客への案内上は、「東海道線美濃赤坂方面行き」とされており、一般には分かりにくい。 

なおこちらへの訪問は、多客期に走る臨時「大垣夜行」への待ち時間を利用しての訪問となった。

 

 ところで、大垣駅2・4番線の神戸寄り先端分に、欠き取り式の

ホームがある。 ここが大垣駅3番線で、美濃赤坂支線の列車はこ

こから発着している。(注:本線より直通する列車を除く。)

 

 

 

 


 早速3番線に行き、乗車してみる事にしよう。 2両分の長さしかないホームには、2両編成の313系電車が停車

し、私を待っていた。 乗客は21:00過ぎとあってか、余りいなかった様である。

また313系電車の転換シートを転換させ、ボックスシート状にして「くつろいでいる」会社員の姿も見られた。 

まあ私が車内に入った時間でも、約10分後に発車という事で、まだ十分時間があった。 そんなゆっくりとした時間

を過ごしている内に、発車の時間となった。

 

 JR東海の新鋭313系は、いつもの様に静かに発車して行った。 この美濃赤坂支線は、途中駅として荒尾駅が

ある。 この荒尾駅までの区間は、大垣電車区の横を走って行く事となる。 やがて線路が右側にカーブすると荒

尾駅である。 この荒尾駅のホームは、本線を走る電車からも、よく見える位置にある。 荒尾では若干の乗客が

降りて行き、そしてまた静かに313系は走り始めた。 しかしそんなに距離を走らない内に、電車は惰行運転に移

っており、やがて終点美濃赤坂駅に到着していた。

 

   (左)美濃赤坂駅駅舎

 

 (右)美濃赤坂駅での313系電車

 

 なおこの先は、「西濃鉄道」という専用線が延びている関係で、美濃赤坂駅では貨物扱いを行っている。 その

為、以外と広い駅構内を有していた。 そんな広い駅構内に、2両編成の電車がぽつんと止まっている・・・。

この風景は車輌が新しいものの、まさに10数年前の「ローカル線」風景で、とても東海道本線の一部とは思えない

光景だった。 一方電車から降りた乗客は、三々五々に駅から去って行った。

 

 そして、乗客がいなくなった駅舎を私は眺めてみた。 駅舎には、何人か駅員が常駐している様であったが、その

他には人影が無く、非常に寂しかった。 その寂しさゆえ、駅舎から漏れる光が温かく思えた。

 

 結局時間が無かった関係で、私は折り返しの電車で、大垣に戻る事に

した。 2両編成の車内は、乗務員2名に乗客2名の寂しい車内であった。

 そして数分間の乗車の後、先程出発した大垣駅3番線に、電車は到着し

ていた。 本当に短い旅であった。

←大垣駅では、樽見鉄道のDLの観察もお勧めです

 

 美濃赤坂支線の現状であるが、実際には貨物輸送もあり、旅客も新型313系が入線するなど、比較的堅調な様

にも見える。 しかし実際ラッシュ時間以外は、バス代行でも十分輸送可能な乗客しか乗車しておらず、今後の同

線の動向がちょっと心配になった。

今度は美濃赤坂以北の「西濃鉄道」を含めて、昼間の時間帯に再訪したいと思った路線であった。

 

− 終 −

 


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