羊蹄山

6月12〜13日は登山技術の習得を目指し、羊蹄山(標高1,898m)に行ってきました。今回は参加者多数のため、パーティーを2つに分け、それぞれ比羅夫コースと京極コースから登山しました。ちなみに羊蹄山と言うのは略称で、本当は後方羊蹄山(しりべしやま)と言います。なお、カメラマンは一人のため、京極コースの写真が大多数であることをお含み置きください。

京極コース

以下の写真は京極コースの標高による森林の変化を示したものです。

  

これらの写真は左から1、2、5合目付近の森林の様子です。1合目付近(標高約540m)はトドマツやカラマツの人工林と思われるものがありました。2合目付近(標高約690m)はイタヤカエデ・ナナカマド・シナノキの目立つ広葉樹林でした。5合目付近(標高約1150m)はダケカンバの優占する森林でした。 

  

これらの写真は左から6、8合目と頂上付近の森林の様子です。5合目以降は少し傾斜がきつくなってきました。また、6合目(標高1300m)付近から大規模な雪渓が見られるようになりました。この辺りからの森林の特徴はかなりダケカンバの優占する森林になり、樹形が徐々に曲がってきて地面を這うような形になってきました。9合目から上ではダケカンバも少なくなり、岩場に高山植物が見られました。普通森林がなくなる森林限界付近(8合目(標高1600m)くらい)からは、ハイマツが広がっているのですが、ここではハイマツは見られず、背の低いダケカンバが続いてました。

  

上の中央の写真は京極コースをようやく登りきったところです。いや〜ここまで来るの、かなりしんどかったっス。登ったかいあって眺めはとても良かったです(頂上ではないけど右の写真を参考にしてください)。左の写真のようにビールまで飲んで相当ごきげんでした。もっともこの後晩御飯用のカレールーを忘れていたことに気付くという悲劇が待っていたのですが…。

 

これは左からノウゴウイチゴ、シラネアオイです。ノウゴウイチゴは山を登っていてほぼ終始見ることができました。他にはエンレイソウが終始見られました。しかし、標高があがるにつれ全体の大きさが小さくなっていったのが印象的でした。右のシラネアオイは6〜8合目付近で見られました。シラネアオイはこの写真では青色っぽくなってしまっていますが、実際には赤紫色でとても可憐な花です。つらい登山の中この花を見ると心が和みます。北大の植物園にも咲いているので、是非見てください。

  

上の写真は左からキバナシャクナゲ、コメバツガザクラです。この二つは俗に言う高山植物です。キバナシャクナゲはほぼ実際と大差ないように撮れています。この花も可憐と言えば可憐なのですが、なんとなく花びらの様子からはかなさを感じさせる花です。コメバツガザクラはキバナシャクナゲやシラネアオイとは異なり、あまり可憐と言う印象は受けず、むしろその花の形から面白い花といった印象を受けました。

比羅夫コース

比羅夫コースに関しては京極コースで見られなかった花や、京極コースでも見られましたが分布が多少異なっている花のみを紹介します。

  

これらは左からオオバミゾホオズキ、サンカヨウです。オオバミゾホオズキはほとんど1合目付近で咲いており、下りの比羅夫コースのみで見られました。サンカヨウは京極コースでは5合目までしか見られませんでしたが、比羅夫コ−スでは8〜9合目付近のみで花を付けていました。

登山技術の習得を目的に行われた今回の登山ですが、一番の収穫は標高による大きな森林植生の変化が見られたことだと思います。

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