第３話　再会

敵ＭＳが出撃し始める。
クルスがブーストをかけ、戦艦に突っ込んでいく。
ビームライフルを構え、ブリッジとエンジンに数発撃ち込む。
３機の戦艦のうち、クルスの攻撃で１機が撃沈した。
「はやい・・・・」
シェイドがクルスの動きを見て驚く。
「！？来たっ！！」
シェイドが向かってくるＭＳに向かってビームライフルを撃つ。
「オレの狙いが甘いってのか！？」
シェイドが呻き、ビームライフルの照準を合わせ直しトリガーを引いた。
向かってきたジム・クゥエルに命中し、爆発した。
「や、やった・・・」
シェイドが呟く。
クルスはＭＳのかたまっているところに突撃し、戦い、アーツとフレイアも突撃していた。
シェイドはそこへ少しずつ近づきながら向かってくるＭＳを２、３機撃破していった。
「追いついた・・・みんな・・・強いんだな・・・」
シェイドがハイザックの頭部を撃ちぬいて呟いた。

「そこだ！」
アーツがハイザックをライフルで撃ち抜く。
「数が多いだけか・・・」
アーツが呟き、またハイザックを撃破する。

「！？」
シェイドにカスタムタイプのジム・クゥエルが突っ込んできた。
「な・・・なんだ！？」
シェイドがビームライフルを撃つが、あっさりと避けられる。
「あのＭＳは・・・バーストガンダム・・・」
「当たれぇ！」
シェイドの攻撃をかわしながらカスタム機が近づいてくる。
「わぁっ！？」
シェイドがビームサーベルを抜き、カスタム機のサーベルを受ける。
カスタム機がシェイドを弾く。
「うわぁ！！」
シェイドが吹き飛ぶ。
「く、くそっ！！」
シェイドがライフルを連射するが、カスタム機がことごとく避ける。
「・・・シェイド？・・・！！」
クルスがシェイドの戦闘を見つける。
「あの戦い方は・・・見覚えがある・・・あの動き・・・間違いない、オレには判る！！」
クルスが猛スピードでシェイドの前に飛び出し、カスタム機のサーベルを受ける。
「エクス！」
「クルスか？」
クルスが感じた通り、相手はエクスだった。
「なぜティターンズにいる！次に会う時は味方だと言ったのはおまえだろ！？」
「あの後、オレは連邦に移った。おまえに会うために。」
「だったらその場でオレと一緒に来ればよかっただろ！？」
激しくサーベルを交える２人。
「少し１人で考えたくてな・・・詳しい話はおまえの部隊に入ってからだ。」
「来るか？」
「いや、まだだ。オレもティターンズには嫌気がさしている。基地の場所を送る、後で来てくれ。」
「何をするきだ？」
「すぐに解る。」
エクスはそう言うと戦線から離脱していった。
「シェイド、大丈夫か？」
クルスが接触回線で話しかける。
「な、なんとか・・・」
「早く気がついて良かった。今のがエクスだ、昔、オレとやりあった。」
「強かった・・・・」
シェイドの息が上がっているのがクルスにわかった。
「残りを片付けるぞ。」
「わかった。」
クルスがシェイドから離れ、向かってくるＭＳを撃破しつつ戦艦に近づいていく。
「クルス！援護する！戦艦を墜とせ！」
アーツが言った。
クルスが加速し、アーツが後ろから追いかけてクルスに近づくＭＳを迎撃していく。
クルスが戦艦のエンジンをサーベルで斬り裂き、戦艦が爆発する。
「あと１隻！」
クルスが言うと同時に、フレイアが戦艦の機関部をビームライフルで撃ちぬいていた。
「ふぅ、あとはＭＳね。」
フレイアが振り向きざまに後ろにいたハイザックの腹部をサーベルで両断し爆発させる。
「そんなに多くない、すぐ終わるさ。」
アーツがライフルでジム・クゥエルのコクピットを撃ち、撃破する。
「このぐらいならオレだって！」
シェイドがハイザックを縦に両断した。
「これで最後だ！」
クルスが２機のハイザックを流れるように斬り、撃破した。
「よし、帰還するぞ。」
「了解。」
「・・・初めての戦闘はどうだった？」
帰還途中にアーツがシェイドに訊く。
「緊張してた。怖かった・・・が本音かな。」
「みんな最初はそうさ。」
アーツが返す。
「でも、初めてにしては良かったわよ。」
「そう・・・かな？」
フレイアの言葉にシェイドが応えた。
「素質はある。」
クルスが続いた。
「でも、人殺しには慣れたくない。」
「生きたいと思う意思が強ければ戦場では戦える。」
「クルス達にはある？」
「オレはある。」
クルスが断言した。
「オレにもあるな。」
「私も。」
アーツとフレイアも応えた。
「・・・（オレはどうなんだろう？生きる意思・・・）」
シェイドは戦艦に着くまでそれを考えていた。

戦艦に着き、クルスがブリッジに向かった。
「艦長、これを見てくれ。」
「！これは、ティターンズの基地の場所か！？」
「ああ、ここに来いとエクスが言っていた。」
「エクス！？会ったのか！？」
「ああ、ティターンズにいた。オレと話して、このデータを送って離脱していった。」
「わかった、向かおう。そこでエクスについて全てがわかるはずだ。」
「おそらくな。エクスは来れば解ると言っていた。」
クルスは外の方を見た。
「シェイド！」
長めの髪をなびかせながらレイナが通路を移動してきたシェイドの方に向かってきた。
「レイナ？」
「大丈夫だった？」
「ああ、この部隊の人、すごく強くてオレは少ししか戦ってないよ。」
「よかった・・」
レイナが微笑んだ。
「初めてだったから緊張して疲れたよ。少し休むから。」
「うん。」
そう言ってシェイドは部屋に入った。
「生きたいと思う意思、か・・・・。」
ベッドの上に横になってシェイドが呟く。
「本当は、ティターンズに復讐したいのかな・・・オレは・・・。」
何かを振り払うように首を振るシェイド。
「だめだ、過去に振り回されてちゃ・・・何度も言い聞かせたはずなのに・・・」
シェイドがうつ伏せになる。
「・・・頭ではわかってるのに・・・忘れられない・・・」
無重力の上、ベッドの上にただ乗っているだけのシェイドの体が浮く。
「・・・シェイド・・・」
レイナが呟き、シェイドの部屋のドアの前から去った。

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第４話　約束