カオス結合系とは?
カオス結合系とは、カオスを生み出す構成要素をつなげたネットワークのことです。
カオス自体の特殊な特性を利用し、情報処理機構として可能性を秘めたものであると考えられていますが、
浅学のため具体的な例を僕は知りません。
カオスをつなぐとは?
「カオス結合系」とはカオス的な振る舞いを示す非線形要素をいくつも連結したものです。
非線形な関数をつなぐとは以前から「非線形振動子」の研究として行われてきましたが、
カオス結合系は、その関数にカオスを用いるといい点で新しいといえます。
カオスとは?
「カオス」とは決定論的法則に従って発生したにもかかわらず、不規則に見える振る舞いを示す現象のことです。
決定論とは?
ある現象を引き起こしている法則で、同じ状況下で行えば同じ現象が起こることです。
単純な物理法則がこれに当たります。例えばニュートンは、リンゴの落下を見て万有引力の方程式を発見したといわれています。
これに対して確率論があり確率論とは、未来の状態が一つに決まらず、2つ以上の状態の内の一つが確率的に選ばれる世界です。
例えばコインの裏表は、確率論に従います。
一見すれば、必然と偶然の違いに見えあたかも2つの法則ですべての現象の法則が発見されそうですがそうではありません。
例えば、リンゴの落下は重さ・引力・高さなどの限られた影響しか考慮していませんが、実は、風・空気抵抗などの無視している影響はどうなっているのでしょう。影響があまりに小さいために無視されていますが、ミクロの世界ではまったく別の物理法則になっています。
また、コインの裏表は実は投げる人の力加減・風・空気抵抗など、突き詰めて方程式をたてれば実は決定論に従っているのかもしれません。ただそれを計算する能力がないために確率的に取り扱わざるを得なかったのです。
しかし、確率論にも欠点がないわけではありません、未来の状態が増えすぎると解析が困難になります。
では、なぜカオスなのか?
そこでカオスが登場します、カオスはあくまで決定論に従って振る舞いますが、初期値に鋭敏に反応し、予測不能な結果を出します。
つまり、カオスな世界では、ニュートンはまったく同じ場所・同じ力でおとせば、という条件を万有引力の法則に付け加えねばなりませんたとえ1ミクロンずれていてもカオスな世界では、リンゴは落ちるかどうかさえも定かではありません。
つまりカオスには、単純な式から複雑な結果が得られるという特徴があるのです。しかも、一つの初期値に対応する未来は一つだけなので解析も楽です。
しかし、このカオスにも弱点があり、決定論に従い未来が一つに定まっているにもかかわらず未来から法則を導くことは不可能なのです。
従って、カオスを利用した研究というのは多くの場合、偉大な先達たちが残した数式を利用することから始まります。
(注)上記の内容は世界が何らかの法則に従っているという仮定の上に成り立っています。