第8話 γガンダム
「完成するか?」
「まだかかるな・・・次の作戦に間に合わないかもしれん・・」
クルスが訊き、メカニックチーフが応える。
横には、装甲がつけられつつある新型がある。
「仕方ないか・・・間に合わなかったらエクスと2人でなんとかするよ。」
クルスがMSデッキから出て行く。
「数が多そうだ・・・少しキツいか・・・」
クルスが呟く。

「作戦宙域まであと10分だ!総員戦闘配置!!MSは出撃だ!」
ヘイトが叫ぶ。
「新型は!?」
エクスがMSデッキに入ってすぐに言った。
「もう少しなんだが・・・」
「マラサイで出るぞエクス!」
クルスがエクスを追い抜いてマラサイに向かった。
仕方なくエクスもマラサイに向かう。
「クルス、出るぞ!」
クルスがカタパルトで出撃していく。
数秒後にエクスが続く。
クルス達がティターンズの部隊に接近する。
戦艦の数は10隻。
レーダーの範囲内に入り、MSが大量に出撃してくる。
「マラサイで大丈夫か?」
エクスが呟く。
クルスがブーストをかけて突っ込む。
敵MSはハイザックとマラサイを中心にバーザムが少量いた。
マラサイとバーザム、戦艦がビームを放つ。
「来たぞ!」
クルスがスピードを落とさずに避ける。
エクスもクルスと同様に、ほぼ同じ速さで突っ込んで行く。
ハイザックが前面に出て斬りかかる。
クルスがマラサイのライフルを撃ち、ハイザックの部隊に穴を開けて突き抜ける。
突き抜ける瞬間にサーベルで斬りかかるハイザックを撃破する。
エクスはサーベルを2本使って、撃破しながら突き抜ける。
ハイザックの防衛ラインを突破したクルスをマラサイ部隊が射撃する。
クルスは避けながら撃ち返し、撃破していく。
そのままマラサイの防衛ラインを突破する。
バーザムが斬りかかる。
クルスとエクスは激しい攻撃を避けつつ撃破し、戦艦に接近していく。
「さすがにマラサイじゃ反応が遅いな・・・」
エクスが呟く。
クルスが戦艦のブリッジと機関部にビームを撃ちこみ、戦艦を1つ撃沈した。

「クルス達もよくマラサイであれだけ戦えるよな・・・」
アーツがモニターを見ながら言う。
そこにはエクスとクルスが同じ戦艦に同時攻撃をして撃沈している映像が映っている。

「くそっ!エネルギーが!」
エクスが弾切れになったライフルを投げ、盾代わりにしてバーザムのビームを防いだ。
「さすがにキツい!」
クルスも弾切れのライフルを盾代わりにする。
「エクス!状況は!?」
「エネルギーが少ない・・・厳しいな。」
「あとどのくらい戦える?」
「長時間は無理だ・・・せいぜい10分程度だろう・・・」
エクスが応えながらハイザックを撃破する。

「できた!!」
メカニックチーフがブリッジに通信する。
「何っ!?完成したか!?」
ヘイトが応えた。
「すぐ行く!」
アーツ、シェイド、フレイア、シルフがブリッジを飛び出す。
「シルフ、新型をクルスとエクスに渡してくれ!」
「わかった!片方に乗ってもう1機は手で抱えていく!」
アーツが言い、シルフが応える。
MSデッキにはバーストガンダムをシャープにした感じのMSがあった。
そのMSの両腕にはビームガンが2つ装備されている。
「バーストガンダム改、γガンダムだ!最終チェックは後だ!早く行け!」
「装備は!?」
「ビームライフルとツインアームビームガンとバルカンにシールドとサーベルだ!」
「わかった!」
コクピットに行くまでにそんな会話をメカニックと話し、シェイド達が出撃した。

「くっ・・・本格的にヤバいぞ!」
エクスが呻く。
「!レーダーに味方・・・新型、できたか!エクス、行くぞ!」
クルスとエクスがシェイドたちの方へ向かう。
「クルスとエクスが来た!シルフ!」
シェイドがシルフに言う。
「先に行ってMSを足止めしてクルスとエクスが乗る時間を稼ぐ!シェイド、フレイア、行くぞ!」
アーツが言い、クルス達を追いかける大量のMSの中に突っ込んで行く。
「クルス!エクス!こっちだ!」
シルフがクルスとエクスの前で止まる。
マラサイのコクピットが開き、クルスがシルフの機体へ、エクスが空の機体へ入った。
「振り回すぞ、覚悟はいいか?」
「いいよ。気にしないで。」
クルスが訊き、シルフが応えた。
クルスとエクスがブーストを入れ、戦場の中心へ戻る。
マラサイが牽制し、バーザムが斬りかかる。
「っ!!」
クルスがマラサイのライフルとバーザムのサーベルを鮮やかに避け、バーザムをサーベルで撃破し、そのままツインアームビームガンでマラサイを撃ち抜く。
そしてすぐに振り向いて後ろにいたハイザックをツインアームビームガンで撃ち抜く。
マラサイとハイザックの左右からの攻撃を、両腕のツインアームビームガンを使い、撃破する。
後ろからバーザムが斬りかかるが、下方向にかわして斬り返し、撃破する。
クルスがツインアームビームガンで3機のマラサイを撃破する。
斬りかかるバーザムを反撃で撃破しながら戦艦の方へ近づいていく。
クルスがブリッジにサーベルを突き刺し、エクスが機関部を撃ち抜く。
横にある戦艦はクルスがツインアームビームガンでブリッジと機関部を撃ち抜く。
シェイド、アーツ、フレイアの3人も協力して戦艦を撃沈し、エクスも1隻撃沈していた。
「ほ・・・ほんとに振り回すね・・・」
「まだ5隻残ってる。」
クルスが言い、向かってくるMSを撃破していく。
「このMS、すごい・・・」
シェイドが呟きながらハイザックを撃破する。
そして敵戦艦とMSを全て撃破した。
「終わったな・・・」
アーツが大きく息を吐く。
「さて、帰還するか。」
エクスが帰路につく。
「どうだった?乗ってて。」
「ハードだった・・・」
シルフがシートの後ろにもたれかかっている。
クルスも帰路につく。
全員が着艦し、パイロットが降りてくる。
「どうだった?γガンダムは?」
「反応速度も早いし、性能もいい。申し分ないね。」
メカニックが訊き、クルスが応えた。
「最終チェックはまだやってなかったんだけど十分だったみたいだな。」
「整備、頼むぜ!」
「おう、チェックすればもう少し反応速度が上がる。やっとくよ。」
「ん?マラサイ、回収したのか?」
「ああ、余ったパーツがあるからそれで改造すれば使えるようになる。」
「シルフを乗せるとして、1機余るぞ?」
「予備にしとくか?」
「そうだな。」
そう言ってクルスは自分の部屋に向かった。
シェイド達も自分の部屋で休むことにしたらしく、部屋に戻っていく。
「あの部隊・・・どこにいるんだ?」
クルスがベッドの上で呟いた。
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第9話 レイナの出撃