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01年11・4大集会1 開催報告 参加呼びかけ
2001年11月4日

米英のアフガニスタン無差別空爆・侵略弾劾!
日本の参戦絶対阻止!

11・4
怒りの大集会


開催報告

 
11月4日すみだリバーサイドホール
私たち報復戦争に反対する会は11月4日にすみだリバーサイドホールにおいて「米英のアフガニスタン無差別空爆・侵略弾劾! 日本の参戦絶対反対! 11・4怒りの大集会」を、800余名の参加のもとに実現しました。
 この集会は、短期間でしたが、100名の呼びかけ人と125名の賛同人のご協力をえて、多くの参加者のもとに実現することができました。
 「アメリカのアフガン侵略を一刻も早く止めさせなければならない」。「いま声をあげないで、いつあげるのか」。多くの発言者が伝える思いに、参加者一人ひとりが共感し、また心うたれ感動し、決意を新たにしました。

「許すな参戦! 今こそ声をひとつに」 ――ビデオに感動

 はじめにビデオが上映されました。いま米英軍の無差別空爆によってひきおこされているむごたらしい映像、全世界で広がっている反戦・平和の運動。マスコミが明らかにしようとしない数々の映像は、私たちにアフガンの人々の苦しみと全世界の人々の怒りを生々しく伝えるものでした。

「私は声を大にして訴えます。即時全面停戦を」(弓削さん)

 主催者である共同代表の弓削達(東京大学・フェリス女学院大学名誉教授)さんから挨拶をうけました。「今回の空爆は『テロ撲滅』を錦の御旗にしているが、今日のアメリカはかつての古代ローマと同様に『破壊と殺戮と略奪を偽って支配と呼んでいる』にすぎない。私は声を大にして訴えます。即時全面停戦を。この地球上に永遠の平和を。日本国憲法の絶対平和主義が世界の原則になることを要求します」と訴えました。
 つづいて共同代表の森井眞(元明治学院大学学長)さんが、「ブッシュのはじめた戦争は、不戦条約や国連憲章という、人類が積み重ねてきた努力にたいする裏切りだ。こんなブッシュの暴挙に小泉が賛同するのは絶対に許せない。日本国憲法は人間の尊厳を守ろうとした不戦の憲法です。これを守るための私たちの運動にどうぞご賛同お願いします」と呼びかけました。
 都合で参加できなかった共同代表である土屋公献(弁護士・元日弁連会長)さんと池田龍雄(画家)さんのメッセージが紹介された後、加藤力(ストップ改憲全国ネット2001)さんから問題提起がなされました。「ブッシュ政権が窮地に追い込まれているために、これからもっともっと凶暴な軍事攻撃に打って出る危険性が非常に高まっている」こと。小泉政権はじつに卑劣な手口を使ってテロ特措法を成立させ、11月12日にも護衛艦4隻をインド洋に派遣しようとしているなかで、私たちの平和運動の弱さがどこにあるかを指摘しました。
 この問題提起をうけて、リレートークに入りました。

「二年前ぐらいから非常に戦争に近づいている雰囲気を感じます」(神田さん)「いま声を上げないで、いつ…」(大村さん)

 最初に、神田香織(講談師)さんから、反戦の問題を講談で語るようになったいきさつをお話になったうえで、「『はだしのゲン』を発表して15年になりますが、2年ぐらい前から非常に戦争に近づいている雰囲気を感じはじめ、焦りました。黙っていられないと、参議院選挙に立候補しました。憲法の大切さを国会で訴えることはできませんでしたが、『はだしのゲン』で反戦を訴える機会をつくっていただければと思います」と結び、大きな拍手に包まれました。
 信太正道(厭戦庶民の会代表)さんは、「反戦・平和運動は厭戦運動に切り替える必要がある。日本は攻撃文化だが、厭戦文化を広めよう」と呼びかけました。つづいて大村恵美子(東京バッハ合唱団主宰者)さんは、「私は友達に『いま声をあげないでいつあげるのでしょうか』と直筆の手紙を同封して抗議署名をつのりました。百何十人から署名をいただきました。クリスマスコンサートが近づいていますが、プログラムの4頁に反戦キャンペーンをして訴えます」。女性と子どもの視点からのとてもわかりやすい報復反対の訴えに参加者からは惜しみない拍手が送られました。
 つづいて基地周辺で闘っている方から発言を受けました。尾形斉(第三次厚木爆音訴訟原告)さんは、厚木基地周辺での三年半にわたる飛行の実態の綿密な調査とくに9・11事件以後の米軍の臨戦態勢がどのように厚木であらわれているのかを紹介し、その騒音のひどさは「もし誰かがバズーカをくれたらためらわず打ち落としたい気持ちになるくらいひどいものだ」と訴えました。つぎに福本道夫(横田基地飛行差し止め訴訟団事務局長)さんは、「横田基地はアメリカ軍の前線基地です。いつも肌で感じています。滑走路のすぐ近くに弾薬庫があります。危険度1の番号のついた部屋があります。核もしくは毒ガスです。それが攻撃されたらどうなるでしょうか。日々不安な毎日をすごしています」と、いま反戦・反基地の運動の大切さを訴えました。
 P・マクナリー(アラブの子どもとなかよくする会)さんは、「アメリカのアフガニスタン空バカ(空爆)のテロは、9・11のテロよりももっと悪い政府テロです。これらのテロの悪循環が宗教戦争だと思います。空バカにも宗教戦争にも参加しないで下さい」とユーモアを交えて訴え、笑いとともに国際連帯の拍手が会場全体にひびきわたりました。
 休憩をはさんで元山俊美(ABC企画委員会常任議長)さんのビデオメッセージを受けました。「ブッシュのやり方が正義なのか。テロ対策特措法は、戦後はじめて日本が世界に軍事的に構えるということ。これに反対する運動を弾圧する治安立法が必ず出てきます。反対して闘いましょう」と呼びかけました。

「命も生活も安全も守るには平和を取り戻す努力が必要だ」(村中さん)

 「テロ対策特措法」制定反対の運動を労働組合だけでなく市民運動にも呼びかけて共同行動をすすめてこられた村中哲也(航空連副議長)さんは、まず航空連が9・11事件をどのようにとらえたかを「9・17付見解」(@どんな理由があってもテロは認められない。Aこれに武力報復でやるやり方は絶対に間違っている。B航空に関する保安を徹底的に見直す。C有事立法を絶対に認めない)に即して、またこのかんの航空連と共同行動のとりくみを紹介したうえで次のように呼びかけました。「今後間違いなく有事法制の検討が国会に浮上いたします。航空労働者は今おびえております。経営はきわめて困難になっています。私たちは命も生活も安全も守るには平和を取り戻す努力が必要です。皆さんの支援がなければできません。是非お力をいただきたい」と訴えました。参加者の胸を打つ発言に会場を圧する拍手が湧き起こりました。
 電機産業で働く女性労働者は、「企業経営者は、労働者に大リストラを強要しながら、9・11の犠牲者の義援金として100万ドル(1億2千万円)ものお金を出している。こんな偽善者ぶりは許せません。アメリカはおかしいと思っても『テロ根絶はやむえない』となってしまっている組合員を変えるように関わっていきたい」と語りました。津田塾大生が、「先生とともに青空アピール行動をおこなったり全世界に向けて津田塾アピールを発して学園から反対の声をつくり出しています。『始まってしまった戦争を止めることはできないんじゃないか、難民支援をやったほうがいいのでは』といった意見にたいして、難民が生みだされる原因を問題にしないで結果をどうするかだけ問題にすることはおかしいと指摘して、『空爆反対・参戦反対』の運動を広げています」と発言しました。
 出版労働者の方から、出版労連の集会で講師が「どんな理由があっても許されないのはテロだ。テロを根絶するために国連中心の法の裁きで解決しなければならない」と言っていたが、「いま現に戦争が起こっているなかで、これに反対する運動をつくっていくことこそが大切だ」と、運動を拡大する決意が語られました。最後に、早稲田大学の学生が、「テロの原因はアメリカの中東政策にあると考えている学生でも、『テロは全人類に対する挑戦だ。国連のもとで法によって裁くべきだ。自分は自民党の野中広務に期待する』と考える人がいる、こうした意見は反対運動内部の問題を克服することなくしてできない」と提起しました。
 最後に、集会アピールを全員の拍手で確認し、主催者から「12月2日に中央会館でより大規模な集会を持ちたい」との呼びかけがあり、団結ガンバローで締めくくりました。



11・4集会後の署名活動
(数寄屋橋交差点)
集会後に数寄屋橋で街宣行動

 集会を終えた後、参加者約80名が、数寄屋橋交差点で「米英のアフガニスタン無差別空爆・侵略反対! 日本の参戦絶対反対!」を訴えて抗議署名集めをました。
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参加呼びかけ

報復戦争に反対する会共同代表
弓削 達 (東京大学・フェリス女学院大学名誉教授)

 テロはわれわれの常識では犯罪である。テロ実行者は、文明社会の常識に従って、犯罪者として文明社会の法に従って、裁判にかけられ、有罪を証明されてはじめて、罪の大きさに従って処罰されなければならない。
 テロへの報復を、国家を守る役割を負った軍事力を行使して、戦争に訴えて怒りにまかせて実行しようとすることはあやまりであり賛成できない。
 世界最大の最先端軍事力を用いてのアフガニスタンへの無差別攻撃は、無関係な民間人の殺傷をも不可避とするから、尚更、絶対容認できない。
 イスラエル・パレスチナの終わりなき抗争こそ、新段階の「テロ撲滅戦争」の不幸な失敗を暗示し、それに同調する者は世界平和の破壊者の加担者となること必定である。
 往年の「パクス=ローマーナ」は、世界の、ローマ以外のすべての民族にとって怨嗟のまとであった。「パクス=アメリカーナ」が「パクス=ローマーナ」の轍を踏まないようにすることは、現代人の義務である。

報復戦争に反対する会共同代表
森井 眞 (元明治学院大学学長)

 戦争とは殺人である。その戦争をはじめたブッシュは民間人を殺して哀悼の意を表した。それで殺人を止めはしないのだ。人を殺して哀悼の意を表すればすむのか。私はその哀悼に人間侮辱を見る。この戦争で飢えと寒さにより数百万の命が危ぶまれている。但し殺人の問題は数が問われるのではない。唯一人の命でも然るべき理由なく奪うことは許されない。人間の尊厳とは数の問題ではないのだ。
 第一次、第二次大戦の痛ましい犠牲の上に一九二八年の不戦条約と国連の戦争禁止の規定が生まれた。それらの除外例である自衛戦争にブッシュの戦争は該当しないと専門家はいう。不戦条約も国連の規定も、人類が築き上げた。貿易センタービルより遙かに偉大な記念碑また構築物である。ブッシュの戦争はそれを壊した。ビルの破壊より無限に野蛮な文明の破壊である。これを支持するEUの、また時代を先取りした日本国憲法を無視する小泉の、無思慮不見識に私は怒りを禁じえぬ。

呼びかけ人
池田 龍雄 (画 家)

 アメリカ・ブッシュ政権は、テロへの報復戦と称し、アフガニスタンの地に容赦なく爆弾の雨を降らして人々を無差別に殺傷し、無数の難民をつくり出し、その上で、特殊部隊と称す暗殺集団を送り込んで、陰険な殺戮を始めた。これは、「戦争」の名を借りたもう一つのテロでなくて何であろう! 血を血で洗っても血は落ちない。
 日本は、世界に誇るべき折角の平和憲法を捩じ曲げ、新しく法律まででっちあげて、アメリカのその国家的テロリズムを、ここぞとばかり支援しようとしている。これはまさしく、みずから「主体的に」新たなテロに加担する道ではないか。
 いまこそ声を大にして叫ばなければならない。
 政府よ・小泉よ、われら国民が汝に委ねた大切なその権限を乱用して、再び国民が、手を汚し傷つくことになるような道を開くな!と。たとえ道が開けられても、われらは断じてその道を行かないから!と。

呼びかけ人
山内 久 (シナリオライター)
 実は今、世界中のほとんどの人間がアフガン人の頭上に落とされる爆弾の一発一発を自らの痛みとして受けとめているのではないか。
 報復戦争は人類滅亡への引き金だ。十八人のアラブの青年が何のためにあの暴逆を敢えてしたか、その根本原因をきわめない限り、真の平和はない。

呼びかけ人
吉村 弘司 (靖国神社国営化反対福音主義キリスト者の集い)

 九月十一日、米国を襲った同時多発テロリストへ全世界の人たちと共に「NO!!」
 十月八日、米英の同時多発テロへの報復戦争に全世界の人々と共に「NO!!」
 日本のテロ対策特別措置法案は、テロ取締りの下に、世界大の戦争協力法だ。全国民と共に「NO!!」
 特に、今継続している米英を中心としたアフガニスタンへの世界規模の戦争に「NO!!」
 貧困と飢餓・餓死に直面しているアフガニスタンの難民、人民への一刻も早い世界規模の救援支援を!!
 日本は、今こそ、侵略戦争による人民の血で獲得された平和憲法戦争放棄の9条を世界へ!!

呼びかけ人
森川金寿 (弁護士)

 かつてのベトナムへのアメリカの侵略反対運動のときのような反戦反米活動に似た状勢になって来つつあります。日本はアメリカの侵略戦争の片棒をかついではなりません。

呼びかけ人
北野弘久 (日本大学法学部名誉教授)

 アメリカの武力行使には国際法上の根拠もありません。自衛権からも正当化できません。まさしく、一般市民への国家による「殺人的犯罪」といわなければなりません。日本は、平和的手段で、対処すべきです。自衛隊による「後方支援」も武力行使で違憲です。

賛同人
奥平康弘 (憲法研究者)
 
 小泉政権の憲法C破壊Dをなんとしても阻止しなければならない、と思っています。ひとりでも多くの市民に、「小泉ノン!」の運動に参加しましょう、と呼びかけたい。
(呼びかけ人・賛同人からのアピールの一部を掲載しました。)
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