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2001年10月13日
10・13緊急抗議集会
開催報告
「報復戦争に反対する会」はこの集会で発足しました。
連日の爆撃に高まる怒りの声。
100名をこえる人々が参加し熱心な討論。
10月13日
緊急抗議集会を開催しました
●参加者全員で「報復戦争に反対する会」
の発足を決めました。
●11・4集会を呼びかけました。
●集会後、有楽町マリオン前でアピール活動しました。
私たちが日比谷公会堂で一二五〇名の参加のもとに「10・7緊急集会」を開いたその夜に、アメリカとイギリスの軍隊がアフガニスタンへの空爆を開始しました。私たち「緊急集会実行委員会」は、十月八日の午後に銀座・数寄屋橋で降りしきる雨の中、抗議の街頭活動を行いました。呼びかけ人の弓削達さん(東京大学・フェリス女学院大学名誉教授)・松井康浩さん(弁護士)・森井眞さん(元明治学院大学学長)などの「緊急抗議声明」を掲載したチラシを配布し、空爆への抗議を呼びかけました。午後六時からは、衆院議員面会所で開かれた緊急集会に参加し、約四〇〇名の市民とともに、首相官邸に向かってシュプレヒコールをあげました。
空爆が連夜続行されることへの怒りが高まり、私たちのあいだに「ただちに行動を起こそう」という声がわきおこってきました。「米英のアフガニスタン無差別空爆弾劾!日本の参戦絶対反対!
『テロ対策特措法』の強行成立を阻止しよう! 10・13緊急抗議集会」を呼びかけました。準備期間が一週間足らずでしたが、これに応えて一〇〇名をこえる人たちが参加し、内容豊かな討論を活発におこないました。
「報復戦争に反対する会」の起ち上げを参加者全員で確認
集会の冒頭に司会の松原さんから、「米英両軍がアフガニスタンへの空爆を開始した今、この報復戦争に反対する運動を粘り強く大きくつくりだすために、日比谷集会の呼びかけ人の方から『報復戦争に反対する会』を創ろうとの声があがり、今日の集会で起ち上げることで一致してきました」との提起があり、参加者全員の拍手でこれを確認しました。「報復戦争に反対する運動を大きくつくり出すためにも今日の集会で活発な討論を行いましょう」――司会のこの呼びかけに応えて約二十人が意見を述べ討論を交わしました。
「テロ対策法は日本の参戦のための法律だ」、「米露代理戦争から第三次世界大戦への危険」を指摘――問題提起
最初に早稲田大学の学生が、大学で「テロ対策特措法」の学習会で勉強したことを説明しました。新聞資料を使いながら、「自衛隊の活動領域」の問題をはじめ「武器・弾薬の輸送」や「事前協議」の“制限”がじつは事実上無制限であることをわかりやすく解説してくれました。「この法案は現行法体系との関係では完全に超法規的な違法なもの」であるということがよくわかりました。
次に実行委員会の加藤力さんからアフガン情勢の「現局面と今後の展開」に関して問題提起がおこなわれました。彼は「今日の産経新聞にロシア政府がGRU(旧KGB)をアフガンに入れたことが報じられているがこれはきわめて重大な問題だ」と述べ、「米露がともに北部同盟を押し立てているが呉越同舟にすぎず、いずれ米露の代理戦争へと発展し、第三次世界大戦が勃発する可能性が高まっている」ことを指摘しました。
「『法にかけて罰するべき』という論調には賛成できない」(徳永さん)「国会には全然緊張感がないのです」(北川さん)
二つの問題提起を受けて自由討論に入りました。
最初に村西義孝さんが「私は十六歳から十九歳までシベリアで捕虜になりました。声を大にして戦争反対を叫びます」と話されました。つづいて法学部の大学生から、「『空爆はおかしいと思うんだけど、自分のこととは思えない』という学友の意見にたいして、どう言えばいいのか困っている」との質問が出されました。
徳永五郎さん(牧師)は「私は9・11のニュースを見て心の中で快哉を叫ぶような体験をしました。これは軽はずみかも知れません。しかしアメリカはいままでどれだけの国家テロをやってきたか、貧しい赤ちゃんをはじめ何十万というイラクの人たちを殺してきた。私は『法にかけて罰すべき』という論調には反対です」と言葉を噛みしめながら語られた。
ここで所用で遅れて到着した呼びかけ人の弓削さんから挨拶がありました。「アメリカは、自分の支配を維持するためにいろいろな脅しや暴力を使って勝手なことをした古代ローマと同じ」と指摘してすべての人々が事態の本質を見抜くよううながされました。
つづいて国会開催中にかけつけてくれた衆議院議員の北川れん子さんは「テロ対策法が通過させられようとしているのに国会には全然緊張感がない!」と指弾し、「是非賛成しそうな議員に働きかけて欲しい」と訴えました。
池田龍雄さん(画家)は「戦争は悪です。止められなくても止める努力をする。私も頑張っていきたい」と、また三嶋静夫さん(ABC企画委員会事務局長)は、「『青年よ、銃を取るな』と訴える時期だ」と呼びかけました。
山内久さん(シナリオ・ライター)は、ご自身の戦争体験に触れつつ「人の命の大切さを考える世の中にしなければ」と切々と訴えて参加者の感動をさそいました。つづいて秋山原宏さん(相模原市議)は平和の替え歌を披露したうえで「二十一世紀がテロと戦争の時代にならないように頑張りましょう」と呼びかけました。
若い組合員と討論をつくり出す工夫を紹介(看護婦さん)
先の学生の質問にたいして、自治体の病院で働く看護婦さんが意見を述べました。若い組合員と討論をつくり出すために、彼女たちのアイドルである俳優や歌手の、この戦争についての発言をとりあげて関心を引き出しながら柔軟に討論をつくりだしていることが紹介され、参加者の共感を呼びました。
さらに沖縄出身の方が、「沖縄はすでに臨戦態勢に入っています。自分たちの上空で訓練した米軍がアフガンの人民を殺戮しているのです。許せない」と訴えました。最後に山口康明さん(ファシズムに反対する京浜連絡会)からは「野蛮なテロリストをやっつけるためには何をやってもいいという集団ヒステリー的な風潮を突破するためにも、反対運動がこれに対抗できる論理をもっていないことを克服する必要がある」と訴えました。
集会の最後に弓削達さんが「十一月四日に、私たちの独特な『報復戦争に反対する集会』を開きます。この集会を力を合わせて成功させましょう」と訴え、参加者全員が力強い拍手でこれに応えました。「テロ対策特措法」制定に反対し、国会前の行動にもできるだけ参加することが呼びかけられ、団結ガンバローで集会を締めくくりました。
有楽町マリオン前で抗議のアピール活動
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有楽町マリオン前で街頭宣伝行動を
行いました(10月13日) |
集会を終えた後、私たちは抗議のアピール活動を行うために、秋山相模原市議を先頭に二十人余で有楽町のマリオン前に移動しました。
「報復戦争に反対する会」の「のぼり旗」二本と横断幕を掲げ、ハンドマイクで訴え、チラシをまいて、日曜日の夕方に街行く市民に「アフガニスタン無差別空爆弾劾!
日本の参戦絶対反対!」の抗議署名をつのりました。
「皆さんの活動を見て勇気づけられました」
(専門学校生)
「抗議署名」には、じつに多くの人が応えてくれました。横浜のある大学の教授夫妻をはじめすすんで署名に来てくれる人も数多くいました。「私は四年間軍隊にいましたが、今度の戦争には反対です」と言うアメリカ人の宣教師や埼玉県の市会議員や映画評論家の方々。専門学校に通うある若い女子学生はこの日の夜にFAXで「連日のニュースで報復戦争の支持者の多さに失望していましたが、皆さんの活動を見て、勇気づけられました」と連絡してくれました。
私たちは、反対運動に接することのなかったこうした人たちの思いをできるだけ汲みつくせるように、いっそう頑張らなければと思いを新たにしました。また一時間余の宣伝行動でしたが、カンパを寄せてくれる人もたくさんいて、多くの市民が共感を示してくれたことに私たちのすべてが力強く思いました。
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