第3話 本気
クルスはヒートホークで斬りかかってくるザクUをなぎ倒しながら、進み出た。
そしてマシンガンをドムに向け、引き金を引いた。
薬莢が飛び散り、弾丸がドムに降り注ぐ!
ドムはジムコマンドを中心に弧を描きながらマシンガンの弾を避ける。
クルスのジムコマンドとドムは激しく撃ち合い、互いに避けるを繰り返す。
クルスは、右手にビームサーベルを左手にマシンガンを持ち、直進しドムに斬りかかる。
ドムはヒート剣で受け止め、ジャイアントバズの銃口をクルスに向けた。
だが、クルスはその銃口の中にマシンガンを向け、数十発撃ち込み、爆発させる。
ドムが空いた手でクルスのマシンガンを叩き落とす。
「なかなか、やるじゃないか。」
クルスは呟き、ビームサーベルで斬りつける。
ドムもヒート剣で斬り返す。
数回それを繰り返し、クルスとドムが離れる。
次の瞬間、2機とも斬りつけあった。
クルスはすれ違う時に、姿勢を低くし、ヒート剣をかわしながら、ビームサーベルで斬った。
ドムは腹部を横に切断され、爆発した。
それで任務が終了した。
「よし、任務完了だ。ミデアとの合流地点に向かうぞ。」
クルスが言い、全員がそれに従った。
しばらく移動して、フレイアが喋った。
「レーダーに反応があるわ!」
レーダーにはミノフスキー粒子のせいで点滅はしているが端の方にMSの反応が8機あった。
「気づかれてると思うか?クルス。」
アーツが言う。
「距離的に、レーダーギリギリだ、その可能性は低いと思うが・・・」
クルスはレーダーを見ながら答えた。
レーダー上の反応は、少しずつ近づいてくる。
「近づいてきたぞ!どうするんだ?」
ログが声を上げた。
「全機、状況は?」
クルスが言った。
「マシンガンの弾はもう無い、マガジンも。エネルギーは・・・キツいな・・・。」
「マガジンは1つ残ってる。エネルギーはオレもダメだな・・・。」
アーツとログが答える。
「マシンガンはまだ使えるわ。マガジンも3つあるし。エネルギーは少ないから・・・。」
フレイアは接近戦が主だったため、マシンガンの弾はまだ残っていたのである。
「そうか、なら・・・ログ、マガジンをくれ。フレイア、援護を頼む。」
「まさか、一人でやる気か!?」
ログがマガジンを渡しながら言う。
「エネルギーがまだあるからな。」
クルスが答えた。
「援護は任せて。」
フレイアが言い、クルスはうなずく。
「ログ、クルスの本気、見とけよ。」
アーツが少しニヤけながら言った。
クルスがMSの中に飛び込んでいく。
残った3機は、前進して戦闘が見えるところまで行った。
「・・・」
ログは何も言えなかった。
そこに着くまでの時間は1分程度だったが、クルスはその間にグフを接近戦で既に4機撃破していた。
だが、さすがに無傷ではなかった。
直撃ではないものの、ショルダーアーマーが欠け、ところどころにヒートロッドやヒートソードがかすった後があった。
また、クルスが1機撃破した。
しかし、後ろから迫るグフがいた。
「援護いきますっ!」
フレイアはマシンガンの弾をバックパックに浴びせ、撃破させた。
その間にもクルスは1機撃破していた。
最後の1機はフレイアがヘッドユニットを破壊したところをクルスが斜めに斬り撃破した。
「・・・すげぇ・・・」
ログが言う。
「だろ?」
アーツが返す。
「さぁ、行くぞ。」
クルスが言う。
「クルスは本気になるとMSをすぐに壊しちまう。」
アーツがログにのみ回線を開いて喋る。
「なぜ?」
ログが訊く。
「MSの反応速度を超えるんだよ。中身がやられちまう。」
アーツが答える。
「だから、ガタがきてるってことか。」
ログが納得した。
「この小隊のメンバーもたまに超えるが、クルスはそれ以上だ。」
「だから新型がほしいって訳か。」
「まぁ、それぐらいの腕がなければ特殊部隊の任務はキツいんだ。」
アーツはそういって回線を閉じた。
「そういや、オレも一度MSの動きが遅く感じた時があったな・・・・」
ログが呟いた。
「陸戦型GMよりは反応速度が速いな・・・これなら少しはいいか・・・」
クルスは独り言を言って現在の位置と合流地点の場所を確認した。
あまり遠くは無い、少しすればつくだろう。

しばらくしてミデアとの合流地点に着き、回収された。
朝、早いうちに出撃して、夕方になって帰還した。
「疲れただろう。任務が入るまで休め。」
艦長が言い、皆がこれに従い部屋に入って行った。
長時間の戦闘で全員が疲れていた。
特にクルスは・・・・・

翌日。
「艦長、任務は?」
ついさっき起きたらしく、あくびをしながらクルスが入ってきた。
「ああ、入ったぞ。局地戦になりそうだ。」
艦長が答える。
「どういうことだ?」
「次の任務は海に面した基地を叩く。つまり、水中戦になるってことだ。」
「わかった。ジムコマンド、水中は大丈夫なのか?」
「今、水中でも戦えるよう防水処理させてるよ。」
「そうか、わかった。」
「そろそろ、出撃の用意を始めてくれ。」
「了解。」
クルスはそう行ってデッキを後にした。
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第4話 クルスvsエクス