第7話 激戦
「良い機体だな。」
アーツが呟く。
「今回の任務は敵もかなりの戦力を投入してくるだろう。陸戦仕様のゲルググも何機か出てくるかもしれない。」
クルスが言う。
「それに対し、こっちは増援は無し。」
ログが応える。
「孤独な戦争ね・・・。」
フレイアが続けた。

「レーダーにMS反応!戦闘配置につけ!MSも全機出撃させろ!」
ジオン軍の基地の司令官が叫んだ。
「来たか・・・クルス!」
エクスがMSに乗りながら呟く。
「『ゲルググU』、エクス・クライド、出るっ!」
完成した陸戦仕様ゲルググの愛称のようである。
エクスが出撃する。
「装備、全て使用可能だな・・・。」
エクスが呟く。

「いくぞ!全機散開!」
クルスが叫ぶ。
クルス達が散開して攻撃し始める。
「そこだっ!」
アーツがザクUを撃破する。
「っ!?ゲルググっ!?」
1機のゲルググUがアーツに向かってきた。
「量産されているのか!?」
アーツは後ろの方にもう1機のゲルググUがログの方に向かって行くのが見えた。
「舐めてかからない方が良さそうだな!全力で行くぜ!」
アーツが右手にミサイルランチャー、左手に180mmキャノンを構え、トリガーを引く。
ゲルググUがミサイルランチャーをかわし、180mmキャノンをシールドで防いだ。
「さすが新型、腕もいいな!」

「ゲルググ!?なるほど、こっちの数と合わせたか!」
ログが言い、マシンガンを撃つ。
ゲルググUが回避する。
ログがマシンガンを撃ちながらゲルググに近づく。
ログがサーベルを抜き、ゲルググを斬りつける。
ゲルググUがビームサーベルを抜き、受ける。
「なかなかやる!」

「新型!?」
フレイアの方にもゲルググUが向かってきた。
「いくよっ!」
フレイアがサーベルを抜き、斬りかかる。
ゲルググUもサーベルを取り、応対する。
「!今までのとは違う!」

「!完成してたか・・・」
クルスが向かってくるゲルググUを見て呟いた。
「行くぜ!エクス!」
クルスがサーベルを抜き、ゲルググUに斬りかかった。
ゲルググUが受ける。
「さすがだな、クルス!オレが来るまでに10機以上も撃破するとは!」
「エクス!」
クルスとエクスがサーベルをぶつけ合う。
エクスがクルスの後ろに回り込もうとする。
クルスが振り向きながら後ろにさがる。
「あの新型、ゲルググUと張り合えるのか!?」
エクスが呟く。
クルスが突撃し、エクスが受ける。
「ゲルググは破壊させてもらう!」
クルスが言い、エクスを弾く。
「やってみな!」
エクスが返し、サーベルを持っていない左腕でマシンガンを撃つ。
クルスが回避し、マシンガンを撃ち返す。
エクスがジャンプし、ビームライフルを取り、撃つ。
クルスが後ろにステップして避ける。
エクスが上からサーベルでクルスに攻撃を仕掛ける。
「っ!!」
クルスがサーベルで受ける。
エクスがサーベルをぶつけたままビームライフルをクルスに向け、トリガーを引く。
クルスはエクスの攻撃をサーベルを払うようにして受け流し、体勢を低くしてエクスとすれ違うようにステップしてビームをかわした。
「ぐぅっ!」
エクスがバランスを崩し、倒れる。
クルスがそこに斬りかかる。
エクスが倒れたままサーベルで受け、クルスを弾く。
そして背面方向にブーストをかけて大勢を立て直す。
「ふふ、味方にしたいくらいだ。」
エクスが呟く。
エクスがマシンガンとビームライフルを持ち、撃つ。
クルスがシールドを巧みに使って避けながら近づく。
エクスが右手のマシンガンをサーベルに持ち替える。
クルスが斬りつけ、エクスが受ける。
「この戦争、ジオンは負けるぞ!」
クルスが言う。
「だとしても、オレは戦う!」
「なぜ!?ザビ家は独裁をしようとしているんだぞ!?」
「ザビ家は関係ない!オレは連邦に恨みがあるんだ!」
「何っ!?」
サーベルがぶつかり合い、火花を散らす。
「オレが軍に入る前、連邦とジオンの戦闘で友人が連邦の攻撃に巻き込まれて死んだ!」
「それが理由か?」
クルスが斬り直し、エクスが受ける。
「そうだ!」
エクスがクルスを弾く。
「エクス・・・」
クルスがマシンガンを撃つ。
エクスが回避しながらビームライフルで撃ち返す。
クルスのバーストガンダムの左肩をビームがかすめる。
クルスが左手のマシンガンをビームライフルに持ち替えて撃つ。
エクスが避ける。
クルスがブーストをかけてエクスに接近し、斬りつけ、エクスが受ける。
「憎しみは憎しみを増やすだけだ!」
「何が言いたい!?」
「オマエだって市街地戦をしたことがあるだろう!それで同じことをしていたらどうするんだ!?」
「ならクルス、オマエだってそうだろう!」
エクスが斬り返す。
「オレは市街地戦の時には民間人のいないところで戦っている!」
「・・・(こいつの腕なら確かに民間人に被害を出さずに戦闘できるかもな・・・・)」
クルスが斬り返す。
エクスがクルスを弾き、ビームライフルを連射する。
「っ!!」
クルスがエクスに対し回り込むように避けながらビームライフルを連射する。
エクスも同じようにしてクルスと円を描くように回り込み合いながら撃ち合う。
1機のザクUが割り込んみ、クルスに斬りかかった。
クルスがザクUをライフルで貫く。
エクスがそのザクUの後ろからクルスの正面に飛び出し、斬りつける。
クルスがステップで左に避け、エクスのゲルググUのバックパックを斬りつける。
エクスは振り向きながらサーベルで受ける。

「くらえ!!」
アーツが叫びゲルググUのコクピットに近距離で180mmキャノンを撃ち込む。
轟音とともにゲルググUが爆発した。
「まさか、こんなにてこずるとは・・・」
アーツが呻く。
アーツのバーストガンダムは左腕を損傷し、右足と右腕の装甲の一部がはがれていた。
「ん?・・・あのゲルググ、クルスと張り合ってるのか!?」
アーツがクルスとエクスの戦闘を見て言った。

「はぁっ!!」
フレイアがゲルググUの腹部を横に両断する。
ゲルググUが爆発した。
「こっちも新型使ってたのにここまでやられるなんて・・・」
フレイアのバーストガンダムも右のショルダーアーマーがはがれ、装甲もだいぶはがれていた。
「あのゲルググ・・・クルスと互角に戦ってる!?」
フレイアも戦闘を見て呟いた。

「うおおおお!!!」 ログも丁度ゲルググUのボディにサーベルを突き刺し、撃破していた。
ログのバーストガンダムも被弾し、だいぶ装甲がはがれていた。
「みんな無事なのか?・・・クルスとやりあえる奴もいたのか!?」
ログが呟く。

「準備は出来たか!?」
基地の司令が言う。
「あと少しかかります。」
「そうか、わかった。」
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第8話 激闘の末に