第11話 一人一人の激戦
「レーダーに反応!MSが6機!」
「来たか、出撃だ!」
グレンが言い、全員が従う。

「強化人間はどうするつもりだ?勝てるのか?」
「分からない・・・やるしかないがな・・・」
エクスが言い、クルスが応える。
クルス達はブーストをかけてグレンの部隊に向かっていった。
「新型を用意したか!?」
エクスがmk−Uプラスを見て呟く。
グレンがエクス機に向かい、ライフルを連射する。
エクスは避けながらライフルで反撃する。
「やっぱり、ハウトかっ!!」
シェイドが斬りかかってきたmk−Uプラスのサーベルを受け、接触回線を通じて言った。
「シェイドっ!今度は負けないっ!」
ハウトが一言返し、シェイドを弾く。
弾かれたシェイドはライフルを撃ちながらハウトの頭上に弧を描く様に旋回する。
「!?前と・・・違う!?」
ハウトが対応に遅れ、ギリギリで避けたが、シールドの内側に当たり、シールドが外れた。
シェイドがハウトの真後ろに来たところで方向を変えて左に旋回しながらライフルを連射する。
ハウトが上方向にブーストをかけて避ける。
「アーツっ!!」
「ラインっ!!」
サーベルをぶつけ合い、同時にお互いの名前を叫びあう。
激しくサーベルをぶつけ合う。
「フォールっ!?」
「今度こそっ!!」
フレイアとフォールもサーベルをぶつけ合う。
全員が1対1の状況である。
1つの戦闘を除けば・・・
「キルっ!!」
クルスが斬りかかり、キルが受ける。
「クルスっ、援護するよっ!!」
シルフは、クルスとともにキルに攻撃を仕掛けている。
キルは2人の攻撃をかわし、反撃する。
クルスとシルフはシールドで受ける。
キルの攻撃を避けきれないためである。
「くそっ!強いっ!こんな短期間に、なんで!?」
ハウトがライフルを乱射しながら呻く。
シェイドがライフルのビームの間を避けながら接近してくる。
ハウトが弾切れになったライフルをシェイドに投げ、右方向に旋回する。
シェイドがライフルをバルカンで破壊し、ハウトの方を向く。
ハウトが斬りかかり、シェイドが受ける。
シェイドがツインアームビームガンでハウトの左腕を撃ち抜く。
左腕が爆発し、ハウトの機体が右方向にずれる。
「あぐっ!!」
シェイドがツインアームビームガンの照準をコクピットに合わせる。
ハウトがそれに気づき、背面方向に避ける。
放たれたビームはハウトの右足の甲の当たり、右足が吹き飛ぶ。
「当てられない!?」
ハウトが呻く。
シェイドのサーベルをハウトが受ける。
「強くなったな・・・シェイド。」
「ふっ切れただけさ・・・」
「悩みが解消されたってことか?」
「まぁね、ハウトはなんでティターンズに?」
「さぁ、なんでだろ?軍人に憧れてたんだろうな、気がついたらティターンズの特殊部隊に配属されてた。」
「今は、どう思ってる?」
「この部隊のやりかたに文句はない。けど、ティターンズには疑問があるな・・・前の連邦のが良かったな。」
サーベルがぶつかるたびに交互に会話していく。
「抜けようと思ってるんだ、ティターンズ。シェイドに勝ち目もないし、逃がしてくれるか?」
ハウトが言う。
「いいよ、ハウト、悪人じゃなさそうだし。」
「オレもおまえ、嫌いじゃないな。むしろ、友人として会いたかったな。また、会いたいな、戦争が終わって、友人として・・・」
「そうだね・・・会えるといいな・・・じゃ、逃がすために頭部壊すよ。生き延びて、今度は友人として会おう。」
シェイドがハウトの頭部をツインアームビームガンで撃ち抜く。
「ハウト、撤退する。」
ハウトが戦闘空域から離脱していった。
「よし、クルスを手伝おう。」
シェイドがクルスの方に向かっていった。

フレイアがフォール機の左腕を斬りおとす。
同時にフォールがフレイアの機体の右足を撃ち抜く。
「まだまだっ!!」
フレイアがフォールのmk−Uプラスの左足をツインアームビームガンで撃ち抜く。
「なんのっ!!」
フォールがフレイアのγガンダムの左肩を撃ち抜き、左腕を爆発させる。
同じ方向に旋回しながらライフルを撃ち合う。
フレイアのライフルが弾切れになり、サーベルで斬りかかる。
フレイアがフォールを弾き、ツインアームビームガンを撃つ。
そのビームはフォール機の頭部を破壊した。
「くぅっ!!」
フォールがライフルを乱射する。
「きゃっ!!」
そのうちの1発がフレイア機の左足の膝の間接に命中した。
フレイアが斬りかかるが、フォールがなんとか受けた。
しかし、ぶつかったままのフレイア機のツインアームビームガンはコクピットを狙っていた。
「ごめんなさいっ!!」
フレイアのツインアームビームガンがビームを放った。
「あっ!?」
フォールは輝く閃光の中で消滅した。
「エネルギーも残り少ないし、クルスの援護はできそうにないわね・・・」
フレイアはメインカメラをクルスの方に向け、観戦することにした。

「くっ!さすがだな!」
アーツが呻く。
左足を膝から失った状態のラインのmk−Uプラスが接近しながらライフルを連射してくる。
アーツも左腕をやられている。
下方向に少し機体をずらし、ラインの機体がぶつかる直前にラインの機体の下に滑り込む。
そして、右足でmk−Uプラスのボディを蹴り上げる。
「ぐぅっ!!」
衝撃がラインを襲う。
すかさずツインアームビームガンとライフルを連射するアーツ。
ラインがシールドで防ぐ。
そこにアーツが斬りかかり、左腕とシールドを破壊する。
「ただでやらせるかっ!!」
右腕のライフルをγガンダムの頭部に押し付け、トリガーを引く。
γガンダムの頭部が吹き飛び、コクピットに衝撃が走る。
「ちっ!!」
サブカメラに切り替える。
ラインがサーベルをコクピットにめがけて突き刺そうとする。
「っ!!」
アーツがラインより早くサーベルを横に振る。
サーベルはmk−Uプラスの腰を横に切断した。
「ぐぁっ!!」
mk−Uプラスはバランスを崩し、攻撃ができなかった。
そのまま、アーツはしたからサーベルで斬り上げてmk−Uプラスを爆発させた。
「負けたよ・・・アーツ・・・」
薄れゆく意識と、激しい爆発のなかでラインが呟く。
「ライン・・・あんた強かったぜ・・・」
息を切らしながら言う。
ラインのmk−Uプラスは残骸と化し、ラインも事切れた。
「これじゃあクルスの援護は無理だな・・・」
アーツもフレイア同様、カメラをズームしてクルスの戦いを見始めた。

「mk−Uプラスでもほぼ互角か・・・」
グレンが呟く。
エクスもグレンも右腕、右足を破壊され、ところどころにビームがかすり、装甲がはげている。
グレンがライフルを撃つのと同時にエクスもツインアームビームガンを撃つ。
2とも左足の太腿に命中した。
「特殊部隊の隊長だけはあるな!!」
エクスがビームを連射し、グレンも反撃でライフルを連射する。
お互いにエネルギーが無くなり、接近して斬り合う。
サーベル同士が激しくぶつかり合い、火花を散らす。
「バルカンが・・・まだ残ってる・・・」
エクスがヘッドバルカンを撃ち、それがグレン機のメインカメラに当たった。
「しまった!!」
グレン機がサブカメラに切り替える。
エクスがサーベルで斬りかかる。
グレンは右方向に回避し、バックパックを斬りつける。
エクスは頭部を中心に逆上がりの様に回転し、グレン機の背後にまわった。
そのままサーベルを振り、バックパックを斬りつけた。
グレンのmk−Uプラスの背中が爆発し、前に押し倒される様に吹き飛んだ。
「ぐはっ!!」
衝撃がコクピットを揺らす。
振り向くグレン。
エクスが突っ込んでくる。
2人ともサーベルで突き刺しあった。
グレン機のサーベルはエクス機の頭部を破壊した。
エクス機のサーベルはグレン機のコクピットに深く突き刺さっていた。
グレン機のサーベルからビームが消え、mk−Uプラスが爆発する。
「はぁ・・・・はぁ・・・・」
エクスはノーマルスーツのヘルメットを脱ぎ、腕で汗を拭った。
「クルスは・・・どうなってる・・・?」
エクスがクルスの方を向いた。
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第12話 クルス