ベトナムで古本屋を開こう!!

 今の私の仕事、密かに思うのですがこれほど面白い仕事はないと思っています。スリル(危ないなあ)を感じて自分の思いどうりにはまったときの快感。はたまた、お客様が喜んでくれたときの感動。同じ営業職でも、私達ほど夢を売る商売はないと思っています。ただ時々思うのです。同じ事を繰り返している訳じゃないのですが、区切りがない、終わりのない仕事なのです。比較的大きな仕事を無事終えても、一息つくまもなく他の仕事が残っています。どんなに売れないセールスマンでもそれこそ息をつく間もないのが現状なのです。
 「年をとってまでする仕事か?」と疑問を持ちます。経験がものを言う仕事ですので、確かに口は上手になっていきます。年をとって円熟に至るというイメージがあるかと思いますが、旅行業の情報はそれよりもっともっと早いものなのです。コンピューター化も進んでいます。誠に失礼かとは思いますが、年配の先輩方には
「もう無理をしない方が・・・」
なんて思ったりします。年をとると記憶力も衰えてきますよね。それより恐いのは、若いお客様と価値観を共有できなくなることにあるのではないでしょうか?これほどまでに海外自由旅行が増えているにもかかわらず「**はあぶないから」とか「***ではきをつけて」なんてアドバイス、お客さんは自分で調べた上で航空券を買いに来ているのに、逆におまえさんこそ気を付けてと思ったりしています。本当これこそ「年寄りに冷や水」ですよね。
 しかし私にも老いは必ずやってくるものなのです。ぼけた頭で対応できるほど易しい仕事ではないと思います。私はそうなれば身を引き、どこか外国に住みたいと考えています。それも物価の安いこれから豊かになる国で。まだ私が独身で守るものが何もないため、こんな空想を持てるのかもしれませんが。そこでタイトルの「ベトナムで古本屋を開こう」です。
 ピークは過ぎたにせよ、ベトナムブームは続いていると思うし、多くの日本人も現地で生活しています。彼らホワイトカラーの人間は必ず活字に飢えるはずです。そうです、日本の本が欲しくなるはずです。いかがでしょうか?まあ半分ジョークで聞いて下さい。ベトナムは残り数少ない社会主義の国です。ビジネスを始めるのは難しいのでは?と思われるかもしれません。何も最初からそんなに難しく考える必要はありません。ベトナムの方々に古本を売っていただくのです。(委託販売の方法をとるのです。)
 昔、プノンペン〜ホーチミンシティ〜カントー〜ニャチャン〜フエ〜ハンイと一ヶ月ほど旅行をしたことがあるのですが、物も安く、食べ物もおいしいベトナム南部を気に入りまして。ここでずーっといたいなあ。なんて考えました。皆様もいかがですか?私の予想ですが1ヶ月もしたら、猛烈に仕事がしたくなったりして・・・ああこれも悲しきニッポン人の習性なのでしょうか? 
          

ベトナムへの道

 ベトナムへの航空券が一番安いのはやっぱり大韓航空でしょう。有効期限も長いしお買い得かもしれません。機内サービスなんかも言われているほど悪くはないですし。だたしソウルから先がデイリーではないので少しだけ不便でしょう?その次に安いのがタイ国際航空とマレーシア航空です。タイムテーブルを見る限りではタイ国際のほうが便利そうです。この2社のメリットはホーチミンシティー以外の近隣都市とオープンジョーのチケットを作れることです。ホーチミンシティーINハノイOUTなんかもできるのです。そして一番高いのが大阪からの直行便。(なぜか香港経由のキャセイも同じぐらい)社会主義の国は妙に芸実家や学生を大切にしますのでベトナム航空に学生料金があります。この学割料金の仕入れ値は私達旅行業者の従業員価格と同じです。ですので学生の方なら
「学生料金はありますか?」
と聞いてみて下さい。たぶん直行便で大韓航空と同じぐらいだと思います。でも私が今一番興味があるのはあの「猿岩石」の使った、香港〜中国〜ハノイのルート。悲しいかなこっちのほうが飛行機利用より高くつきそうです。中国の広州からハノイの路線が結構安いのです。日本円で15、000円程。香港までマイレージサービスのタダ券がある人なら面白いルートが組めるんじゃないでしょうか?
 日本人ツーリストも多いのですが他の国々からも大勢のツーリストがベトナムに来ています。老若男女が今しか体験できないベトナムを楽しんでいるといったところでしょうか?しかしいくら物価の安い国とは言ましても、使うばかりではいつかお金はなくなってしまいます。そこで「ベトナムで古本屋を開こう!!」なのです。そのノウハウが書かれていないじゃないか?との声が聞こえてきそうですが、あわてないで下さい。

古本屋ビジネスのもう少し詳しい内容を説明いたします

 まず古本は日本より1冊1USドルで準備できます。(もちろんホーチミンシティーまでの送料込みでです)これを私達は1冊2ドルでベトナム人の商人に卸します。私達の利益は古本に1冊につき1ドルです。これをベトナム人商人がいくらで売ってもらってもまったく問題ございません。
 そしてもし売ることができないのならその本の返品は全て受け付けます。
「100冊売ってたったの100ドルか!」
そうおっしゃらないで下さい。確かに100ドルは日本では1日で軽く稼げるお金です。でも昼食10回でなくなってしまうではないですか。ベトナムでの100ドルは1ヶ月分の家賃になるのです。
 このプランをビジネスと表現するのはやっぱり間違いなのでしょう。なぜなら扱っているものが(書籍)ものですし、皆が潤える、ホント理想的かつ知的な生業であるからです。
 最後1番の課題はいかにして安く日本の古本をベトナムに運ぶかだと思います。私は現在ツーリストにお礼を渡し持ち込んでもらうのが最良の方法だと思っているのですが、そんなことを引き受けてくれる人はいないだろう。というご意見もいただいております。
何か良いアイデアがございましたら教えて下さい。 

ベトナム南部と北部の気質の違い

 ベトナム南部の男達はとても楽天的かつ明るいのです。 酔ってこんなことを言うのはタブーだと分かりながらも、親しくなって殴られることはないと思った人には「ホーおじさん」についてどう思うか、を訊ねてみたこともあります。南部の人達は歴史的にも色々な背景があり賛否両論でしたが色々な意見を教えてくれました。総じて言いますと南部でも人気はあると思います。
 北部の人はやや身構えるところがございまして、こんな質問をできる相手さえみつかりませんでした。やはり気質が違います。良い言葉で言えばまじめで努力家の北部の人。楽天的でのんきな南部の人ということになるのでしょうか。
 ベトナムの古都フエといえば北部になるのですが人力車の男が私に質問をする度に
「sorry」
とひとことつけてから質問するので、ホーチミンシティーでこんなに腰の低い人力車がいたか?と笑ってしまいました。ハノイではバトミントンが大流行汗の流し方も健全です。物価は「首都」ハノイの方が単なるひとつの「市」ホーチミンシティーよりやや高かった気がします。 

ベトナム人の恐るべき習慣

 ベトナムの女性は非常に美しい!とどこのガイドブックにも書かれています。確かにスタイルはいいですし、色白ですしまるで豊かな国にいる華僑のようです。そんな豊かな国にいる華僑は話してみると面白くない人が多いのですが、ベトナム人の女性はおしなべてすごく可愛らしいことをいいます。
 しかし少し恐ろしい場面を垣間見てしまいました。(夢を壊してしまってすみません)この話は南部カントーの街で見た実話です。偶然この夫婦だけが特殊なのかもしれませし、習慣とまでいうべきではないのかもしれません。
 ベトナムが市場経済に移行して、時代の波に乗れない人は相変わらず月収数十ドルしかないそうです。そうかと思えば商才のある人なんかニッポン人並いやそれ以上稼ぐ人だってたくさんいるわけです。ここで信じられないことなのですが、そんな時代の波に乗り遅れた人が自分の美しい奥さんをベトナム人の友人に(有料で)借すのです。(私がお借りした訳じゃないですよ)何か気色悪いでしょ!このことを本人達に言わすと「ベトナムの伝統的な習慣だ」と言うのですが・・・偶然この仕事がない方の奥様を見たのですが、これがまた典型的なベトナム美人でびっくりしました。後ほどこの亭主が酒を飲んで泣いていたのでやっぱりショックを受けました。 

ベトナム人の恐るべきパワー

 ホーチミンシティーで散歩をしようとしたら、人力車男がうるさくまとわりつきます。マッサージのお店の案内や以前利用した日本人の「良かった」という感想が書かれたメモを持っています。(この人は正直者で親切です、と書かれていますので笑えます・こういうことを海外で書いちゃう人の神経はいったいどうなっているのか、とも思いますが。)もう結構です。といってもしつこくつきまとわれます。私は切れてしまう前に笑顔で
「私のことはもう心配していただかなくて結構ですよ」
と的外れなことを言って逃げることにしていました。まさか人力車男が私のことを心配しているはずはないですものね。それしてもお金を得ようとするエネルギーは並のものではありません。私達もこの生きることへの執念は見習わなければ・・・そのためにも現地に行かなければ・・。念のため申しますと私達が会社や子供の教育に執着するのとはまったく異質のものですよ。
 ベトナム人を見ていて、この人力車男に代表されるのですが、その生きることへのエネルギーといいましたらただ者ではありません。
「俺も頑張って生きるぞ!」
という気になってくるから不思議なものです。ベトナム国内の移動は飛行機を使わない限り、まだまだ良い修行になったりしまいます。ある宗教団体に復興の兆しというニュースですが出家信者の方々も是非ともベトナムで修行をとおすすめいたします。
 私はまず一番安い公営のバスを利用したのですが、日本のバスより可成り狭いシートで必ず満席になります。車掌さんはずっと立ったままで客を案内したり、荷物を上げ下げしたり、しかも客にとても親切です。(特に外国人には)この仕事かなりきつい修行ですが、某教団との違いはこの車掌さんの方がかなり人の役に立つことではないでしょうか? 
 私のような修行足らずの旅行者は15分ほどしてケチってこのバスに乗ってしまったことを後悔しはじめてしまいました。とのかくバスが古く、道が悪い、バウンドしまくりで私は
「ウアーーアイタタ、もう堪忍してー」
と声を上げざる得ませんでした。隣でお母さんに抱かれている赤ちゃんはこの状態でスヤスヤ眠られているではありませんか!!なんという国民なのでしょうか?その昔アメリカも悪い国に喧嘩を仕掛けたものです。
 次回はまず、己の未熟さをわきまえた上で公営バスは自粛してトラベルエージェンシーが走らすキャラバンタイプのツアーバスで移動しました。最初外国人3名しか乗っていなかったので今度は嫌でも快適な旅と思っていたのですが、ちょっと郊外に出てからドライバーが次々にベトナム人の客を乗せ始めるではありませんか?またもや隣の男と肌擦りあう超満席になってしまいました。さすがにドライバー氏も気を使って休憩のたび、追加で乗せたベトナム人からのお金でフルーツなどを買い回してくれるのですが・・どうやらベトナムでのドライブは車の古さより道の悪さの方が大きな問題のようです。
 道の悪さが問題と結論を出した以上は次は列車にて移動することにしました。やっぱりこれもまた満席でした。私の席の前のおばあちゃんが物売りからものを買うたび私に
「ほら、窓をあけるのだよ」
とご指示して下さいますし、車内はやかましくもうへとへとです。私の同行者はハノイについて寝込んでしまいました。それとこの列車、機内食のような暖かい弁当を出すのですが、私のスープの中からゴキブリが・・・ベトナムの国内の移動は、本当に良い修行になります。どうぞお楽しみ下さい。 

        
ベトナムでグルメ&天然ダイエット

 ベトナム南部はとても熱いものです。どんな人でももういいと言うほど汗をかけます。これは私の体験ですので個人差はあると思いますが、(太っている人はやせてる人よりやせやすい)飲み食い何も心がけずにそれでいて1ヶ月で6キロダウン。ダイエットをされるのならベトナムに行こう、と申し上げたい。ベトナムの食事はバリエーションが豊富でとてもおいしいですし。
「絶対東南アジアの料理なんか口に合わない」
 とおっしゃる上品な方でも必ず好きな料理を見つけられると保証いたします。フランスの植民地支配の時代があったためフランスパンもおいしいです。ビールは大ビンを安カフェで飲んで1本80円〜120円ぐらい。その地方、地方の地ビールがあって味やビンの大きさが微妙に違います。ビールはたぶん日本のビールよりおいしくないんだろうけど、あの熱さの中ではどれを飲んでもムチャおいしい、と感じます。ベトナムはグルメ&ダイエットを同時進行でできる素晴らしい国なのです。  


ハノイで偶然

 ハノイの安宿のロビーで偶然、当時の私と同じ年の男2人と誰からともなくビールを持ち寄り酒盛りがはじまりました。こんな事が一番の旅の醍醐味でしょう。かわいそうに安宿のオーナーやオーナーの息子や娘もまきこまれて大騒ぎです。この3人の一人私はニッポン人で無職でした。
 一人はアメリカの大学院を出た、ベトナムで新聞関係の仕事をしているスイス人でした。もう一人はベトナムで時計の商売をしている台湾人。
 この私と同級生の2人はすごかった。何倍も稼げるスイスにいるよりベトナムの方が面白いと片方が言えば台湾男は何事にも素直に感激する。
 中華系でも香港と台湾の人は本当に気持いいものです。
「感謝!感謝!!感謝!!!」
 と素直に自分を表現いたします。この台湾人すごくて懐にはベトナム最高紙幣を輪ゴムで止めて山ほど持っていた。2人とも私と同じ年なのだが、本当に楽しそうな人生を築いているです。さあ私も負けてられないぞ。そう思えるだけでとても有意義な酒盛りではないでしょうか?     


ベトナムでヤラレター

私がベトナムに到着の初日のこと。安宿に荷物を置き早速散歩。バイクタクシーと人力車と物売りがしつこい。ベトナム女性は美しいと評判だがメイクの技がまだあか抜けていない。皆ケバ過ぎるように見える。ホンダに乗ったそれにしてもケバイ女とすれ違ったと思った、2分後のこと今度は私達を追い越したかと思うと駆け寄ってくる。(近くで見るとおかま丸出しだ)それで私の連れ(N君としておこう)にしがみつきベトナム語で何か話している。
 恐くなったN君は必死にこの手を振り払い逃げることができたが、その後カフェでメシ&ビールを楽しんでいる最中、N君が
「さっきのオカマの目的がわかりましたよ」
と言い出すではありませんか、
「腕時計がなくなっている・・・」
まことホーチミンシティーのオカマの早業には絶句だ。
 ホーチミンシティーはベトナムの中でも一種独特の「お金お金お金」の活気がある。ものおじしてたら身ぐるみはがされそうな・・でもホーチミンシティで短い期間の滞在を体験したからといって、それでベトナムが分かったとは思って欲しくないと思います。地方(いやホーチミンシティー以外)の都市は全く別の国と思っていただいても結構かと思います。     
 それにしてもかわいそうなN君。まだ若く、初めて来た海外がいきなりカンボジアとベトナム。時計、眼鏡は盗まれ、人力車やメシ屋でもボラレ、ベトナム人に囲まれる度にキレていた。少し英語が聞き取れるようになればなったで聞き取れなかった頃にはないような方法でだまされ本当に大変だったと思います。でも私思うのですが、笑顔で「いらない」と言えばベトナム人だって笑顔を返してくれます。日本の常識は通らなくて当たり前と思える心の余裕があれば腹もそんなに立たないだろうと・・


ビアオムに言語障害の酔っぱらい出現

 ベトナムには”ビアオム”なるバーがあります。バーとはいえ少し下品なお店です。ビアオムのビアはビールの意味でオムが抱くという意味だそうです。「ビールを飲んで抱く」と訳せばいいのでしょうか?まあ日本のピンサロの特別サービスのないものと思って下さい。
 私とN君は中華系のお店で夕食をとっていましたが、餃子を食べたいと珍しく意見が一致し頼もうとしましたが、メニューにはありそうにありません。でも頼もうということでN君が餃子の絵を描いて注文しました。(N君絵はムチャ上手い)店のおばちゃんは餃子を理解してくれましたが、できないとの返事。でもN君の絵がとても上手かったのでジャンジャンビールを出してくれました。
 そのノリで気持ちよくビアオムに突入。楽しく飲んで騒いで請求はなんと120USドル。「やられたー」と思いましたが、
「おいおい、待ってくれなんで120ドルなのか解るように説明してくれ」 
とごねたところ、おしぼり代・氷代・つまみ代・ビール代・たばこ代などなど出てくるは出てくるは、色々説明してくれます。
「手をつけてないビール代やフルーツ代は払わない、なぜなら私はオーダーしていない」
などなど交渉を重ね、ボーイの胸ぐらをつかんだり、大声を出したり・・・なんせ120ドルはベトナムで約1カ月分のホテル代なのですから。でももう少し暴れていたら
「言語障害の暴力主義者」
として警察に突き出されそうな雰囲気もあったのでなんとか65ドルで折り合いをつけ勘弁してもらいました。      
 これが上海や韓国、バンコクなら10万円はとられていた・・・なんて思って自分を慰めました。 


なぜ発展途上国の子供たちはかわいいのか?

 私は子供好きではないし、自分の子供は欲しくないと考える主義の人です。しかし発展途上国の子供たちは理屈抜きにして非常にかわいいと感じます。
どうしてなのでしょうか?
そりゃニッポン人の赤ちゃんも2−3才ぐらいまでは同じようにかわいいのですが、そこからもう少し大きくなるとなぜにこうも違いが出るのでしょうか?
 このことは私本心から、このへんに「ニッポン人が幸せを感じられない」理由があるように思えてなりません。私は「裕福さ=幸せ」と感じられる人がうらやましくてならない質の人間ですが、また「貧しさ=幸せ」とも決して思えません。同じアジアの国でもシンガポールや台湾、韓国の子供たちはやっぱりかわいいとは思えません。(ある程度の生活水準に達すると子供はかわいげが無くなるのでしょうか?        
 ことベトナムの子供たちは非常にかわいいと色々な本に書かれていますが、本当にそのとおりです。
「ガムを買ってくれ」
というのが彼らの商売なのですが、このガムは外国語を覚えるための口実のような気がします。それでもって小学生低学年ぐらいの子供たちが英語ペラペラ。連れのN君と比べて悪いけどまるで中学の先生と生徒のようなもの。ガムは買ってあげられないけれど
「がんばれよう」
と声をかけてあげたい。
 ホーチミンシティーからカントーへ行く道中のフェリーの中で、大勢のベトナム人とは別のタイプの商才のある子供と出会いました。この子は私に
「時計を見せてくれ」
と声をかけてきたのですが、扇子を売っている少年だったのです。ベトナム人の商売人はたいてい少しでも高く売ってやれという姿勢でビジネスに励んでいるのですが、この子は逆です。
 誰にでも(外国人でもベトナム人でも)全く同じ料金で安く売っているのです。そして最初の値段がラストプライスで商売をしていました。フェリーが対岸に着く頃、
「今日の仕事はもう終わり、全部売れたよ」
と言い出すではありませんか。全くニッポンでは小学生の低学年ぐらいの子供ですがりっぱなものでした。                     

フエの安宿のホテルマンのサラリーは50USドル

 フエで泊まったホテルのフロントマン、もう結構年もとってました。
「これからハノイに行くなら切符を準備してあげる」
と何度も切符を買え、切符を買えとやかましくてしょうがありません。確かに彼のいう値段は正当なものでほんのわずか利益が出る程度のかわいらしいもの。そしてベトナムの鉄道は本数が少なく常に満席状態でなかなか予約が取れないのも事実。
 そのフロントマン氏に私の連れN君はよせばいいのに、工場の期間工をしていた時のサラリーを言ってしまいました。
「俺のサラリーは3、500ドル」
これにこのフロントマン氏興奮して、
「俺は女房と子供が2人いてサラリーは50ドルだ」
とお怒りの弁。私は何とかこのフロントマン氏のお怒りを沈めてもらうために、日本の物価がいかに高いかと日本の工場の期間工の仕事がいかにつらいかを説明しました。このフロントマン氏たしかにホテルからの給料は50ドルでも、それ以外の副収入が必ずそれ以上にあるはず。いくら物価の安いベトナムでも、一家4人で50ドルは無理でしょう。それを真に受けて3、500ドルと言うN君も大人げないですが・・・


N君ついにベトナムで倒れる

 私とN君はフエ〜ハノイ間を夜行列車で移動しました。ハノイの安宿にチェックイン後のこと、思えば十数時間堅いシートで、熱いし眠れないし、ほぼ徹夜の状態でした。安宿で昼寝をしたのですが、N君はいっこうに起きあがりません。夜が来ても起きないので
「大丈夫か?」
と聞いてみると返事もできないくらいに苦しそうな声を出すので、安宿のオーナーに体温計を借りて熱を計ったところ39.8度。こりゃあかんとオーナーに相談したところ、
「そうかそうかでももう安心だ!このホテルにベトナムでも有名な医師が住んでいる、君の友人はとてもラッキーだ!!」
と言い出すではないか、
「なんでベトナムで有名な医師が安宿に住んでいるのか?」
少し疑問に思ったが、それどころではないので
「じゃあお願いします」
と言うことでベトナムでも高名な医師に来ていただく。当然日本語は全く通じないが、薬をだしてくれました。出張費用、薬代など高くつくぞ、と思い「海外旅行障害保険」を請求できるように診断書と領収書を書いて下さい。とお願いしたところ小さなメモ用紙にちょこちょこ書き出すので、こんなの保険会社が認めてくれるのか?と心配したのですがなんと総合計で(薬代も含めて)たったの5ドル。
 保険金を請求する手間のほうがかかるので・・結局保険は使わずじまいでした。このベトナム人医師の処方した薬が驚くぐらいよく効き、N君もびっくり。この薬、記念におみやげにしよう。とえらく気に入ってました。   


ベトナム周辺国よもやま話・カンボジア編

 カンボジアと聞いて何を思い浮かべるでしょうか?凶悪な指導者のイメージから乱暴者の国と思われるかもしれません。しかし庶民はごくごく普通のおとなしい人ばかりです。いや長年の内戦に疲れて普通の人より少し元気がないのかもしれません。
 日本人パックバッカーの集まるキャピトールホテル。窓のないシングルで3ドル、窓のあるツインで6ドル。1ヶ月住んでもたったの90ドルで済むという物価の安さがいいですね。また色々な日本人がいて面白いところでもあります。レセプションの兄ちゃんは愛想が良くはありませんが、ビサの申請やアンコールワットへのツアーやタクシーの予約など旅行代理店としての機能も備えています。1階のレストラン(それをレストランと呼んでいいのかは?ですが)はまあまあの値段で食事とビールが可能です。オープンカフェ状態で風が気持いいです。
 日本人がこのレストランに来る理由は情報ノートがあることです。本当に役に立つ貴重な情報から何の役にも立たない落書きまで色々と書き込まれています。私はここで毎日、サンミゲルビールの缶を8本立てることが日課となっていました。夕方激しい夕立が降り、その時停電を起こします。
 カンボジアではまだビジネスが成熟されておらず、何もかも一方通行な感じがしました。
「失業したらカンボジアでビジネスを始めよう!!」
もそのうち作ります。このキャピトールホテルが儲かるのは当たり前だと思います。愛想は悪いが「信頼」を大切に経営しています。だからここは信用の出来る安宿なのです。残念ながらカンボジアの料理はベトナムに比べるとだいぶ落ちます。
 キャピトールホテルの入り口の隣に民家でジュースや煙草を売っている店があります。そこのお母さんはすごくいい人で親切です。娘さんは少し年ですが独身です。ジョークもよく通じます。あの娘さん無事お嫁に行けたのでしょうか?なんせ内戦の後、年頃の男性が圧倒的に少ないのだとか。さあさあ日本の男性諸君カンボジアに行こうではありませんか?
 キャピトールホテルの前で客引きをするバイクタクシーの兄ちゃん達。この人達は元気のないカンボジア人の中では元気に上を向いて歩いているほうではないでしょうか?キャピトールの情報ノートにやたら「奴らには気をつけろ」的な意見も書かれていますが、なんでなのでしょうか?よっぽどイヤな目に遭わされたのでしょう。
 この兄ちゃん達のメインの仕事は外国人に「マリファナ」や「女」売りつけることです。(女の方はその場所までバイタクで案内するだけですが)もっぱらここプノンペンは「葉っぱと女が安い」と評判の街です。葉っぱは2ドルから、女はショートで4ドルからぐらいでしょうか?彼らバイタクの兄ちゃんの仕事も私達の仕事も似たようなものではないでしょうか?そして彼らは料金の下限を取り決めている様子ですので、市内のそれよりだいぶ高いようです。
 昼間プノンペンで最もたちの悪い人種は警察官です。旅行者を見つけると何かとイチャモンをつけて、お金をせびろうとします。ニッポンの警察官と同じで「モラル」がないのです。どこの国でも警察官はモラルのない人しか採用されないのかしら?警察官の方、おられましたらご教示下さい。
 夜間ツーリストの間で恐れられているのは「強盗」です。ホールドアップに遭う人は後を断ちません。これも昼間稼ぎ損ねた、警察官の副業という噂も・・・まあ外国人ツーリストで夜間、脇道に入る人なんてせいぜい酔った勢いで女を買いに行くヤツぐらいなので、それもいい薬なのでしょうか?
 私はプノンペンで一度すごいネオンのお店を見つけ「ナイトクラブ」かと思い突入しました。若い女性が扉を開けてくれたので期待はますます高まったのですが・・・入ってみてがっかり。中は単なるビリヤード場でした。まったくまぎらわしい店構えするなよ!!
 カンボジアのビサは空港で拍子抜けするほど簡単に取れます。ベトナムのビサを一番安く取得できる場所はここプノンペンではないでしょうか。ベトナムとカンボジアを周遊する予定なら、先にカンボジアに寄る事をオススメします。ベトナムビサは常識なら直接大使館へ申請した方が安いはず、と思い片道40分もかけて炎天下の中ベトナム大使館へ行きました。あとで分かったことですが、直接大使館へ申請するよりキャピトールホテルで代理申請してもらう方がわずかながら安いみたいです。いったい私は何のため炎天下の中ベトナム大使館まで歩いたのでしょうか?ビサの費用は所用日数により異なります。
 カンボジアやベトナムは数少ないビサの必要な国です。私はこれらの国がビサの手数料で外貨を稼ぐことに大賛成です。「無料のビサ」なんてお互いが手間なだけですもの。せっかくなら国が豊かになるほど稼いで下さい。
 プノンペンには地雷の被害にあわれた松葉杖姿の方々をよく見かけました。なんとも痛々しい姿です。私はこの場合に限り無条件で「お布施」を渡すことに決めました。これは間違いなのでしょうか?
 プノンペンの市場を歩くと衣料なんかが安いです。キャピトールホテルで面白い人がいました。この男性「精力剤マニア」で毎日暑い中、市場をさまよい日々精力剤を探し歩いているのです。びっくりするのが「タガメ」のフライです。タガメって知ってますか?あの池にいるヤツです。エーッこれを食べるのか!とおののいていたら
「試してみろ」
と言ってくれたのですが、さすがにこればかりは低調に辞退させていただきました。   
                     

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