ランス・ヘンリクセン演じるフランク・ブラックが実に渋くてかっこよく、「犯人の見ているものが見えてしまう」という能力、家族を狙うストーカーなど悩み深い役を見事に演じている。

　フランクに捜査の協力を行う「ミレニアム」グループは聖書の終末思想を信仰し善か悪か分からない組織であり、天使、悪魔の化身とも取れる不思議な人物も登場する聖書をベースとした謎に満ちたストーリーは好きな人にはたまりません。

　フランクが捜査する事件はカルト団体、サイコキラーなどの実際の事件をモチーフにした人間の闇の部分を映し出すものであるが、「目をそむけるな」「無関心ではいられない」と能力を生かし正対していく。
　そのような陰湿な捜査とは対照的にフランクの一家団欒の場面ではやわらかい演出がなされ、そのコントラストが人間の光と闇を見事の描いています。

　このドラマの最初には必ず聖書の一章節が紹介されますが、それは各エピソードを見終わった後に考えさせられる深いものです。2000年は過ぎてしまいましたが、人間の光と闇を描いたこの傑作、ぜひ手に取ってください。