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01年12・2大集会2 開催報告 参加呼びかけ

2001年12月2日

米英のアフガニスタン無差別空爆・侵略弾劾!  日本の参戦絶対反対!

12・2怒りの大集会

開催報告

12月2日に中央会館に850人が集まりました

( 私たちは、十二月二日に、中央会館(東京・銀座)において、「米英のアフガニスタン無差別空爆・侵略弾劾! 日本の参戦絶対反対! 12・2怒りの大集会2」を、参加者八五〇余名で実現しました。
 この集会では、急転回するアフガン情勢をふまえて、「許すな!米軍の大規模地上戦突入を/多国籍軍派遣による米英ロの支配反対!」をサブ・スローガンに掲げました。
 参加者は、熱気あふれる活発な討論をくりひろげ、「一刻も早く侵略戦争をやめさせる!」「ブッシュ政権の戦争放火の拡大を許さない!」「日本の参戦絶対反対!」の決意を新たにしました。


 
「今こそ怒りの声を!」 ― ビデオに感動

  
はじめにビデオが上映されました。「タリバンの抑圧から解放された」というマスコミ報道がいかにデタラメなものか。燃料気化爆弾などの大量殺戮兵器を使っていっそう凶暴化し戦禍を拡大しているアメリカの侵略戦争の生々しい実態が映しだされ、参加者は怒りを新たにしました。

「平和な世界をつくるためにこそ、 世界に貢献すべき」(弓削さん)

 主催者を代表して、まず弓削達さん(東京大学・フェリス女学院大学名誉教授)があいさつ。「私たちは、テロに訴えざるをえなかった人たちの気持ちがあることを、悟らなければならない。『テロを撲滅するため』と称して、たった一人の犯人を捕えるために、何千人もの罪もない人々を殺すことは、許されることではない。平和憲法にしたがって平和な世界をつくるために、かりに血を流しても世界のために貢献すべきではないか。ここに日本の名誉ある使命がある」と訴えました。
 つづいて森井眞さん(元明治学院大学学長)は、「他の国の立場を無視して、自分の価値観をおしつけ、自分の利益をもっぱら追求するような国は、必ずや破綻する。アメリカに断固として反対しようではありませんか。この戦争に日本が加担することに断固として反対しようと思います」と、力強く呼びかけました。
 リレートークの最初に、水岡不二雄さん(一橋大学大学院経済学研究科教授)は、「戦争はすでに終わったかのように言われているが、いまカンダハルでは最大の戦闘がつづいている。忘れてならないことは、この戦闘を国連が『自衛権』の名のもとに支持している事実です。国連主導のアフガンの和平なるものにどの程度の正当性があるか。アメリカの新しい帝国主義型の戦争によってわれわれ自身の生活が脅かされようとしていることを強く自覚する必要がある。アメリカこそが最大の失敗国家であり、アメリカこそがこの世から消え去らなければならないと思う」と熱烈に訴えました。
 つづいて、山内久さん(シナリオライター)は、「安保闘争のときやベトナム戦争のときのような緊張感が、社会にまるでない。そんなときに、この『会』から『呼びかけ人にならないか』という書類がきまして、喜んで参加させてもらいました。そしたら数寄屋橋でビラまきをやる機会がありました。一人ひとりあたってみればいろいろなことが見える。それをいい方向に進めていくためにも、この会の活動を肝すえてやっていきたいと思います」と、静かな口調でしかし力強く語りました。
 P・マクナリーさん(アラブの子どもとなかよくする会)は、「イスラエルの国家テロこそが根本的な原因。最近アメリカでは戦争を広げようとする運動が行われています。その旗印は「On to Baghdad」といいます。意味はイラクなどの国々を空爆しようということです。こうしたアメリカの戦争拡大に反対し、日本国憲法の平和主義が世界の原則になるように頑張りましょう」と呼びかけました。

「戦時下の弾圧をはねのけて 完全黙秘で釈放をかちとりました」(中村さん)

 「11・18タウンミーティングイン東京」で「日本の参戦反対」を掲げて逮捕され、三日前に釈放をかちとったばかりの中村さん(東京大学学生)が、急きょ発言しました。
 彼女は、「小泉にたいして、この紙をかざして、『アフガン侵略戦争反対! 日本の参戦反対!』と力のかぎり叫びました。その瞬間に七〜八人の警察官に会場から暴力的に引きずりだされました。そのとき小泉は『自衛隊の派遣は憲法の枠内です』と言ったので、私は引きずられながら『集団的自衛権の行使じゃないか』とハラの底から叫びました。この逮捕は、戦時下における言論弾圧なんだ、と思い完全黙秘でたたかいました」。心から語りかける言葉が参加者の胸を強く打ち、あふれる拍手がわき起こりました。
 つぎに、メッセージ紹介にうつりました。都合で参加できなかった共同代表の土屋公献さん(弁護士・元日弁連会長)と池田龍雄さん(画家)をはじめとして、メッセージが紹介されました。

「この戦争は、アメリカに逆らう者を血祭りにあげるまでは終わらない」(中野さん)

 休憩をはさんで、パネルディスカッションにうつりました。司会が、ディスカッションのテーマを、@アフガニスタンの現在についてどう考えるか、A日本の参戦についてどう考えるか、Bいま、私たちは何をなすべきか、の三つと提起。これを受けて、四人のパネラー――早稲田大学の学生松原信材さん(参戦を許さない教師の会)、浜崎重信さん(厚木基地爆音防止期成同盟顧問)、中野弘之さん(ファシズムに反対する京浜連絡会)――が発言しました。
 早大生は、「テロの根源を考えるべき」ことを、浜崎さんは、「日本の参戦は憲法違反、自衛隊法も違反です。ガイドライン・周辺事態法が制定され、治安立法も一挙に強化されている。同時に大学の自治会活動・反対運動を弾圧して戦争をやりやすくしている」ことを、中野さんは、「ブッシュは『アフガニスタンは始まりにすぎない』と言っている。この戦争は、アメリカに逆らう者を血祭りにあげるまでは終わらない。長い戦争の序曲にすぎない」ことを指摘しました。
 このあと会場からの質問は次々とつづきました。最初に学生が、「北部同盟がカブールを制圧して以後、マスコミの宣伝もあって『タリバンの抑圧から解放されてよかったのでは』という意見が多く出ているのですが、どう考えたらよいか」と発言しました。これにたいして中野さんは、「現にやられている北部同盟の虐殺・暴行・略奪や部族間のむごたらしい角逐を押し隠すためにふりまかれている一面的な宣伝にすぎないだけでなく、西欧の価値観を基準にして『野蛮』と切り捨てるものだ」と欺瞞性をあばきました。
 つぎに、郵便労働者が、「炭疸菌テロ問題があってから、作業で緊張を強いられている。都内のある局において、白い粉を含んだ郵便物が発見されたとして物々しい検査をした。人命尊重というよりも戦時下の危機管理体制づくりをやっているんじゃないかと思う」と、職場の実態を紹介しました。
 これにたいして、「学校でも同じように『白い粉』対策の指導がやられている。『テロ対策』を問題にする場合にはアメリカの国家テロをこそ問題にしないかぎり根絶できない」(松原さん)、「炭疸菌は、アメリカ国内の不満分子がやったといわれている。戦争に導くために、当局に仕組まれたものが多い。注意する必要がある」(浜崎さん)、「アメリカや日本では、すでに不況下で戦時経済化してきている。ブッシュ政権のもとでは戦争は拡大する必然性にある」(中野さん)と、意見が出されました。

「国連の下での解決」は幻想ではないのか

 会場から大村恵美子さん(東京バッハ合唱団主宰者)が、「いまの状況は、以前と違って、ロシア・アメリカ・イギリスなどが『援助』と称して勝手に来て勝手なことをやっている。国連はまったくなにもしていない。大国の草刈り場のようになっている。だから国連軍をつくって警戒に当たらせるなんていうのはまったく無理じゃないか」と発言しました。
 つぎに学生から、「参戦と言われても実感がわかないとか、難民支援にいくだけでしょうという人が多い」という質問。浜崎さんは「現在は難民支援といって後方支援をやっているが、これ自体が相手から見れば参戦そのもの。そもそも小泉は、『多少の犠牲はやむを得ない』と、戦闘を考えている」。中野さんは、「これまでのPKO法との決定的な違いがある。戦後ではなく戦時に派遣する/中立的立場じゃない/装備がすごい/交戦規定の変更(武器使用の緩和)/事後報告でよいとした。十年前は全部否定されたものが国会で成立した」と警鐘を乱打した。

 「共産党は、何やってんですか!」

 
発言希望者が次々に挙手し、予定時間がきても質疑応答は続きます。討論が白熱するなか、会場から「何をなすべきか、といえば空爆やめさせること。私は、共産党員です。最初からアメリカ・日本の政府のシナリオどおりにマスコミが動き、日本人のすべてがこのシナリオにのっかっている。マスコミも政治家も何やっているのか。共産党が一番ダメ。テロが起こる背景、いままでアメリカが何やってきたのかを全然問題にしない」と共産党指導部を弾劾する発言が飛び出しました。危機意識に満ちた発言に、参加者から共感の拍手がわき起こりました。
 秋山原宏さん(相模原市議)は、「ついに日本がテロの対象国になったという感覚を郵便労働者は持ったんだと思う。アメリカには徹底していいなり放題、という日本の政治をあらためるべきだ」と呼びかけました。
 最後にパネラーからのアピールを受けました。「共産党は、権力者と同じ目線にたってテロ反対といっている。ブッシュ政権の戦争放火・第三次世界大戦への道を阻止する力は、いま全世界で広がっている反戦運動や反米運動をやっている人との交流でしかつくれない」(中野さん)。「日本の憲法の根底にあるものは、侵略による多くの人達の血と涙と怨みなのです。この憲法を守るためにぜひこの運動をつづけて欲しい」(浜崎さん)。「戦争をやめさせることができるのは労働者だ。しかし『連合』大会で『テロ根絶決議』があげられた。労働貴族を引きずりおろさなくてはならない」(松原さん)。「反戦の闘いをともに大きくつくりましょう」(早大生)。
 最後に、〈米英の侵略弾劾! 日本の参戦絶対反対!〉の集会アピールを参加者全員の拍手で採択し、この運動をさらにおし広げる決意をこめた「団結ガンバロー」で、集会を終えました。

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参加呼びかけ

米英のアフガニスタン無差別空爆・侵略反対!
 日本の参戦絶対反対!

1
2 ・2集会に参加しよう

12月2日(日)正午開場 1時開会
中央会館
(東京・銀座2−15−6  地下鉄新富町駅下車丁目

プログラム
ビデオ上映
主催者挨拶 
(弓削 達、森井 眞)
リレートーク 
P・マクナリー さん(アラブの子どもとなかよくする会)ほか
パネル・ディスカッション
浜崎重信さん(厚木基地爆音 防止期成同盟顧問)ほか


「戦争終結」ムードの演出に だまされてはいけない!

 北部同盟による首都カブール占領いらい、アメリカのブッシュ政権は、「女性の就学と就労」「ひげ剃り」などの自由が復活したなどと喧伝し、「戦争終結」「タリバン独裁からの解放」ムードを大々的に演出しています。
 けれども、だまされてはいけません。いまこの瞬間にも、米英軍はタリバン軍を追いかけ南部全域でじゅうたん爆撃を連日くり返しているではありませんか。タリバン軍の南部への撤退におごり高ぶる米英軍は、いまや「タリバンの逃亡は認めない」(国防長官ラムズフェルド)と血に飢えた本性をむき出しにしながら、燃料気化爆弾(デージー・カッター)などの大量殺戮兵器を雨あられと投入して空爆を続行しているのです。

ブッシュは戦火を中東全域に拡大しようとしている!

 そればかりではありません。たとえブッシュやブレアが、「国連決議」を錦の御旗として、カブールに、英・仏・独などのNATO軍を中心とする多国籍軍を投入しようとも、それはかえって戦乱を激化させるものでしかありません。すでに二ヶ月近くにもわたって、米軍と一体となってむごたらしい人民殺戮に手を染めてきたイギリス軍、これを中心とする多国籍軍なるものは、アフガン人民にとっては、キリスト教十字軍の血に飢えた占領軍隊にほかならないのです! 実際、ラマダン(イスラム教徒の断食月)に入ったことも意に介さずに空爆を続行している米英軍の蛮行は、すべてのイスラム人民の憎悪をかきたてずにはおかないのです。
 そもそも、ロシアを後ろ盾とする北部同盟軍が、米露の「タリバン打倒」をめぐる「黒い結託」に支えられつつアフガニスタン北部を占領したことによって、北部同盟(タジク人・ウズベク人・ハザラ人などの少数部族集団によって構成)とパシュトゥン人(同国南部で人口の多数を構成)とのあいだでの対立はいまや決定的なものとなり、国土の南北分割の様相をますます深めているのです。実際、北部同盟軍は占領した地域においてパシュトゥン人にたいする虐殺をくり返しているではありませんか。このような宗教(宗派)的・部族的対立と抗争の激化は、米(欧)露の各国権力者がタリバン打倒のために国内の部族間抗争を利用してきたことの必然的帰結なのです。
 しかも、ブッシュ政権はいまや、全世界六〇ヶ所に拠点を持つといわれているイスラム復興主義勢力の武闘組織「アルカーイダ」を根絶するために、「見えない敵」をシラミ潰し的にせん滅するという「非対称的戦争」をさらにおし広げることを宣言しています。そればかりか、イラクのフセイン政権を一方的に「テロ国家」と断罪し、来年二月にも大規模攻撃をしかけるというハラをいまや公然と明らかにしているのです。
 このような戦争放火者ブッシュとブレアによる、アフガン人民皆殺し戦争とその中東全域への拡大を、私たちは絶対に許してはなりません!

「復興支援」の名による日本 の参戦に絶対反対しよう!

 このような米英の侵略戦争にたいして、小泉政権は、「テロ対策特別措置法」にもとづく「基本計画」を閣議決定し(11月16日)、11月25日にも自衛艦隊を派遣し、正真正銘の参戦を果たそうとしています。自衛隊艦隊の出兵に勢いづく彼らは、いまやPKO協力法の改定すらも打ちだし、PKF凍結解除と武力行使にかんする制約の撤廃を一気におしすすめようとしています。こうした彼らの策動の行く手にあるものは、まさに「戦争の放棄」を謳った憲法そのものの改悪なのです!
 しかも同時に小泉政権は、「新たな戦時下」にふさわしい危機管理体制を構築するために、治安弾圧体制を一挙に強化しようとしています。実際、画面に映る人物の骨相から個人をすべて特定することのできる「人間Nシステム」なるものの街頭設置を本格的におしすすめるなど、「テロ対策」を口実として徹底した危機管理をおしすすめようとしているのです。だがそれはまさに、私たちの反戦平和の声をおしつぶすためのものにほかなりません。
 すべてのみなさん! 
 反対らしい反対もなしに「参戦法」が国会において採択され、自衛隊の派遣=参戦がやすやすと強行されてしまうという、この屈辱的な現実を打破することをめざして、私たちはいまこそ労働者・学生・市民の力をひとつに結集しなければなりません。
 「いま声をあげないでいつあげるのか」(11・4集会での大村恵美子さんの発言)。私たちは、いまこそ「アフガニスタン空爆・侵略弾劾! 日本の参戦絶対反対!」の声をひとつの巨大な奔流としておしひろげるために、ともに奮闘しようではありませんか!

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