第4話 クルスvsエクス
「艦長、任務の目的は?」
ジムコマンドのコクピットでクルスが聞いた。
「基地で新型MSが造られているらしい。その新型の情報の確認と、事実の場合は破壊。これが任務だ。」
「わかった。」
「武器のセットは済んだか?」
「ああ、180mmキャノン、ミサイルランチャー、ロケットランチャー、持てるだけ持った。」
クルスはバックパックの方をコクピット内から見た。
バックパックの右側に180mmキャノンが、左側にロケットランチャーをだいぶ強引に装備されている。
ミサイルランチャーは右手に装備され、マシンガンは腰の後ろに付けられている。
「よし、全機出撃!」
クルスが呼びかけ、全員が応じ、出撃して行った。
「新型なんてほんとにあるのか?」
アーツが言う。
「それを確かめるのが今回の任務だろ?」
ログが答える。
「そろそろ敵基地のレーダー域に入るわよ!」
フレイアが割り込んだ。

「レーダーに熱源探知!MSです!」
基地の管制室の兵士が叫んだ。
「連邦に漏れていたのか・・・・」
基地の司令と思われる士官が呻いた。
「MS隊を出せ!」
士官が叫ぶ。
「ったく、そんなに大きな声出さなくたって聞こえてるよ。」
エクス・クライドがグフに乗りながら呟いた。
エクスがコクピットのハッチを閉めながらレーダーを見る。
「MSがたった4機!?死にに来たのか?」
エクスはそう言うと出撃した。
実際、基地にMSが4機で攻撃をかけてくればこう思うだろう。
大きな基地であればなおさら。
「待てよ、こいつら囮か?」
一瞬そう思った。
だが、相手は特殊部隊、それを知らないエクスは外にでてMSの戦いぶりに唖然とした。
たった4機のMSが倍以上のMSと平気でやりあっているのだ。
「違うな、囮なんかじゃない!」
エクスはそう言って、戦闘の中に突っ込んでいった。

「そこだっ!」
アーツは叫び、ロケットランチャーのトリガーを引いた。
それはザクUに命中し、爆発した。
「(ここのパイロットは訓練されてるな今までのとは少し違う・・・)」
フレイアはそう思いながら、ザクUのコクピットブロックをミサイルランチャーで爆破していた。
ザクUの攻撃をかわしながら、ログはミサイルを撃ち、撃破する。
クルスはMSを撃破しながら基地に近づいていく。
「っ!?」
クルスは、後ろにステップした。
次の瞬間、ステップ前いた位置にヒートロッドが跳んできた。
「かわされた!?」
エクスは少し動揺した。
クルスはヒートロッドのとんできた方を向いた。
そしてグフに向かってミサイルランチャーを全弾発射する。
「っ!こんなものっ!」
エクスは機関砲でミサイルを4発撃ち落とし、残りの2発を避けた。
が、基地にそのミサイルが当たった。
「エクス少尉!ミサイルが基地に当たってる!何をやっている!」
エクスに士官が怒鳴る。
「戦場なんだよ!完全に防げる訳ないだろうがっ!それともオレに盾になって死ねってことかっ!?」
エクスが士官に対して反論した。
「そんな事は言ってないだろ!」
「同じだろ!戦闘してんだよ!こっちは!」
エクスが叫ぶ。
その間にクルスはザクUを数機撃破していた。
「あいつ、やるな・・・」
少し冷静になってエクスが呟く。
「だが、そう簡単には進ませないっ!」
エクスのグフがクルスの正面に出る。
「っ!」
クルスが左腕でサーベルを抜き、横に斬る。
エクスのグフがジャンプし、サーベルを避け、空中でクルスのジムコマンドにヒートロッドで攻撃をする。
クルスがそれを右にステップし、避ける。
エクスが着地した瞬間にクルスがミサイルを放つ。
エクスがミサイルを機関砲で爆破させる。
その爆煙のなかからクルスが飛び出し、エクスのグフに斬りかかる。
エクスは左にステップし、回避して、クルスのジムコマンドを機関砲で攻撃する。
クルスは振り向きながらジャンプし、エクスのグフに残りのミサイルを全弾撃つ。
エクスはクルスのジムコマンドを中心に円を描くように廻り込みながらミサイルを避け、機関砲を撃つ。
クルスは機関砲の空中で弾を巧みにかわし。弾切れになったミサイルランチャーをエクスに投げつけた。
エクスはヒートソードを抜き、ミサイルランチャーを斬り、爆破した。
「こいつ・・・やるじゃん・・・」
エクスは自分でも息が上がってるのがわかった。
「・・・エースパイロットか・・・・」
クルスも息を切らしながら呟いた。
「っ!!」
二人ともほぼ同時に斬りあい、火花を散らした。
「聞こえてるか!?連邦!」
「接触回線!?こんな時にか?!」
「名前、知りたくなってね!オレはエクス・クライド少尉だ!」
「クルス・ブランド少尉だ。」
「アンタ、強いぜ!」
「オマエこそ!」
数秒の会話をし、一度退がり、また斬りあう。
その場で止まり、ビームサーベルとヒートソードで何度も斬りあい、ぶつかりあって火花が散る。
「っ!」
クルスのビームサーベルがエクスのグフのショルダーアーマーにかすった。
「クルスの後ろ!?」
エクスは、クルスの背後に迫るザクUが見えた。
「・・・クルス・・・アンタの負けだ・・・」
エクスはそう思った。
「!!」
だが、クルスはレーダーに写ったMS反応を見逃さなかった
。 「後ろっ!甘い!」
クルスは振り向きざまにサーベルを振り下ろし、ザクUを両断した。
「な・・・」
エクスは何も言えなかった。 クルスがエクスの方に向き直り、それと同時にサーベルで攻撃してきた。
それに気づき、エクスがヒートソードで受ける。
「っ!」
火花が散る。 しかし、今度はそれで終わらなかった。
クルスは右腕にサーベルを持ち、縦に斬った。
エクスはシールドで受けたが、2、3秒しか持たず、あっさりと左肩を切断された。
だがエクスもそれで終わらず、ヒートソードを持っていながら、ヒートロッドを出し、クルスのジムコマンドの左腕を落とした。
「くっ・・・・」
エクスは基地の中に撤退した。
「どういうつもりだ・・・エクス?」
クルスは呟いた
小説トップへ
第5話 新型との戦闘