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0 1年10・7緊急集会 開催報告

2001年10月7日 
10・7
緊急集会 日比谷公会堂


弓削 達さん 1250人が参加し熱気あふれる集会を実現

開催報告

集会ダイジェスト

 アメリカのブッシュ政権が今にもアフガニスタン全土にミサイル爆撃をしかけようとしていた十月七日、この緊迫する情勢のもとで、日比谷公会堂において「10・7緊急集会」は1250名の参加のもと開催されました。

「『アメリカの平和』を疑え」(弓削氏)「犯人は何を訴えたのかを問うべき」(松井氏)―呼びかけ人あいさつ

 集会では、はじめに呼びかけ人を代表して弓削達さん(東京大学・フェリス女学院大学名誉教授)と松井康浩さん(弁護士)があいさつ。弓削さんは「古代ローマ帝国における『ローマの平和』とは征服された諸民族にとっては残酷と屈辱でしかなかった。だから反抗の闘いがまきおこった。今の『アメリカの平和』もまったく同じではないのか」と問いかけ、松井さんも「テロは許せない。しかし、テロリストが命を捨ててまで訴えようとしたことは何か、それをつきとめることが大切」と訴えました。

「自由・民主主義と文明」VS「野蛮」という図式こそ疑え!……問題提起

 続けて実行委員会を代表して問題提起に立った加藤力さん(ストップ改憲全国ネット2001)さんは、「今回の戦争を『自由・民主主義・文明』対『野蛮』という図式で描くことこそ疑うべき」と切り出し、「アラブの青年の命を懸けた体当たり攻撃の背景には、アメリカ国家による支配と収奪への怒りがある」と喝破。「ゲーム感覚で無差別爆撃をおこなうアメリカ国家の国家テロこそが最大のテロ」であり「ピンポイント爆撃と称しての大量殺戮――こういう『文明』という名の野蛮こそが裁かれるべき」と訴えたのです。

リレーアピールで次々と発言

 つづくリレーアピールでは、呼びかけ人の各氏が次々に登壇。はじめに信太正道さん(戦争屋にだまされない厭戦庶民の会代表)は、「私たち神風特攻隊は強制されての『特攻』だったが、今回のイスラム教徒の青年たちは本当に自分たちの信念にもとづいて突っ込んだ。だから私は大喝采しました。なぜアメリカがこれほどに憎まれるのかこそが問題」と喝破。土屋公献さん(弁護士・元日弁連会長)は、「正当な裁判の手続きもなく戦争で裁くなど言語道断」と一喝。医療労働者の方は医療現場で進む戦争協力体制づくりの実態を暴露され、森井眞さん(歴史研究者・元明治学院大学学長)は「『ショー・ザ・フラッグ』と言われて、見せるべき旗は平和憲法です!」と高らかに宣言しました。最後に吉田滋夫さん(早稲田大学社会科学部自治会委員長)は、学園で闘いをつくりだしていることを元気に報告しました。

労働組合が起ちあがっていないことが問題……渋谷澄夫さん

 休憩をはさんで第二部では、渋谷澄夫さん(前北海道議会議員)、沖縄から仲本和男さん(軍港・ヘリ基地建設反対!ネットワーク)、そして山口康明さん(ファシズムに反対する京浜連絡会)の三方が並んで登壇。渋谷さんは「かつてなら反戦ストを打っていた労働組合の、そのほとんどが今では政府に荷担する側にまわってしまっていることが問題」と告発。仲本さんは、戦時下の状況に突入している沖縄の現状を生々しく報告しました。そして、山口さんからは、日本の反戦・平和運動の少なくない部分が「野蛮なテロを制裁するべき」という権力者がつくる論議の土俵にのせられていることの危険性を告発。これらの発言を受けて会場からは活発な質問・意見交換がおこなわれました。
 そして参加者は最後に集会アピールを採択し、団結ガンバロウを唱和するとともに、呼びかけ人を先頭とする首相官邸・アメリカ大使館への代表抗議団を編成し、その出発を満場の拍手で送り出したのです。

集会の模様は、翌日の「東京新聞」や「毎日新聞」朝刊でも報道されました。