第2話 任務
「艦長、今回の任務に補給部隊は間に合うのか?」
「間に合う予定だが、わからんな・・・」
「今日中に来てくれればいいが・・・・」
「どういうことだ?」
クルスとヘイトの会話にログが口をはさんだ。
「この小隊の陸戦型GMはガタがきてるってことだ。」
アーツが答える。
今回の任務・・・
それは、近々ジオン軍の基地を攻撃する作戦が予定されている。
第18特殊部隊には、その基地に増援をさせないように近くの基地を壊滅させる、という任務が下されたのだった。
「今回の任務は基地の制圧、または壊滅させなければならない。」
「それには高性能MSが要るんだな?」
納得するログ。
「だが、なんだって作戦を高レベルな暗号文で送ってくるんだ?」
「この部隊は極秘、表側には出ない裏の部隊なんだ。この部隊はジオンにはもちろん、連邦にも一握りの人間しか知らない。」
「この部隊のことを悟られないように、ってことか?」
「まぁ、そんなとこなんだろうな。とにかく、他の部隊が嫌がるような任務ばかりまわってくる。それをこなすのがこの部隊だ。」
「わかった。オレは部屋にいるから、何かあったら呼んでくれ。」
ログはそういうと、自分の部屋に行ってしまった。
「なぁ、クルス。」
アーツが話しかける。
「アイツ、腕はいいのか?」
「この部隊でやれるだけの腕はあると思うが?」
「ならいいけど・・・・」
日が沈み始めた頃になって補給部隊が着き、補給を受けた特殊部隊は作戦ポイントに移動し始めた。
「ジムコマンドか?」
「はい、ジムコマンドが5機・弾薬の補給に修理用の部品が10セットです。」
クルスの問いにメカニックが答える。
「それだけあれば次の任務はなんとかなるか・・・」
クルスは呟くと少し休むことにした。
明日の任務に備えて。

翌日の早朝、まだ空が暗い頃にクルス達の小隊は出撃していった。
「トーチカは早めに撃破しろ!後で砲撃されると厄介だ!」
「了解!」
「よし、全機散開!回り込んで挟み撃ちにするぞ!」
クルスがそういうと、部隊のMSは散開し、敵基地を回り込むように移動していった。
「ミノフスキー粒子濃度がうすい、急がないと気づかれるな。」
回り込んでいるログが呟く。
「攻撃開始時刻まで・・・あと1分か。」
アーツも時計を見ながら急ぐ。
「いくわよ・・・・」
フレイアは深呼吸をして落ち着こうとしていた。
「攻撃、開始!!」
クルスが基地に攻撃するのと同時に、ログ、アーツ、フレイアも攻撃を始めた。
基地に警報が鳴り響く。
トーチカの数は10機、基地を中心に放射状に設置されている。
まず、クルスが自機の左右にあるトーチカを撃破する。
それに続いて、ログ、アーツ、フレイアも2機ずつ撃破し、残りの2機もクルスが撃破した。
トーチカの撃破直後、基地から大量のMSが出撃してくる。
「来たぞ!」
アーツが叫ぶ。
クルスのジムコマンドにザクUが3機迫ってきた。
「甘い!」
クルスは呟くと同時に左手でビームサーベルを抜き、3機のザクUの中に飛び込んだ。
そしてマシンガンで1機を破壊し、ビームサーベルを横になぎ払い、2機のザクUのボディ部分を切断し撃破した。
「来い!」
アーツの方に向かってきたザクUはマシンガンで2機撃破され、残りの1機はビームサーベルで撃破された。
「ハァッ!」
フレイアも両手にビームサーベルを持ってザクU3機を踊るように素早く撃破していた。
「オレも負けてらんねぇな!」
ログはそう叫ぶと向かってくるザクUのコクピットを的確に射撃して撃破して行った。
普通に考えて勝ち目のない作戦だが、現実は逆にMS4機の小隊の方がすごい勢いで基地の防衛MSを撃破している。
そして、激戦のなか朝日が昇り視界が明るくなる。
「グフかっ!?」
基地内から十数体のグフが出撃してきた。
「グフに対しては接近戦はまずいか。」
アーツはそういいながらも、マシンガンでグフを1機撃破した。
「私は射撃より近接戦闘の方が得意なのよ!」
フレイアは、相手がグフでも接近戦で撃破していった。
ログはザクUもグフも関係なく効率よく撃破している。
その中でもクルスは他の仲間の1、5倍ぐらいのスピードで撃破している。
MSが全機出撃されたらしく、出てこなくなった。
「!マシンガンの弾切れか?・・・リロードの暇はないな。接近戦だ!」
クルスは両手にビームサーベルを持ち、敵機の固まっている所に突撃して行った。
ザクUが1度に5、6機襲い掛かってきてもクルスは全て回避し、反撃で撃破する。
「チッ!弾切れかっ!」
ログは叫んで、接近戦に切り替える。
アーツは右腕のマシンガンで攻撃しながら、左腕で逆方向のザクUを撃破している。
フレイアは切りかかってくるザクUやグフの攻撃を回避し、同時に反撃してMSを撃破していっている。
敵機の数が減り、少し落ち着いてきた頃
「ドム!?」
クルスは戦闘しながら、ドムが出てくるのを確認した。
「1機だけ?・・・となると、隊長機ってことか?」
ドムはクルスの方に近づいてくる。
「ターゲットはオレか・・・相手になってやるぜ。」
クルスは弾切れしているマシンガンのマガジンをとりかえ、リロードした。
「来いっ!!!」
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第3話 本気