GCMとは
GCMとは、Globally Coupled Map の略で、大域結合マップのことです。
CMLが局所的なカオスの拡散を扱っているのに対して、
GCMは、個々の非線形要素の相互作用が大域的になります。
大域的であるということは、非線形要素の影響力が非常に短い時間に遠方まで届くということである。
なぜ大域的になるのか?
CMLでは、隣り合う左右の二つの要素とブレンドしましたが、
GCMでは、すべての要素から影響を受けます、そのことが大域的ふるまいの原因となります。
数式
自分以外の要素から影響を受けるので、他の要素への結合係数は ε/ N になります。
つまり
GCMでは、各要素がほかのすべての要素と影響を及ぼしあうため、個々の非線形要素の特性と、
安定しようとするネットワーク全体の特性との競合が発生します。
GCMのふるまい
GCMでは、それぞれの非線形要素は個別に振動しようとする力と、
大域的な相互作用を等して平均化されようとする力の狭間にあります。
平均化しようとする力が個々の非線形要素よりも非常に強い場合、
ネットワークの各要素は振動がそろい、一つの「仲間」に収束します。
これを「コヒーレント相」と呼びます。
一方、非線形性が強い場合、個々の非線形要素はバラバラに振動します。
これを「非同期相」といいます。
非線形性と結合係数にバランスのいい値を与えると、値に応じて小数または多数の振動のそろった仲間が出来ます。
振動の仲間は仲間ごとで別々に振動するようになります。これを「秩序相」といいます。
「部分秩序相」では、これらの仲間があるときは非常に多数になり、
ある時には近いものどうしが引き込みあって、数個の大きな仲間へと収束するといった現象が見られます
これを「引き込みクラスター化」といいます。
「引き込みクラスター化」は、CMLでの時空間欠性にも似た振る舞いをします。