空沼岳

今回の自然観察会は空沼岳に行ってきました。と言っても時間切れのためピークまでは行かず、真簾沼まで行って引き返してきました。新入生にとってはよい自然観察会になったと思います。天気は非常に良かったのですが、上のほうでは少しまだ雪が残っていました。では、観察会の様子を紹介していきます。

これは登山道付近で見つけた花で、左からフッキソウ、タチツボスミレです。フッキソウは、草という字が入っていますが低木の一種です。ところで皆さんは草と木の違いを知っていますか?結論から言うと木は肥大成長(横に太っていくこと)をしますが、草は上のほうにしか成長しないと言うことと、草は冬に地上部が枯れてしまうことです。タチツボスミレは下のほうに多く群生していました。両方とも北大の原生林に生えているので暇があったらご覧になってみるといいと思います。

 

左の写真は毎度のことですが、植物を調べているところです。今回は参加者に新入生が多かったので、上級生がこのようにして教えることが多かったです。右の写真は天狗巣病という病気にかかってしまっているトドマツです。この病気は、枝が際限なく生えて鳥の巣のようになってしまう病気で、がんのような病気です。この辺りはトドマツ・エゾマツに色々な種類の広葉樹が混じった多様な森でした。直径が1メートル以上もあるトドマツやエゾマツ、シナノキなどの大木もたくさん見られました。

 

空沼岳では頂上に至るまでに途中2つの大きな沼を通ります。左の写真は万計沼、右の写真は真簾沼です。万計沼は北海道を南限とするサケ科の魚、オショロコマの貴重な生息地です。このときは残念ながらその姿を見ることができませんでしたが、代わりにカモが出迎えてくれました。右の写真の真簾沼は万計沼から小1時間ほど歩いたところにあります。今年は多雪だったため、5月下旬だというのに万計沼の少し前から雪が見られました。特に、この真簾沼に至る道にはまだかなりの雪が残っていました。六月にはエゾカンゾウなどが咲き乱れるところなのですが、湖畔にはまだ芽が頭を出しているだけでした。

多くの新入生が参加してくれたため、植物を観察しながらゆっくりと登ってきました。気温が高かったためけっこう疲れましたが、その分沼の涼しさが爽快でした。空沼岳は豊かな自然が残っているところで、植物の種類は多く、太い木も沢山立っていました。ある程度の標高があるので、植生の変化も楽しめました。鳥のさえずりがにぎやかで、ねずみと思われる食痕、ウサギの糞があるなど多くの生物が棲んでいることが伺えました。

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