付属資料

絶滅危惧類を評価する基準

EX(extinct) 絶滅

過去に日本に生育していて、飼育・栽培下を含め現在は日本では絶滅したと考えられる種

EW(extinct in the wild) 野生絶滅

[確実な情報があるもの]

  1. 信頼できる調査や記録により、すでに野生で絶滅したことが確認されている。信頼できる複数の調査によっても、生息が確認できなかった。

[情報量が少ないもの]

  1. 過去50年間前後の間に、信頼できる生息の情報が得られていない

CR(critically endangered) 絶滅危惧TA類

次のA〜Eのいずれかを満たすもの

A 次の1または2を満たすもの

  1. 最近10年間もしくは3世代のどちらか長い期間を通じて、80%以上の減少があったと思われる
  2. 今後10年間もしくは3世代のどちらか長い期間を通じて、80%以上の減少が予想される

B その種の出現範囲が100ku未満または生息地面積が10ku未満であると思われるほか、次の13のうち2つを満たすもの

  1. 生息地が分断されすぎているか、ただ一箇所しかない
  2. 出現範囲・生息地面積・成熟個体(子供を残す能力がある)数等に継続的な減少が予想される
  3. 出現範囲・生息地面積・成熟個体数等に大きな減少が見られる

C 個体群の成熟個体数が250未満であると思われ、さらに次の12のいずれかが満たされるもの

  1. 3年間もしくは1世代のどちらか長い期間に25%以上の継続的な減少が予想される
  2. 成熟個体数の継続的な減少が見られ、もしくは考えられ、さらに個体群が分断されすぎているか全ての個体がひとつの亜個体群に含まれる状態にある

D 成熟個体数が50未満であると思われるもの

E 数量解析により、10年間または3世代のどちらか長い期間における絶滅の可能性が50%以上と考えられる

EN(endangered) 絶滅危惧TB類

次のA〜Eのいずれかを満たすもの

A 次の1または2を満たすもの

  1. 最近10年間または3世代のどちらか長い期間で50%以上の減少があったと思われる
  2. 今後10年間または3世代のどちらか長い期間で50%以上の減少が考えられる

B 出現範囲が5000ku未満または生息面積が500ku未満であると思われるほか、次の13のうち2つを満たすもの

  1. 生息地が分断されすぎているか、5つ以下の地点に限定されている
  2. 出現範囲・生息地面積・成熟個体数等に継続的な減少が予想される
  3. 出現範囲・生息地面積・成熟個体数等に極度の減少が見られる

C 個体群の成熟個体数が2500未満であると思われ、さらに次の12のどちらかが満たされる場合

  1. 5年間もしくは2世代のどちらか長い間に20%以上の継続的な減少が考えられる
  2. 成熟個体数の継続的な減少が見られ、または考えられ、さらに個体群が分断されすぎるか全ての個体が1つの亜個体群に含まれる状況にある

D 成熟個体数が250未満であると思われるもの

E 数量解析により、20年間もしくは5世代のどちらか長い期間の絶滅の可能性が20%以上と考えられる場合

VU(vulnerable) 絶滅危惧U類

次のA〜Eのいずれかをみたすもの

A 次の1または2を満たすもの

  1. 最近10年間または3世代のどちらか長い期間の間に20%以上の減少があったと思われる
  2. 今後10年間または3世代のどちらか長い期間の間に20%以上の減少が予想される

B 出現範囲が20000ku未満または生息地面積が2000ku未満であると推定され、また次の13のいずれか2つを満たすもの

  1. 生息地が分断されすぎているか、10以下の地点に限られている
  2. 出現範囲・生息地面積・成熟個体数等について、継続的な減少が考えられる
  3. 出現範囲・生息地面積・成熟個体数等に極度の減少が見られる

C 個体群の成熟個体数が10000未満であると考えられ、さらに次の1または2のどちらかが満たされるもの

  1. 10年間もしくは3世代のどちらか長い期間の間に10%以上の継続的な減少が予想される
  2. 成熟個体数の継続的な減少が見られ、または考えられ、さらに個体群が分断を受けすぎているか全ての個体が1つの亜個体群に含まれる状況にある

D 個体数が極めて小さく、成熟個体数が1000未満と推定されるか、生息地面積または分布地点が極めて限定されている場合

E 数量解析により、100年における絶滅の可能性が10%以上と推定される場合

NT(near threatened) 準絶滅危惧

分布域の一部において、次のa〜dのいずれかの傾向がはっきりしていて、今後これらの傾向がさらに進行する恐れがあるもの

a 個体数が減少している

b 生息条件が悪化している

c 過度の捕獲・採集による圧迫を受けている

d 交雑可能な別種が侵入している

DD(date deficient) 情報不足

環境条件の変化によって、簡単に上記の絶滅危惧のカテゴリーに移行できる特性(具体的には次のa〜dのいずれかの要素)を持っているが、生息状況を始めとしてランクを判定するのに十分な情報が得られていない種

a どの生息地においても生息密度が低く希少である

b 生息地が局限されている

c 生物地理上、孤立した分布特性を持っている(分布域が極限られた固有種など)

d 生活史の一部または全部で特殊な環境条件を必要としている

 

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