第4話 偵察任務
「ーーーでは、これより作戦を開始する」
時刻は、22:30。
あたりは暗く、静まり返っている。聞こえる音といえば、木の葉が風で揺れる音や、 動物だろうかが動く音、そして、MSの歩行音ぐらいなものだ。 実際、このカスタム機ーGMセカンドだそうだーは、思っていたよりも普通な機体だっ た。
ーもっとも、基本的な動作のみしかやっていないわけなのだがー・・・・まぁ、GMよ り多少、扱いづらいというぐらいだろうか。
俺達は今、森林地帯を進んでいる。目標のポイントA-37は、まではあと20分ほどかか るだろう。 この部隊に赴任してから初めての任務ーー新兵ではないが、足手まといにならないか どうか・・・ そこで、ふと思ったーーそういえば、まだこの部隊の実力を知らないーーと。
「ーーーおい?そいつはどうだ?」
カストロが回線を開いて聞いてきた。
「ん、ああ。なんてことない、普通だが・・・?」
「そう・・・か。ならいいんだ」
カストロの言葉が、どこかぎこちないようだった。
「これがどうかしたのか?」
オーリンに言われたこともあり、多少疑問に思った俺は、聞き返した。
「いや・・・・。誰も使ってない機体だったからな・・・」
ーーーそれだけじゃないーーー俺は、直感でそう思った。
ーーー何か隠しているーーーと。
だが、今それを問いただした所で、意味はないだろう。
今は任務中だ。もし本当のことを聞いからといって、どうしようもないだろう。
そう考えた俺は、その話題をやめた。
「それだけのことか・・・・」
「ああ・・・・」
それからしばらく、通信は入らず、全員、無言のままポイントへ向かった。


ポイントまであと数百メートルといった所で、隊長から通信が入った。
「ーーー目標まで、あとわずかだが、これより隊を分ける。任務は、その状態で行 い、発見された場合は速やかに撤退するように」
「なにか、質問等はあるか・・・?」
誰もいなかった。
「では、隊を分ける・・・・・」
結果。隊長、ロイ、ライアの第一分隊と、俺とカストロの第二分隊となった。
「よし・・・・。では、私率いる第一分隊は、基地前方より、第二分隊は後方より偵 察してくれ。・・・以上、開始!」
そうして、俺の初任務が始まった・・・・・
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第5話 分隊行動