第2話 戦う理由
「よぅ、クルス。遅かったな。」
アーツが出迎える。
「ああ、ちょっとな。」
クルスが応え、シェイド達を連れて艦長に会いに行く。
「艦長、話がある。」
「なんだ?クルス。」
艦長のヘイトがクルスの方を向いた。
「オレのMSに乗った、1度目はオレが助けただけだが2度目は独断で乗った。」
シェイドを前に少し出し、クルスが説明し始める。
「2度もMSに乗って、攻撃しようとしたことがティターンズに知られると厄介だ。」
「確かに、あいつらは自分たちのことしか考えていないからな、知られていたらただじゃ済まんな。」
ヘイトがうなずき、シェイドを見る。
「名前は?」
「シェイド・ファング。」
シェイドが応えた。
「シェイドはバーストガンダムの操縦を1度見ただけでほとんど覚えた。」
「それはすごいな・・・」
「この部隊に入りたいと言っている。」
クルスがそこまで言い、シェイドが喋った。
「ティターンズに人や町、コロニーを壊されたくない。守るために戦いたいんだ。」
「キレイゴトを言っても人殺しだぞ、戦争は。」
ヘイトがシェイドを見る。
「わかってる・・・」
「戦争はゲームじゃない。それにおまえはオレたちより若いんだ、そんなことしなくても生きていけるだろう?」
ヘイトが厳しく返す。
「でも、あのコロニーに被害を与えたのはティターンズだ。オレはこれ以上逃げ惑い、苦しむ人を見たくない!」
「人殺しになってもか?」
「・・・それでもいい。戦争で苦しむ人を減らす手伝いができるなら。」
シェイドが返す。
「どうする?バーストガンダムは1機予備を造ってあるけど?」
クルスがヘイトを見る。
「そうだな・・・間違った考えは持っていない。パイロットにできるか?」
ヘイトが言う。
「シェイドなら3日ぐらいで覚えられると思うが?」
クルスがシェイドを見る。
「わかった。クルス、シェイドを頼むぞ。」
「任せろ。」
クルスが言う。
「レイナは?」
シェイドがクルスを見る。
「パイロットはさせない方が良さそうだ。オペレーターとか、戦闘に参加しないところだな。」
「その方がいいね・・・」
シェイドが後ろにいるレイナを見る。
少し怯えている感じだった。
「クルス空いてる部屋に案内してやってくれ。」
ヘイトが言った。
「わかった。他のみんなにはオレから話しておく。」
そう言ってクルスはシェイドとレイナを連れてでていった。
「シェイド、聞きたいことがある。」
通路を移動しながらクルスがシェイドに話しかけた。
「何?戦う理由なら言ったはずだけど?」
「そのことじゃない。エクス・クライドという人のことを聞いたことがあるか?」
「エクス?聞いたことないけど・・・それが何か?」
シェイドがクルスを見る。
「ちょっと、昔にな・・・」
そう言ってクルスが止まった。
「ここの部屋とその横のそこの部屋を使ってくれ。そこがお前たちの部屋になる。」
「わかった。」
「少し休んどけ。また呼びに来る。」
クルスはそう言うとMSデッキに向かった。

3日後
「新しく部隊のパイロットになったシェイド・ファングだ。それと、オペレーターのレイナ・フィンだ。」
クルスが紹介する。
「部隊のメンバーはアーツ・エイジ中尉とフレイア・カーディアス中尉、あとはオレ、クルス・ブランド、階級は大尉だ。」
クルスがメンバーを紹介した。
「・・・よろしく。」
緊張しながらシェイドが言い、レイナも続いた。
「まぁ、そんなに硬くなるなよ。・・・にしても若いな、年はいくつだ?」
アーツが言った。
「オレもレイナも18だけど・・・」
「若いな〜オレ32だぜ?。」 
アーツが言う。
「オレはまだ28だけどな。」
クルスが少しニヤけながらアーツを見る。
「おまえが若いんだよ。」
アーツが返す。
「そう?私は30だから、アーツが老けてるんでしょ?」
フレイアが言った。
「まだ老けてるって言われたくないな。」
アーツが言い返す。
「シェイド、MSの操縦は覚えたか?」
クルスがシェイドに訊く。
「まぁ、ほとんどは覚えたし、シミュレーターもやったから。大丈夫だと思うけど?」
シェイドが応えた。
「そうか、だからといって戦場で油断しないよう気をつけろよ。」
「わかってるつもりさ。」
クルスが忠告し、シェイドがうなずいた。
「ところでこの部隊は・・・」
シェイドが言いかけ、クルスが応えた。
「この部隊は独立部隊だ、ティターンズの作戦を実行前に叩いたりしている。」
「それでオレ達のコロニーに?」
「そういうことだ。1回目のティターンズ進入のあとアーツ達と連絡を取って手伝ってもらった。」
「次の任務は?」
「この先のティターンズの部隊を強襲し、コロニーの占拠を阻止する。」
クルスが言う。
その時、ヘイトから放送が入った。
「全機、戦闘配置!!敵部隊を捕捉した!」
クルス達がMSに乗り始める。
「シェイド、おまえも来い。」
「わかった。」
シェイドがMSに向かおうとした時、レイナが呼び止めた。
「シェイド!」
「?」
「死なないでね・・・」
「死なないよ、まだ死にたくないからね。」
そう言ってシェイドは宇宙用に改良されたバーストガンダムに乗り込んだ。
「シェイド、出ます。」
カタパルトに乗り、シェイドが出撃した。
「シェイド、無茶はするなよ。」
アーツが接触回線を通じて言った。
「死ぬ気は無いから大丈夫だよ。」
シェイドか応えた。
「そろそろ敵のレーダーの中に入る。全員、気を引き締めろ。」
クルスが言う。
「了解!」
フレイアが返事をし、アーツも続いた。
「シェイド、大丈夫だな?機体もおまえも・・・」
クルスが言う。
「心配してくれてありがとう。落ち着いてる。機体も問題ない。大丈夫だよ・・・」
シェイドが応えた。
「緊張してる・・・当然だよな・・・初めてだし・・・でも、オレだって死にたくない・・・それに・・・」
シェイドが独り言を言う。
「自分で選んだ道だ。進まなきゃ・・・・」
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第3話 再会