第6話 過去と現在
「・・・オレが連邦のパイロットになって実戦部隊に配属された頃・・・」

その頃、連邦はMSを投入し始めた頃だった。
オレのいた部隊はMSがはやくまわされ、前線で戦っていた。
その時はオレはまだ新兵だった。
部隊の人とも親しくなっていった、特に部隊の隊長とは・・・・。
そして何度目かの出撃・・・・
大部隊同士の戦闘で、敵も味方も消耗していた。
「状況は?」
厳しい、という意見が多かった。
「クルスは?」
「戦闘続行はすこし厳しいけど、まだやれます!」
「そうか、撤退する」
「今退いたら体勢を立て直されます!」
そう言ってオレは敵に突っ込んでいった。
味方は撤退を始め、オレが的なってしまった。
多数のザクUが同時に攻撃し、回避で精一杯になり、身動きが出来なくなってしまった。
一機のザクUが斬りかってきた。
「っ!しまっ・・・」
「クルスっ!!」
次の瞬間、隊長がオレをかばってザクUに左腕を斬られた・・・・
「!!・・・・隊長・・・・」
「クルス・・オマエは生きろ・・オレの分まで!行け!撤退しろ!その時間はオレが稼ぐ!」
「隊長・・・・!」
「早く行けっ!」
オレは撤退し、隊長は戦死・・・・・
それからオレは腕を上げ、戦い抜いてきた。
そして、この特殊部隊に配属された。

「・・・・・その時の事を思い出しただけさ・・・・・」
「そんなことが・・・」
フレイアが言う。
「その時はまだ未熟だったのさ・・・」
クルスが答え、部屋に入った。

翌日になり、クルスがMSデッキに来た。
「修理はどうなってる?」
「一応終わりました。」
メカニックの一人が言う。
「なら、出られるか?」
「出撃はできますよ。」
「わかった。」
そういってクルスはブリッジに行った。
「艦長、次の補給はいつなんだ?」
「早くて三日後だが。」
「任務は入ってるか?」
「いや、今のところはないな。」
「そうか。」
クルスはそう言って自分の部屋に戻った。
久々に暇な時間が出来た。

「全員、ブリッジに来てくれ!」
艦長が言う。
「どうした!?艦長。」
クルスが言った。
「補給部隊が交戦している、おされ気味でいつ全滅するかわからん。」
「助けに行くんだな?」
ログが来て言った。
「そういうことだ。出来る限り急げよ!」
「了解!」
そう言って全員MSデッキに向かい、出撃していった。

「そろそろ視界に入るはずだ!」
クルスが言い、スピードを上げる。
「見えた!」
ログが呟く。
そこにはドム7機とジム3機が交戦し、ジムは避けるだけになっていた。
「この距離なら・・・ロケットランチャーだな。」
クルスがロケットランチャーを構え、撃つ。
その弾は、1機のドムのバックパックに命中し、爆発した。
3機のドムが振り返る。
クルスはその3機の上を飛び越え、友軍のジムの側に降りて残りのドム3機を見た。
クルスがビームサーベルを抜く。
ドムは散開し、クルスに3方向から攻撃を仕掛ける。
正面はジャイアントバズ、左右はヒートサーベルによる攻撃である。
クルスはジャイアントバズを右にステップして避け、右のドムを斬った。
左側から斬りかかるドムをヒートサーベルを振る前に斬る。
次に正面のドムに向かってブーストで接近する。
ドムがジャイアントバズを撃つが、クルスは体勢を低くして避け、そのままコクピットを切断した。
アーツは180mmキャノンでドムを1機撃破、ログはマシンガンで1機撃破、フレイアもサーベルで残りの1機を撃破していた。
「補給部隊の被害は?」
クルスが補給部隊に通信をかける。
「積荷は無事だ、戦闘に参加していたMSは多少被弾しているが問題ない。」
補給部隊の艦長が答える。
「ミデアが来たみたいだ。」
アーツが言い、全員振り返る。
クルス達はミデアに戻り、補給を受けた。
「あれが新型か?」
ログがメカニックに聞いた。
「いや、新型はここで改造して造るんだ。」
「どうやって?」
「陸戦型ガンダムがあるだろ、アレとジムカスタムを組み合わせる。」
「出来るのか?」
「ベースは陸戦型ガンダム、そこにジムカスタムのパーツとかを増設したり、交換したりするんだ。」
「へぇ・・・」
感心するログ。
「新型が完成したら、陸戦仕様ゲルググを叩くのか?」
艦長にクルスが訊く。
「そうなるだろうな・・・何か問題があるのか?」
「いや、あの陸戦仕様ゲルググのパイロット、手強かった・・・完成しているとすれば厄介だ・・・・」
「・・・性能は互角にはなると思うが?」
「互角か・・・あとはオレの腕次第、か・・・」
「おまえなら勝てる」
「ふふ・・ありがとう、艦長。」

「陸戦仕様ゲルググは完成したのか?」
エクスが訊く。
「もう少しかかります。」
「出来る限り早く頼むぞ。いつまた攻撃してくるかわからんからな・・・」
「ハッ!」
エクスは部屋に戻った。
「クルス・・・手強い相手だな・・・」

1週間ほどクルス達特殊部隊に任務がなく、平和な時間が過ぎた。
「クルス!」
「・・・・?」
クルスはベッドから起き上がり声の方を見た。
「フレイアか・・・・」
「新型、完成したって!」
「!!わかったすぐに行く!」
クルスは着替えてMSデッキに向かった。
「来たか、クルス。アーツとログもすぐに来る。」
艦長が言った。
「新型、出来たのか?」
クルスが訊く。
「ああ、出来た!」
艦長が答える。
そこにアーツとログが来た。
「新型、陸戦型ガンダムカスタム、『バーストガンダム』だ!」
メカニックが言う。
「最終チェックは?」
アーツが訊く。
「終わってるよ。」
メカニックが答える。
「よし、出るぞ!敵の新型を叩く!」
クルスが言う。
「了解!」
クルス、ログ、フレイア、アーツ、それぞれがバーストガンダムのコクピットに座る。
「第18特殊部隊、出撃!!」
クルスが叫び、全員が出撃していった。
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第7話 激戦