第8話 激闘の末に
円を描くように回り込みあいながらビームライフルを撃ち合うクルスとエクス。
「追いついてきたっ!?」
エクスが呻く。
クルスがエクスのゲルググUの移動先にライフルの狙いを合わせる。
クルスのバーストガンダムの撃ったビームの閃光がエクスのゲルググUの左のショルダーアーマーを貫く。
「うっ!!」
エクスは体勢を右側を前にして横にするような感じで回避し、ショルダーアーマーがはがれただけだった。
「ビームライフルのエネルギー切れ!?」
エクスが呟く。
クルスがビームライフルを撃ち、エクスがビームライフルを投げて盾にする。
エクスのビームライフルが爆発する。
爆煙の中からエクスが飛び出し、サーベルで斬りつける。
「っ!」
クルスのバーストガンダムが右にステップするがエクスのサーベルが左肩をかすり、ショルダーアーマーがはがれる。
クルスが後退しながらビームライフルを構えた。
エクスが追いながらビームライフルをサーベルで斬る。
ビームライフルが爆発する。
エクスが爆煙の中に突っ込む。
「何っ!?」
爆煙の向こう側にクルスはいなかった。
「!レーダーには確かに目の前に・・・!!」
エクスが上を見上げる。
上空でクルスが構えた180mmキャノンをエクスに向けて撃つ。
エクスが横にステップして回避する。
クルスが180mmキャノンを連射し、エクスが弾の間を縫う様に避ける。
クルスが着地すると同時にエクスが斬りかかり、クルスがサーベルに持ち変えて受ける。
「まさか上とは、やるな!」
「おまえこそ!かわせるとは思ってなかった!」
サーベルをぶつけ合う。
クルスがエクスを弾き、弾かれたエクスに180mmキャノンを撃つ。
「くぅっ!」
エクスがなんとか避ける。
そこにクルスが斬りかかり、エクスがステップして避ける。
振り向きながら180mmキャノンを構えるクルス。
だが、振り向いた瞬間、エクスが斬りかかっていた。
「!!」
クルスは避けたが、180mmキャノンが破壊された。
エクスがマシンガンを撃つ。
「ぐっ!!」
クルスに何発があたったが、装甲が少しへこむ程度だった。
回り込みながらクルスもマシンガンを撃つ。
「うっ!!」
エクスも何発かあたったが、やはり致命傷にはならず、装甲が少しへこむだけだった。
クルスが斬りかかり、エクスが受ける。
弾きあい、両方とも間合いをとる。
エクスが斬りつけ、クルスが受ける。
クルスが斬り返し、エクスを弾く。
「エクスっ!!」「クルスっ!!」
二人同時に言い、一騎打ちになった。
「うぁっ!!」
クルスのバーストガンダムの左腕が爆発した。
「ぐぁっ!!」
エクスのゲルググUも左腕が爆発した。
「くっ、同じところをやるとは・・・」
エクスが呻く。
「いっきに叩く!」
クルスが斬りかかる。
「させるかぁ!」
エクスが対抗する。
ビームの閃光が散る。
バーストガンダムの右太腿をかすり、装甲がはがれる。
ゲルググUは右足が吹き飛ぶ。
「っ!!バランサーにあたったか!?」
クルスが呟く。
「なっ!!直撃っ!?」
エクスが呻く。
「まだだっ!」
エクスが斬りかかり、クルスが受ける。
「クルス。おまえ、なんの為に戦っている?」
エクスがクルスに訊いた。
「戦争を終わらせるため、それと・・・」
「・・・?」
「生き残るため。」
「!?生き残る・・・ため・・・?」
「ああ、オレはオレを生かしてくれた人に報いるために生き残る。」
「ならば戦わなければいいだろう!?」 「言っただろ?戦争を終わらせるためだ。」
「そうだったな・・・」
クルスがエクスを弾いた。
エクスがマシンガンを乱射する。
「カメラを狙っている!?」
クルスが動き回り回避するが、左目のあたりに一発あたり、視界が悪くなる。
「ちっ、弾切れか・・・」
エクスがマシンガンを投げ捨てる。
かわりにクルスがマシンガンを連射する。
「くっ、なんて正確な射撃だ。確実に狙いが近づいてくる!」
ゲルググUのモノアイの稼動範囲内にも1発あたり、ディスプレーにノイズが走る。
「くっ、弾切れか。」
クルスがマシンガンを捨てる。
クルスとエクスが斬りあい、サーベルをぶつけ合う。

「準備はどうだ?」
基地の司令が言った。
「完了しました。いつでも使えます。」
「よし、敵小隊全機が攻撃範囲に入るように照準をあわせろ。」
「しかし味方が!」
「かまわん!ここでこの基地がやれるわけにはいかん!」
「りょ、了解。」
基地の外壁の一部が開き、中から大型メガ粒子砲が出てくる。
口径が大きく、現在のクルス達の位置はほぼ一直線になっていて、全員が射程内に入っていた。

「何!?」
アーツがメガ粒子砲に気づいた。
「えっ!?」
フレイアがメガ粒子砲に気づく。
「っ!!」
ログも気づいた。

「この状況でよくやる!」
「そっちこそ!」
クルスとエクスのMSはボロボロになっていた。
クルスは左腕を破壊され、右足を一部損傷し、カメラも一部破損、マシンガンにより装甲もボロボロ、ところどころ装甲がはがれ、内部がむき出しになっている部分もあった。
エクスも左腕、右足を破壊され、カメラも一部破損し、マシンガンで装甲がボロボロ、内部がむき出しの部分もある。
二人がサーベルをぶつけ合う。
「!?何っ!?」
「!?基地の兵器か!?」
エクスとクルスが気づく。

「メガ粒子砲チャージ!」
基地の司令が命令を下した。
「どういうことだ!?オレも範囲内に入っている!」
エクスが司令に通信する。
「今、敵小隊がほぼ一直線になっている。今なら全滅させられる。そのために多少の犠牲がでるがな。」
司令が答える。
「なっ!?」
「そろそろチャージが完了する。」

「エクス・・・」
クルスが呟く。
「通信が流れてたか・・・」
それを聞いたエクスが答えた。
「この状態じゃ攻撃範囲内から出られない・・・どうすれば・・・」
クルスが言う。
「くそっ!裏切られたのか!?」
エクスが呻く。

「司令、チャージが完了しました。」
「よし、メガ粒子砲、発射!!!」
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最終話 命を背負って