第4話 3機のグフ
レーダー上の反応がマインに近づいてくる。
「・・・気付かれる!」
マインはそう思った時には行動していた。
1対3で勝ち目がないため、ジャンプして敵の近くにある建物を崩し、破片で撹乱することにした。
近くのビルの根元を狙い、2、3発銃弾を撃ち込む。
うまくいけば3機のMSのうち、1機ぐらいがれきで足止めできる。
計算通り、ビルは3機のMSに崩れていく。
しかし、その3機は散開することなくブーストをかけて直進し、回避してしまった。
その上、ジャンプしたマインを目撃されてしまった。
逆効果になってしまった。
「陸戦型GM1機だ!デルタフォーメーション!」
グレスが叫び、3機のMSがマインを取り囲む。
3角形の中心にマインがいる。
「しまった!」
囲んだ3機のMSはいずれもグフである。
3機が一斉にヒートロッドをマインに向ける。
逃げ場の無いマインはジャンプするしかない。
空中から3機のグフにマシンガンを撃って攻撃するが回避されてしまった。
次に空中で別の場所に着地しようと移動するが、3機のグフも同じところへ移動し、中心から逃がしてくれない。
マインが着地する。
3角形が縮まり、ヒートソードを持った3機のグフが襲い掛かる。
陸戦型GMのビームサーベルは2本、2機の攻撃は防げても、3機目の攻撃は防げない。
ましてや、サーベルで受け止めていれば回避すらできない。
「囲まれている!?」
ザストがジャンプし、猛スピードでマインのいる方向に向かっている。
ザストは180mmキャノンを構え、発射した。
その攻撃は、1機のグフの左腕を破壊した。
続いて3発、180mmキャノンの砲撃が飛んできた。
そのうちの1発は別のグフの右腕を破壊した。
「何っ!?」
グレスは被弾しなかったが砲撃をしてきた方向を見た。
3機のグフがひるんだ。
ザストの蒼い陸戦型ガンダムがこちらにやってくる。
「隊長!!」
「マインか!?無事だな!?」
「はい!」
接触回線で会話し、マインとザストが3機のグフに向き直る。
「カタス!ブライ!大丈夫か!?」
グレスが2機のグフに近づく。
「大丈夫です!左腕をやられただけです。まだ戦えます。」
カタス・グレイアが応える。
「右腕をやられましたが牽制ぐらいなら機関砲でできます!」
ブライ・ネインが応える。
「よし、ならブライ、少し離れて援護を頼む!カタス、行くぞ!」
「了解!」「了解!」
カタスとブライの声が重なった。
ブライ機が少し離れ、機関砲を撃つ。
カタスとグレスはマインとザストに向かう。
「マイン!被弾している方を任せる!」
「わかりました!」
マインがカタスにマシンガンを撃つ。
カタスが回避しながら接近する。
マインがサーベルを取る。
しかし、カタスはヒートソードで斬りかからず、ヒートロッドで攻撃してきた。
マインが右にステップする。
しかし、GMの頬をヒートロッドがかすった。
一瞬モニターにノイズが走る。
マイン機に接近したグフは膝で思い切りマイン機のボディを蹴り上げる。
「わあああっ!!」
GMが吹き飛び、倒れる。
「とどめだ!」
ヒートソードをコクピットに突き刺そうとするカタスに銃弾が降り注ぐ。
「何!?」
グフが後ろにステップし、回避する。
「マイン!大丈夫か!?」
ヴァンである。
「ヴァン!」
「ビルが急に崩れたんでな。説明はあと・・・だな?」
ヴァンがカタスに斬りかかる。
カタスはそれを横に避け、ヴァンを斬りつける。
ヴァンの左腕が切断された。
「うわっ!!」
「ヴァン!!」
マインがグフに斬りかかり、右腕を斬りおとす。
グフはヴァンの機体の横腹を蹴り押し倒してから、マインの方に向き直る。
マインがグフの頭部にサーベルを突き刺すのと、グフがマインの機体を蹴るのは同時だった。
マインのGMが倒れ、グフも倒れる。
ヴァンが起き上がり、グフの足をサーベルで破壊した。
ヴァンはマインの目の前ではコクピットを狙わないようにしている。
マインが起き上がる。
「ヴァン!あっちのグフを頼む!オレは隊長に加勢する!」
「任せろ!行って来い!」

ザストとグレスはサーベルをぶつけ合っていた。
しかし、接近戦を重視したグフはサーベルをぶつけ合いながらも攻撃できる。
ヒートロッドでザスト機の左腕に穴を開ける。
しかし、ザストもグレス機の左腕にサーベルを突き刺していた。
グレスがザスト機を蹴る。
ザスト機が倒れる。
グレスのヒートロッドがザストのコクピットに向かう。
ザストが横に転がり、回避する。
「このままでは・・・」
ザストが呻く。
グレス機が起き上がろうとしているザスト機を蹴り飛ばす。
「ぐうぅぅっ!!」
ザスト機が転がり、あおむけに倒れる。
グレスがそこに斬りかかる。
ザストがボディバルカンで攻撃する。
グレス機が回避するがバランスが崩れ、倒れる。
「くぅっ・・・強い・・・」
グレスが呻く。
しかし、グレスの方が押している状況である。
長引けばザストはやられるであろう。
ザストが倒れたグレスに斬りかかるがグレスはすかさずヒートロッドを出す。
ザスト機の右腕が破壊され、反動でザストが倒れた。
「勝った!」
グレスが呟き、ザスト機のコクピットにヒートロッドを伸ばす。
「隊長ーー!!」
マインのサーベルがヒートロッドを途中で切断した。
そのまま、ザストの機体の前に立ち、グレスの方を向く。
マインは息が上がり、汗だくになっている。
「何っ!?ヒートロッドを・・・」
グレスがマインに斬りかかる。
普通は横に避けるがマインは、姿勢を低くして、突撃した。
グレス機の懐に飛び込み、両足を掴んで押し倒した。
グレスを衝撃が襲う。
マインも一緒に倒れたため、衝撃が襲う。
ヴァンは、ブライの頭部、両足、左腕を破壊してマインの方に向かっていた。
グレスがヒートソードでマインを振り払う。
ザストはコクピットからその戦闘を見ていた。
動きたいのだが、激しい衝撃とダメージで機体の回路が一部破壊され、機体が動かないのである。
さらに、ザスト自身もダメージを受けている。
グレスがマインの機体の左腕を破壊する。
「エースパイロット程じゃないな!」
グレスがマインに斬りかかる。
次の瞬間、グレスの右足が爆発し、横に吹き飛んだ。
ヴァンがマシンガンで不意をついたのである。
倒れたグフの右腕を切断するマイン。
「ちっ・・・ここまでか・・」
グレスは死を覚悟した。
しかし、コクピットが攻撃されることはなかった。
「・・?・・・とどめをささないのか?」
グレスのモニターには陸戦型ガンダムかけよるGMの姿が映っていた。
そして、グレスは残った左足とバーニアで撤退していった。
勿論、カタス、ブライの2人を連れて。
「隊長!!」
「マインか?回路をやられた。機体が動かない。」
「運びますよ。」
ヴァンは装甲がはげてる部分はあるが五体満足の状態なため、陸戦型ガンダムに肩をかす感じでマインと共に運んだ。
敵部隊は撤退し、味方も帰還していった。
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第5話 基地防衛